《質問》こんな攻撃的なメンバーのバルセロナはどう?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「茶飲みばーさん」より

「メッシ、ネイマール以下を一列下げて、

DFセルジ・ロベルト、ピケ、ブスケツ(マテュー)、アルバ

MFラキティッチ、メッシ、ネイマール(イニエスタ)

FWガブリエル・ジェズス(デニス・スアレス)、スアレス、ハリロビッチ(ラフィーニャ)

でどうでしょうか。守備がめちゃめちゃになりそうな気もしますが、両エストレーモが幅を取るので、ラテラルが高い位置で張る必要がなくなること、ビルドアップが改善することを考えると意外と安定しそうな気もします。」(少し見やすくコメントを修正しています、メンバーは基本右からで後ろの選手を先に書いている4-1-2-3です)

「茶飲みばーさん」コメントありがとうございます。まだ6月なのにバルサが狙っている!?FWの選手(ノリート、サナブリア)がどんどんバルサに来る可能性が低くなっており、それならガブリエル・ジェズス獲得に動いてくれれば個人的にも嬉しいですね。

見解・回答

・攻撃的なメンバーで一昔前の3トップ!?

まずメンバーをパッと見た感想から、両ウイング(エストレーモ)に逆足の選手を置いてないことがこのチームの1つのミソなポイントなのでしょうね。右サイドに右利きのジェズス、左サイドに左利きのハリロビッチなら中に入るプレーというよりはそのままサイドに張ってのプレー希望ということが分かります。

オーフェルマウスがバルサにいた2000年代前半ぐらいの時代の3トップの感じがしますね。スぺイン自体がサイドアタッカーを大事に考える志向が強い時期であり、当時で言えばホアキン、ビセンテなどの縦に強いサイドアタッカーを配置した感じですかね。

後はチーム全体が攻撃的なメンバーで構成されており、守備よりも攻撃を主体とするチーム作りに見受けられます。「攻撃は最大の防御」という言葉がピッタリなチームだと思います。

CBにブスケツ起用はマスチェラーノよりもビルドアップが優れているから、もしくは移籍を考慮したのでしょうか。アンカーにも攻撃的なラキティッチを配置しており、ここは超攻撃的にいくバルサならこの先試合の途中でこんな形もあるかもしれませんね。

そして最後に中盤のセントラル(メディアプンタ)の2人にメッシとネイマール配置はとても斬新だと思います。メッシはまだ将来的にあるかもしれませんが、ネイマールをここで起用する人は少ないと思います。ネイマールを起用するなら完全な4-2-3-1の完全なトップ下という使い方なら起用するとは思いますが。

 

・守備する人少なすぎて5人で守る可能性も・・・

ここからは分析でまずは守備面からで、両ウイングがサイドで幅を取りSBがそこまで攻め上がらないことで速攻での失点は減るかもしれません。しかし根本的に守備をする選手が圧倒的にこのチームには少ないですね。

後ろの5人ぐらいしか下がって守備をするイメージが出来ず、前の5人が自陣の深い位置で体を張って守備をするかが最大のポイントになるでしょうね。メッシやネイマールが中盤で走り回って守備をするならスタミナを奪われ今までの攻撃面が発揮されるかも微妙な所です。両ウイングの若造2人が積極的に守備をするにしても、戻るのに時間がかかったり逆に速攻時にサイドの幅を使えないなど悪循環する可能性が高いでしょう。

ボールを奪われた直後の前線からのプレスはまだ出来そうですが、前の5人の守備意識を考えると真面目に守備をしそうなのがスアレスぐらいな気もするので、相当な守備に対する意識改革が必要でしょうね。前からのプレスを突破されたら後ろスカスカなチームの守備になりそうです。

イメージ的には今シーズンのベルナベウクラシコのレアルで、あの時のレアルは4-2-4みたいな中盤スカスカでしたが、このチームなら前の5人が相当守備を意識しないと守備面で圧倒的に苦労しそうです。対戦相手が強いチームになり押し込まれる時間も長くなると想定すれば、そういう試合では1試合に2~3失点ぐらいはしそうなチームですね。

現状の守備意識と守備レベルで考えているので、守備に対する意識改革を選手達に叩きこんだら守備が機能しないとは絶対言えません。しかし、さすがにこのメンバーでは守備面が滅茶苦茶不安になると思います。

 

・攻撃ではメッシとネイマールの中盤2人が・・・

次に攻撃面で、ビルドアップですが確かに後方のビルドアップは安定するかもしれません。ブスケツが最終ラインにいることでピケと2人でGK含めて上手くパスを回してくれそうです。アンカーのラキティッチもそれなりにパスをつないで、ブスケツ並とはいかずともボールを取られずにパスを散らせるでしょう。

問題は恐らく「茶飲みばーさん」がこのチームの肝にしている中盤のメッシとネイマールの2人で、そもそもこの2人は自分でボールを持ちたがる(ドリブルしたがる)選手なので、中盤の位置で球離れが悪くなる可能性が高いと思います。

バルセロナのパスサッカーといえば速いテンポでパスを回して相手に守備させる(ボールを奪う)ポイントを絞らせず、押し込むことで守備でもプレスがはまりやすくなり守備時に失点のリスクが下がるのが最大の強みだと思います。

