バルセロナの15/16リーガ優勝を簡単に振り返る!

バルセロナはリーガ最終節のグラナダ戦に勝利したことで一時は余裕とも見られたリーガ王者となった。なんだかんだ言ってシーズンを通してみればバルセロナは強く、不安定な時期を多く過ごしたレアル、戦力的にどうしても劣ってしまうアトレティコに勝りリーガ王者になったのは当然の結果だったように思われる。

今回は「バルセロナの15/16リーガの戦いを簡単に振り返ってみました」というテーマです。

2度の不振を振り払って獲得したリーガ王者

今シーズンのバルセロナのリーガはプレシーズンの試合に始まってUEFAスーパーカップ、スーペル・コパと多くの試合を戦ってからリーガの戦いが始まった。昨夏は補強禁止処分もあって新戦力を一切加えれずに昨シーズンの戦力の現状維持で戦った前半戦は、どこかの組織に仕組まれたかのようにアウェイで強豪チームとの戦いが続いた。

シーズン序盤の開幕はビルバオのアウェイ、堅守のマラガ、アトレティコのアウェイとどうみてもバルセロナには厳しい序盤戦の戦いが続いた。スーペル・コパ2ndレグでピケが暴言で4試合出場停止処分を受け、この開幕からのスタートを失敗するとそれだけでライバルチームに遅れを取ってリーガ優勝が難しくなることが予想された。

しかし、昨シーズンは怪我でほぼ全てを棒に振ったベルマーレンがピケの代わりに最終ラインで安定したプレーを見せ、バルセロナは開幕からの難しい3連戦を3連勝と好スタートでリーガを発進することが出来た。これでチームはピケの復帰もあって勢いに乗るかと思われたが、まず1回目のチーム不振がやってくる。

第5節のセルタ戦でまさかの1対4と大敗し、第6節でメッシが負傷してエース不在で迎えた第7節のセビージャ戦でまたもバルセロナは1対2で負けてしまう。その直後の代表ウイーク期間は少しバルセロナ周辺は騒がしくなり、メッシ不在で第3者から見たら今シーズンのバルセロナは終わったと思われていたかもしれない。

しかしこの騒がしい代表ウイーク明けからバルセロナの次のエースになるであろうネイマールが大爆発する。そこからメッシ不在もスアレスとネイマールの連携の良さ、そして何よりもネイマールのキレキレのドリブルで対戦相手に勝利していく。

そして迎えた第12節のベルナベウクラシコ、メッシが怪我からギリギリ回復していたとはいえチームの状態は良く、セルジ・ロベルトのこれまでの大活躍もあってメッシをベンチに置いて試合は始まった。やはりこの試合でもスアレスの決定力、ネイマールのドリブルなどでバルサはレアル相手に4対0と大勝する。

12月になって第14節のデポル戦と第15節のバレンシア戦ではリードしてから追いつかれるというバルセロナらしくない試合も続いたが、年末のクラブW杯を優勝して良い形で前半戦を終えた。前半戦は怪我人も多く出て選手の台所事情はギリギリで戦ってきたバルサだったが、後半戦に向けて予想以上に前半戦で勝ち点を積み重ねて挑めることになった。

1月になり第18節のエスパニョールとのダービー戦で引き分けて勝ち点を積み重ねれない時期も少しあったが、ここで夏に獲得していたビダルとアルダが起用可能になってバルセロナの選手の層は厚くなった。ミッドウイークには国王杯、週末にはリーガの戦いと週2試合ペースの日程もバルセロナはローテーションで選手を休ませつつ勝利していく。

そして気付けばいつしか敗戦した第7節のセビージャ戦以降チームは負け知らずで、CLと国王杯も含めてチームは無敗記録39試合を達成した。しかもその間のエスパニョール戦以降の後半戦のリーガは全勝で、延期分のヒホン戦も含めてリーガ12連勝というチームの勢いは手を付けれずにバルセロナは無敵にも思われた。しかし、ここから今シーズン最大の不振がバルセロナを突如に襲う。

リーガも終盤に差し掛かり第30節のビジャレアル、第31節のカンプノウクラシコ、第32節のソシエダ、第33節のバレンシアと苦しむであろうがなんだかんだ言って勝つと思われたこのリーガ4連戦でバルセロナは大失速する。

ビジャレアル戦ではクラシコを意識してか後半開始早々にピケを下げたことでバランスを崩してビジャレアルに2点差を追いつかれて引き分け。クラシコでは先制しながらも追いつかれ、レアルに1人退場者が出た後に逆転ゴールを許すという嫌な負け方をした。鬼門のアノエタでのソシエダ戦ではソシエダの枠内シュート1本が前半開始早々に決まり、そこからバルサは得点を奪えずに負けた。ここで2位のチームと勝ち点差は3となっており、もう失敗は許されないと思われたカンプノウでのバレンシア戦でも攻めても得点を1点しか奪えずに1対2でまさかの敗戦をする。

リーガ第33節を終えてバルセロナは首位を守っているとはいえ勝ち点差で並ばれたアトレティコが2位、勝ち点差1で追うレアルが3位で後ろのチームはもうすぐそこに迫っていた。バルセロナは残り5試合を5勝するしか優勝の方法はなくなり、残りのリーガの戦いはハラハラする試合が続いた。

しかし今振り返ると幸か不幸か不調時に敗退したチャンピオンズリーグの試合がなくなり、バルセロナは残りのリーガの戦いをほとんど週1試合のペースで戦えることになった。疲れを癒してしっかり試合に向けてバルセロナは毎試合準備できるようになった。

負けたバレンシア戦でもバルサは良い戦いは見せていたが、ここからバルセロナは文字通りチームの状態はV字回復を見せた。第34節のデポル戦ではゴールが決まらなかったのが溜まっていたかのように8対0で勝利し、続いてのヒホン戦でも6対0と大勝した。この続く大勝もそこまで内容的や試合展開的に安堵できるものではなかったが、残りの3試合は安定した戦いでバルセロナは勝利していく。

第36節のベティス戦ではチームのプレスが復活して守備で大きく改善が見られ2対0の勝利。第37節のエスパニョールとのダービーでも安定した守備が機能し5対0と快勝。そして先日グラナダ相手に3対0と勝利したことでバルセロナはリーガ優勝を決めた。

リーガ全日程を終えて数字をおさらい

リーガの順位推移表を見るとバルセロナは3~4節、11~17節、21~38節とリーガの首位に立っており、38節中27節もの間リーガの首位に立ち続けた。2位に終わったレアルが4節、3位に終わったアトレティコが3節であることからもバルセロナがいかに安定して勝ち続けたことが分かる。

リーガでは29勝4分け5敗で勝ち点を91獲得し、得点数は112でリーガ1位、失点数は29失点でリーガ2位、得失点差は83でリーガ1位の記録を残した。

シンプルに勝ち点を最も獲得したのはバルセロナでリーガ優勝にふさわしく、それ以外の数字もバルセロナがリーガ王者になるには十分な数字を残した。CLやELで頑張っているリーガ勢を制してのリーガ王者、とても価値のあるタイトルを獲得してシーズンを通してチームが機能したことを証明する証となったのではないだろうか。

 
 

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