スーパーロングシュートは決められても仕方ない!
CLグループステージの第1節のローマ戦で、バルセロナは結果的にフロレンツィの超ロングシュートによってスコアが同点で試合を終えた。
今回は「GKの高いポジション取りは継続すべき!」というテーマです。
■ 目次
繰り返されたロングシュートからの失点
ローマ戦のロングシュートでの失点シーンは、スーペルコパのファーストレグでサン・ホセに決められたゴールを思い出す失点であった。
リーガ第2節のマラガ戦でもブラボの高い位置を見てロングシュートを打たれたこともあり、対戦相手も意図的にロングシュートを狙ってくるチームがこれから多くなるかもしれない。
しかし、失点シーンで言うと今回のローマ戦の失点とビルバオ戦での失点では意味合いが大きく違う。ローマ戦での失点はシュテーゲンのポジション取りの裏を取られての失点であり、ビルバオ戦の失点はシュテーゲンのクリアが中途半端でシュテーゲンのミスと捉えられる失点である。結論から言うと、ローマ戦の失点は仕方ない失点であった。
GKの高い位置取りは変わらないし、変えない方がベター
試合後のコメントでルイス・エンリケが「あの失点の責任があるとすれば自分である。私がシュテーゲンに高い位置取りをさせたからである」というコメントを残している。
全くのその通りであり、今回の失点はシュテーゲンのミスではなくバルサの守り方では仕方ない失点の1つである。ただただフロレンツィのシュートを褒めるしかできない。
バルサのように高い最終ラインを設定するとGKとDFの間に大きなスペースが生まれ、そこをカバーする為にバルサのGKはゴールを空けて前にポジションを取るのがバルサの守り方である。
その守り方でバルサは裏へのボールをGKがクリアしたことが何度もあり、ローマ戦でも数回そのシーンがあった。今回とビルバオ戦での失点でこの戦術に少し疑問を持ちたくもなるが、あれは事故のようなゴールで毎試合起きるようなゴールではないはずである。
もし対戦相手がそれを意図的に何回も狙えば話は変わるが、1試合で多くて1本のシュートがあるかないかというのが現状である。そんな数少ない失点のリスクの為に、GKをゴール前に立たせて守るのは大きな間違いになる。
失点シーンから守備の改善、プレスの改善などしなければいけないが、フロレンツィのシュートに限っては奇跡的なゴールであり、例外と捉えるべきである。シーズンを通せば防げないような失点がいくつもあり、その1つと捉える必要がある失点だった。
シュテーゲンは飛び出す機会の精度は上げるべし
今回の失点シーンとは直接関係ないが、シュテーゲンの前への飛び出しが少し危なっかしいと言うのは事実である。特に何でもかんでも触れたらシュテーゲンは前に出ようとし、DFが十分クリアできたり対処できるボールでも、飛び出してDFと被ることが最近の試合では目立つ。
シュテーゲンは飛び出しの度胸もタイミングも良く、攻撃時含めて高いポジション取りはとても上手くプレーしている。しかし、ちょっと過信しているのか前に必要以上に出過ぎ感はある。
これはブラボにはほとんどないシーンであり、やはり高いライン設定の守備の経験値が足りないだけだと感じる。今季はこの面も課題として、シュテーゲンの活躍を見守る必要がありそうだ。
足元のボールの処理は半端なく上手く、セービングやハイボールの処理も非凡なものがあり、パスをつなぐのも上手いので、やはり後は年齢からくる経験だけがブラボとの安定感の違いであるように感じる。