メッシとネイマールの2人なら攻撃を組み立てるハーフライン付近でもドリブルする可能性が高く、抜ければ問題ないですが引っかかることも踏まえれば失点のリスクはありそうです。また速いテンポのパス回しの、バルサのパス回しで一番の肝である中盤の2人がボールを持ちすぎることで逆に機能しない可能性もあるのかなと思います。

両ウイングがサイドに開いてサイドの幅を取ることはパス回しで助けになりますが、現実問題メッシとネイマールがウイングの若造2人に積極的にパスを回す可能性も低いのかなと思います。それなら自分がワンツーやドリブルなどで突破してやると考えそうな気も。メッシはまだパスを回すことに頭を切り替えれそうですが、信頼度の低い両ウイングにパスをせずにスアレス狙いになりそうな気も。

そこで更なる悪循環として攻撃が中央に寄り過ぎることで対戦相手が守りやすいということも発生しそうです。最終的に言葉は悪いですが、「両ウイングがお飾り状態」な攻撃になるのかなと思います。メッシとネイマールの性格やプレースタイルを踏まえてのお話ですが。

それなら普通にイニエスタを中盤に入れてネイマールをウイングで起用する方が良いと思います。メッシもイニエスタにはそこまで頭が上がらずにパスをする傾向なので、スムーズに中盤でパスが回るのかなと思います。

イニエスタを世代交代含めてメンバーを外したと思うのですが、約1年前に「イニエスタは何歳で衰える?」という質問の記事(下の関連記事内にあります)を作りましたが、そこでも書いてある通り2018年W杯まではイニエスタはレベルを維持すると思います。今のユーロなんかを見るとほぼ確信して後2年はまだまだ世界のトップレベルでやれると思うので、そこまではイニエスタが基本スタメンで後はローテーションでメンバーを回す感じで良いと思います。

少しイニエスタに話はそれましたが、両ウイングの2人にも言及したいと思います。若手のジェズスとハリロビッチの抜擢は素晴らしいのですが、さすがに2人ともスタメンだとチーム力が落ちて勝つのも苦労すると思います。この2人がサイドで相手のSBに圧倒される可能性もあるだけに、チャレンジ的な起用だと思います。起用するならまだ1人がスタメンで、もう1人を途中投入ぐらいが勝利を維持しながら成長も見守れると思います。

攻撃面では後方のパス回しでは今までよりほんの少し安定感が増すかもしれませんが、中盤に渡った所でどうなるか心配な所です。前線もスアレスは相変わらず仕事をしてくれそうですが、両ウイングの2人がまだ完璧に計算できない戦力だけに不安要素が高いです。このチームなら攻撃面を期待と不安で表すと2:8ぐらいで不安が大きいと思います。

 

・現実では厳しすぎて勝てないとは思うが状況次第では・・・

最後にまとめると、正直このメンバーで勝つのは難しい気がします。勝つというよりも安定的に勝利を継続させることが難しいといった方が正しいでしょう。攻撃が爆発する試合もありそうですが、相手が強くなるとこのチームのウイークポイントが目立つチームだと思います。

ゲームのウイイレなんかでは選手の能力を考えればこのメンバーでも全然勝てそうですが、チームとして考えると選手の性格面も踏まえてまとまりのないチームになりそうです。しかし、これだけ攻撃的なメンバーを起用しなければいけない状況ならこんな感じのメンバーもありだと思います。

この1試合で3得点以上欲しい場合などは、メッシを中盤で起用してウイングにネイマールともう1人の選手で幅を取る攻撃は有効になるでしょう。SBの攻撃をあまり考えないのであれば後ろを3バック(マスチェラーノ、ピケ、アルバ)にし、3-4-3なんていうのも面白いと思います。

中盤はブスケツとラキティッチをボランチにして、メッシとイニエスタが中盤で自由に動くという形なんてどうでしょうか。ウイングの2人がサイドで幅を取り、メッシやイニエスタだけでなくラキティッチなんかも飛び出しやワンツーなどでゴール前に侵入し、真ん中のFWのスアレスの周りのスペースに選手がどんどん走り込むサッカーも面白いと思います。

 
 

1 Responses to “《質問》こんな攻撃的なメンバーのバルセロナはどう?”

  1. 茶飲みばーさん より:

    回答ありがとうございます。やはりバランスがとれなさそうですね。
    ただ、右サイドにつては、過激に高い位置をとるアウベスがいなくなりメッシのプレイスタイルが変化していることを考えると、別にエストモーレを置き幅を取らせる方が現実的で、9番より右エストモーレが補強ポイントと思っています。エストモーレに求める資質は①サイドにはること(中に入りたがらない)、②スペースがあれば単独で仕掛けるテクニックとメンタル(DFを引き付ける)③メッシの分も守備(ファーストDF、戻る守備両方)です。理想はディマリアです。アルダ、ラフィーニャ、デニススアレスでもよいですが、②の点が弱いように感じて、若手のハリロビッチ(③に課題)やガブリエルに期待してしまいます(ムニルは中に入りたがるので向かないと思います)。

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