《質問》2016年夏のバルセロナの移籍市場の動きの評価は?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「バルサ」さんより

「この夏の移籍市場が閉まりましたが今回の選手補強はどう思いましたか?自分は例年に比べれば良い補強はできたと思ったのですが。放出した選手の移籍金には納得できないところもありましたが…」

「バルサ」さんコメントありがとうございます。他の方からも今夏の移籍についてコメントを貰っていたので、この代表ウイーク中に記事を書こうと思っていた所でした。

見解・回答

的確な補強の5選手+獲得チャンスのアンドレ・ゴメスで、フロントは評価アップ

数日前にバルセロナのSDロベルト・フェルナンデス、プロスポーツ部門の責任者アルベルト・ソレールが今夏の補強に対しての会見を行っていました。そこで今夏にバルセロナが獲得した選手についての説明を行っていました。

そこでアンドレ・ゴメスを除く5選手は将来性を見据えながらしっかりと戦力になる選手、アンドレ・ゴメスはマーケットに出ており予算オーバーしてでも獲得すべき選手だったと説明しています。今夏のバルサは結構お金を使いましたが、(6000万ユーロの予算+放出選手で得た移籍金)ー(6選手の獲得に使った固定の移籍金ーアンドレ・ゴメスの移籍金)はしっかりと予算以内に収まっているようです。出来高の金額を払えば余裕で超えそうですが、そこはちゃんとフロントが考えているのでしょう。

アンドレ・ゴメス以外はしっかりと計算された補強で終わっており、アンドレ・ゴメスが獲得出来なくても選手層はしっかりしていたので的確な補強だったように感じます。個人的にバルドメウ会長陣営のフロントはあまり好かないですが、少しばかり評価を上げた感じですね。今夏の補強総額は多くかかっていますが、選手の実力と年齢を考えれば結構適性な価格で選手を獲得できたのかなと感じます。アンドレ・ゴメスだけが少し高かったぐらい。

 

チームの底上げに成功した補強と、コンパクトな選手層に成功した放出

今夏に獲得した6選手+アルダの中で鉄板メンバーを入れ替えるだけの選手がいるとは言えませんが、試合の途中で入ったりローテーションしても信頼できる選手がとても多くなったように感じます。昨シーズンはスタメンとベンチの選手の実力差があったので困った所はありましたが、今シーズンはエンリケバルサになってローテーションが最も行われるシーズンになるのかなと感じています。

シレッセン以外は23歳以下の選手ですし、即戦力という面だけでなく選手の成長に期待が出来そうなのがさらに良かった点。この先選手自身が移籍を志願しない限りは、5年以上はバルセロナに残れるであろう選手を補強できましたし、鉄板メンバーを下から突き上げるだけの戦力が揃ったという印象です。

放出選手ではブラボだけは残念な放出となりましたが、ルイス・エンリケがそこまで戦力とみなしていない選手を放出出来て、チームはとてもコンパクトになった印象を受けます。前々からエンリケバルサの選手数は多いと思っていましたし、フィールドプレーヤー19人+GK3人となってベンチ外の選手が減って嬉しい限りです。怪我人が多く出てもカンテラ選手(マルロン、カプトゥム、ムヒカ、カマラは2部のジローナへレンタル移籍中?)をベンチに入れておけば良いでしょう。

正直現状心配な選手はマテューとビダルの2人だけですし、この2人ともシーズンに入れば出場機会を得て良いパフォーマンスをしてくれると思いたいですね。最悪CBはユムティティでカバー出来そうですし、右SBは困ったらラキティッチを試す時が来たかなと思います( ̄▽ ̄)。ラキティッチなら間違いなく問題は起きなさそうなんだが・・・。

 

移籍金が低い放出は毎度で・・・

最後に放出した選手の移籍金ですが、全体を見ると低すぎましたね。本当なら今夏に放出で得た移籍金の倍以上の金額を得ることも出来たでしょう。契約をわざわざ解除してフリーで移籍させることに上記の会見で、「コストゼロで売るのではなく、選手に自由を提供する為」と説明したようです。

フロント陣営の選手目線やバルセロナは選手をとても大切に扱うのは素晴らしいことですが、経営面を考えれば移籍金は1ユーロでも多く得るべきだと思います。選手自身の年俸が高くてバルサから移籍する時に想像以上に移籍金が少なくなることは仕方ないことかもしれませんが、それでも他クラブと粘り強く交渉して移籍金を得るべきでしょう。

ある意味このことはフロント陣営がサボったといって良いでしょう。クラブ間や代理人との交渉で後手に回るバルサでありますが、ここは譲ってはいけないポイントだと思います。基本選手を売るクラブではなく買うクラブのバルサでありますが、売るのがさすがに下手過ぎますね。そして売る時に市場価値よりも相当低く見積もる癖はいったいどうして?とも思います。

移籍金の交渉は駆け引きの部分もあるので、最初から低く設定してそこを叩かれてさらに安く選手を売る所はフロントの評価ダウンな所。買う時は市場価値より少し高く考え、売る時は安く考えるのはなぜなんですかね。ブラボなんか余裕で2500万ユーロで粘って最低2200万ユーロでは売れたでしょう。もしかするとそれ以上も可能だったかなと。

選手を売るのがとてつもなく下手な伝統があるバルサですから、それも上手く付き合っていかなければいけない部分なのでしょうね。今夏は補強面が良かったので、放出面は大目に見てあげるぐらいの優しい心で見守りたい所です。

 
 

3 Responses to “《質問》2016年夏のバルセロナの移籍市場の動きの評価は?”

  1. レト より:

    まだシーズンは始まったばかりですが、チームの若返り化に関しては非情にポジティブな感触なのは素晴らしいです。
    ゴメスやアルカセルの獲得はバレンシア側に事情がありましたし、獲得競争においては交渉力の弱さを露呈しています。
    それでも今季の積極補強にはフロントの本気度が伺えて印象が変わりました(13-14シーズンの非協力ぶりとは好対照です)。

  2. フィンチ より:

    こんにちは、はじめまして。
    カンテラーノのカマラですが、どうやら2部のジローナにレンタルされたようですね。間違っていたらすみません。

    これからも為になる記事楽しみにしてます。

  3. 茶飲みばーさん より:

    昨年 苦しんだEBITDA比は15/16シーズンは大幅に改善したようです。15/16決算は、収入678M€(←608)、当期利益29M€←15)EBITDA139M€(←105)純負債271M€(←328M)EBITDAに対する負債比率1.94(←3.12)と発表されています。(https://www.fcbarcelona.com/club/news/2016-2017/a-review-of-the-economic-balance-of-the-201516-season)
    ラポルタ時代の土地売却不正に対する損金30M€引き当てを行ったうえでの数字だそうです。
    16/17予算の発表はまだですが、ユニフォーム契約の大幅増額等新規スポンサー契約が相次いでいたこと、人件費の節約(若返り)もあって、EBITDAは増加が期待されるのではないでしょうか。

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