もうボール保持にこだわらないエンリケバルサ!

バルセロナは今シーズン初めての公式戦となるスーペルコパのファーストレグで、セビージャを敵地のサンチェス・ピスファンで勝利した。2対0というアウェイならほぼ満点を上げても良いスコア+プレシーズンで不安定だった守備の改善が見てとれたことはバルサファンを大いに安堵させた。

今回は「エンリケバルサ3年目になって無理にボールポゼッションを狙わない!?」というテーマです。

前半の耐え凌ぐバルサの姿に違和感を覚えない!?

スーペルコパ1stレグのセビージャ戦の前半、バルセロナはセビージャにボールポゼッションで負けていた(はず)。90分を終えた最終的には僅差でボールポゼッションでは上回ったが、前半のバルサはセビージャ相手にボールを持たせてもらえなかった。セビージャの前からのプレスに苦しみ、バルサはいつものビルドアップやパス回しが出来なかった。

セビージャ側がボールポゼッションを高める為にしっかりつないで縦に急がなかったこともあるが、バルサがセビージャ相手にいつも通りのパス回しをするのは難しかっただろう。それはコンディション面だけでなくセビージャの戦い方も影響し、恐らく多くのバルサファンも試合前には今のセビージャ相手にバルサがボールを保持して、圧倒的に試合を支配する姿は予想していなかったに違いない。

それはファンだけでなくチーム内にも浸透していたように思える。前半が終了してロッカーに下がる選手達の表情に、焦りや困惑と言ったネガティブな要素はほとんどなかった。むしろ「前半は大体こんなもんでしょ!?」と言わんばかりに、あっさりとしていた選手の表情が多く見られた。

試合前から前半の試合展開はある程度予測しており、セビージャにボールを持たれても特にバルサの選手達に焦りは見られなかった。最近のバルサの試合を見ていない第3者には、バルサはボールポゼッションできずに試合をコントロール出来ていないなと見えたのかもしれない。

しかしエンリケバルサになってセビージャ戦の前半の試合展開は、今のバルサファンにとっては多くはないが何度も見てきた光景だった。こんな試合展開や守るバルサの姿に、ある意味抵抗感は少なくなったように感じる。

 

勝利する為と失点のリスクがあるぐらいなら自分達から下がる

エンリケバルサになって攻撃ではカウンターを取り入れ、バルサが自陣で守備をする機会はとても増えた。ペップバルサが異常なほどポゼッションにこだわっていてそれで勝利してきたことで、バルサファンにはボールを絶対的に保持するのがバルセロナという印象が刷り込まれた。

時が流れ監督がルイス・エンリケになって良く言えば臨機応変のバルサ、悪く言えばポゼッションスタイルを捨てたバルサと言えるのかもしれない。今のエンリケバルサはボールを回せない状況に陥った時に、ある程度下がって守備ブロックを作るバルサの姿がある。これは前線のMSNのカウンターで得点が奪えるので、それでも勝利出来るというチーム状況からきている。

また今回のセビージャ戦のようにボールを失う回数が多くなってバルサらしいサッカーが出来なくても、そこまで無理せずボール支配の為に選手を移動させるのではなく、まずは失点のリスクを下げる戦いを実践して失点しない戦い方を取り入れている。

言い代えればボールポゼッションに困った今のエンリケバルサは、極端にカウンターを狙った戦い方を実践していると言える。今回のセビージャ戦はその代表的な試合で、勝利する為に失点のリスクを下げて得点を奪う為にこのカウンターサッカーを90分通して実践したと言えるだろう。

ポゼッション>カウンター>がっちり守る

上記の話をすれば間違いなく出てくるのが、バルセロナはボールポゼッションのスタイルを捨てたのかというお話。ボール保持というポゼッションスタイルを捨てたわけではないのでそこは間違いないように。バルセロナなのでまずはボールポゼッションをして自分達が試合をコントロールする狙いは不変で、それが困難だったりする場合はカウンターサッカーに移行するというチームの大まかな戦い方を決めるだけのお話。

常に試合をコントロールして得点を奪う為のパス回しがバルサの基本形の戦い方で、時間帯や状況的にカウンターサッカーを取り入れて戦っているというだけ。そして自分達の攻撃の得点をそこまで意識しない時は、ほぼチーム全員でがっちり守るというのも今のバルサ。

状況的には試合終了間際だったり、1人減って数的不利の状況で耐える為だけに守備をすることも。昨シーズンの国王杯の決勝がそんな試合。今のエンリケバルサは良く言えばとても臨機応変でどんな対戦相手でもある程度対処できるチームとなっている。苦手チームは確かにあれども、一昔前のバルサに比べれば何でも出来るバルサになって来ているはず。

 
 

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