バルセロナの新しいフォーメーションを考える!

コメント欄に「レト」さんから「これだけ中盤の選手を増やしたからには、なおさら新しいフォーメーションが見てみたい」というコメントがあったので、もしもシリーズでバルセロナの新しいフォーメーションについて考えてみたいと思います。

今回は「MSNが1人だけしかいない時のバルセロナの新しいフォーメーション」というテーマです。

MSNの内2人が怪我した時のバルセロナ(想定)

MSNの3人がいると3トップが確定してメンバーが固定され新しいフォーメーションを考えにくいので、2人欠場時のフォーメーションを考えていきます(残すのはメッシ)。これなら中盤の選手が起用しやすくなり、バリエーションも増えるのかなと思います。※第4のCFはまだ獲得していないので、その選手はいないもので考えています。メンバー選考は独断なのでそこで腹を立てないでください<(_ _)>

・4-1-4-1

20160729 4-1-4-1

これならほぼ4-3-3ではと思えてしまうかもしれませんが、一応中盤の攻撃的な選手をメッシの下に4人配置。攻撃的な中盤の4人が前線の空いたスペースにどんどんランニングし、対戦相手の守備を乱すとともにボール支配率も高くなりそうな布陣。バランス良いフォーメーションで、どんな相手でも戦え現状最もバルセロナで現実的なフォーメーションなのかもしれません。

 

・4-2-3-1

20160729 4-2-3-1

4-1-4-1からラキティッチを1つ下げてダブルボランチにしたフォーメーション。どちらかと言うと守備に重きを置いた戦いをしたい時に採用するフォーメーションで、CLや国王杯などの1stレグで使ってみると面白いかも。アンドレ・ゴメスがよりメッシに近いポジションでプレーし、入れ替わりながらの縦関係の2トップ気味でこの2人での速攻も1つの狙いになりそう。

 

・4-3-2-1

20160729 4-3-2-1

バルセロナで一時期のミランのクリスマスツリーのフォーメーションを再現。ミランとは違い中盤の5人で圧倒的にボールを回してボールキープし、サイドのスペースにSBが積極的に攻撃参加。ハーフコートマッチゲームを狙いとし、中央が固い守備のチーム相手にあえてこのフォーメーションで挑んで最後にサイドを突き折り返したボールでフィニッシュ。現実味はとても低いフォーメーションだが、バルサファンは細かくつなぐこんなバルセロナの姿が見たいのかも。

 

・3-4-3

20160729 3-4-3

MSNがいなくても3トップにした攻撃的なフォーメーション。ウイングがサイドラインギリギリに開きパスを左右に何度も振りながらチャンスを伺い、中盤のブスケツ以外の選手達がゴール前に飛び込んでフィニッシュ。ハーフコートマッチを狙いとし、何が何でも得点が欲しい試合や状況で使うフォーメーション。

 

・3-6-1

20160729 3-6-1

中盤に6人置き、SBの2人をSHで起用してサイドはしっかりカバー。変則的な4バックや5バックでも守れる。ポジションチェンジやフリーランニングをすれば配置のパターンはいくつもあり、対戦相手は試合前に守る予測が難しいフォーメーション。今回の新しいフォーメーションの中で、現実で最も見てみたいフォーメーションとなった。

フォーメーションはただ“基本陣形”というだけで重要ではない

よくフォーメーションを考える場合に自分達のことばかりを見て考えている人がいる。自分達の選手をフォーメーションにあてはめ、それでいくつかのパターンを考える人もいるのではないだろうか。上記のフォーメーションも確かにそうであり、対戦相手を考慮せずに自分達のことだけを考えて作っています。

バルセロナの場合は選手の質がトップクラスで戦い方もほとんど決まったものがあり、対戦相手を見てそこまでフォーメーションや戦い方を変える必要はない。しかし拮抗した対戦相手や各上の対戦相手と対戦する場合には、通常フォーメーションや戦い方といった戦術はしっかり考えることが勝利につながる。

今期からグラナダを指揮するリーガファンから絶大な人気があるパコ・ヘメス監督も4-2-3-1をベースに、対戦相手や状況を考慮してフォーメーションを4-3-3や3-4-3に変化させる。戦い方は鬼プレスとボール支配という2枚看板で不変だが、対戦相手から優位性を見出す為と対戦相手に対処する為にフォーメーションは変化させる。

だからパコ・ヘメス監督は鬼プレスをかけるにあたって陣形は完全に崩してもOKで、どんどん後ろの選手にマークを受け渡し頻繁に選手が左右だけでなく上下にスライドして守る。バルサ戦ではほとんど4-2-3-1のフォーメーションで戦っているはずだが、その鬼プレスをする為にバルサ戦では3-4-3や時には3-3-4のように見えるとてもリスキーな陣形になることもしばしば。

しかしパコ・ヘメス監督はバルサのパス回しを高い位置でボールを奪う意味と自分達がボールを支配する意味でこれを推奨して戦っている。対戦相手のバルサのフォーメーション上、自分達がピッチ上でフォーメーションを変化させることは十分理解している。フォーメーション自体はプレーが切れた後のリスタート時の基本陣形であって、後は自分達のサッカーを実現させる為にフォーメーションはあってないようなものと考えているに違いない。

パコ・ヘメス監督のチームはあまりにも戦い方が不変すぎて良い例ではなかったかもしれませんが、対戦相手から優位性を見出す為と対戦相手に対処する為にフォーメーションという基本陣形は状況次第で変化させるべきものである。もちろんチームの引き出しを多くするために練習の時から様々なフォーメーションを試しておく必要はありますが。

試合開始5分でフォーメーションを変化させろ!?

中学サッカーや高校サッカーではよく対戦相手の3トップに対して3バックで守ろうとして何度も崩されたり、対戦相手の中盤3枚に対して2枚で守っていてマークが完全に余って中盤を支配されている状況もしばしば。監督が試合前にたてたフォーメーションを忠実に守って対戦相手に試合の優位性を持たれ、対処できないチームをよく見る。

日本人の監督の指示への忠誠心とそれを実行に移すというのは1つのメリットなのだが、サッカーの試合で中心にあるのは選手達で間違いない。監督がどれだけ指示をしたり怒っても選手達は自由に動くことが可能で、基本陣形のフォーメーションも例外ではない。

クライフ氏が「私は試合前にたてた作戦はほとんど意味がないと思う。試合が始まり対戦相手が何をしようと試みているか、そして対戦相手のフォーメーションを見て自分達のフォーメーションや戦い方を常に変化させていたよ。私は監督としてそれを試合が始まり5分見て判断し指示を出しており、私には選手時代からそれを見抜く力があったよ」みたいな発言をしている。

まさにこれで対戦相手の状況によって自分達の戦い方やフォーメーションを変化させるのが1つのベストなやり方だと思う。もしこのブログを見ていて現役でサッカーをしている選手ならば、対戦相手から優位性を見出す為と対処する為に自分がピッチに立っているときは監督の指示を無視してフォーメーションを変化させてみてはどうだろうか。

選手なら試合途中にベンチに下げられ後で監督に怒られる可能性はあるが、このことは大きなリスクになるとは思えない。試合後に監督やコーチに「チームの勝利の為に優位性を見出し対処する為にフォーメーションや戦い方を変えた」としっかり説明すれば普通の監督なら分かってくれるはず。

監督やコーチの人ならば、試合途中にフォーメーションや戦い方を変化させるという癖をつけてみてはどうだろうか。また選手達にピッチ上では自己判断で戦い方やフォーメーションを変化させてもOKとしてあげても良いだろう。

 
 

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