バルベルデバルサの戦い方の2つの大きな変更点
バルベルデバルサもすでに2試合(ユベントス、マンチェスター・ユナイテッド)終えました。
2連勝という結果と、チームの戦い方に好感触を得ている人も多いのではないでしょうか。
今回は「バルベルデバルサのエンリケバルサからの大きな変更点2つ」というテーマです。攻撃と守備で大きく分けました。
■ 目次
1、攻撃では3トップが中央寄りでサイドのスペースはSBが活用する
まず攻撃面で、バルベルデバルサの3トップ(MSN)がより近い距離でプレーしていることは明らかですね。
エンリケバルサの時はメッシが自由に動き、中央から右に流れるスアレス、そして左サイドにへばりついたネイマールという形でした。
バルベルデバルサの場合は3トップが自由にポジションチェンジを行っていますし、何よりも3人全員がPA内の横幅の範囲内でほとんどプレーしています。
スアレスは基本中央に位置していますが左や右に流れ、メッシとスアレスはその後ろで自由に攻撃に参加している状態です。
その為、MSNの中で大きな変更点という意味では、ネイマールが中央付近でプレーする機会が増えています。
ネイマールのこの2試合での3得点という部分も、サイドから中央でプレーしていることでゴールに近い位置でプレー出来ており、得点が増えていると考えられます。
MSNが中央付近でプレーすることで、対戦相手は守備が中央に固まるのはこれから多くなってくるでしょう。
空けたサイドのスペースはSBが攻撃参加することで解決しようとしており、時にはCHの選手がサイドに流れる機会もあります。
バルセロナがパス回しで相手を崩す時は基本、対戦相手の守備組織を広げさせたいという狙いがあります。
その為WGの選手がサイドラインまで開いてボールを受けるという戦い方がありますが、バルベルデはある程度相手を中央に集めて、そこからサイドのスペースを活用しようという狙いがあるようにみえます。
対戦相手が中央に寄らない場合はマンユー戦のように、メッシやネイマールなどがドリブルやワンツーなどで中央からどんどん崩しますし、この力があるという意味でもMSNはやはり脅威の存在と感じます。
現状中盤の選手のゴール前への攻撃参加が少し寂しいですが、中盤の選手も絡めればさらに攻撃は良くなるという印象を受けます。
まだバルベルデバルサが始まったばかりということもありMSNの形は変更があるかもしれませんが、攻撃ではこれまでの2試合を見るとMSNの距離感が近くなったことが最も目につきます。
ビルドアップの時にアンカーの選手が何度もCBの間に下がってボールを受けていますが、相手が2トップならとても有効な策で積極的にこれからも続けてほしいところです。
2、守備ではパスの出てくる場所を徹底的につぶすバルベルデ
次は守備面で、バルベルデバルサは守備のプレスが強化されています。
ボールを失ったときにすぐ奪い返しにいくのはもちろんですが、対戦相手が最終ラインなどでボールを保持しているときの守備の仕方がエンリケバルサとは違います。
エンリケバルサの時はボールの追い込みやスペースを消すのが上手くいかず、最後はチーム全体が下がってPAの前で守備をする機会も多くなりました。
一方バルベルデバルサは、対戦相手がゆったりとボールを持っているときは無理にボールを奪い返すのではなく、じわりじわりと追い込んでボールを奪い返す守備を実践しています。
バルベルデがビルバオ時代に実践していたことをバルセロナに取り込んでいるようです。
前線の選手がまずビルドアップしている選手の前に立ち、縦パスを通しにくくし、サイドにボールを送った所で強く寄せることで縦パスを蹴らせています。
この時にパスの受け手を徹底的にマークで潰すことで、バルベルデの守備は完成です。
その為には最終ラインの選手も目の前にフリーの選手がいれば、中盤のゾーンに入ってプレスをかけているのが特徴的です。エンリケバルサの時は4バックの陣形をあまり崩そうとしなかったです。
徹底的にボールの受け手をつぶすこと、そして強引に縦パスを蹴らすことでボールを奪い返すことがバルベルデバルサの第1の守備陣形です。(敵陣の守備)
そこを突破されたら次はPAの前での守備となり、中盤の選手が下がって守備をするという第2の守備陣形です。(自陣の守備)
第1の守備陣形では4-3-3、4-5-1ともいえる陣形で全員守備を見せていますが、第2の守備陣形では前線の3人がそこまで守備に加わらないので、自陣まで相手にボールを運ばせると現状苦しくなる印象を受けます。
マンユー戦では中盤を何度も突破されていましたし、スアレスやネイマールにどれだけ守備を求めるかはこれから決めていく感じになりそうです。
守備に関してはビルバオ時代のバルベルデそのままという印象で、エンリケバルセロナも何度も対戦しただけに、中盤にボールを送り込みにくい守備のやり方です。
また、このような前に前にプレスをかけるのはバルセロナの戦いにも沿っており、攻撃的な守備と見えて良い印象を受けます。
今回は大きく攻撃と守備で2つに分けましたが、細かいところではまだまだ変更点はありそうですね。
変更点と言ってもバルセロナの戦い方はボール保持をベースとしているので、エンリケバルサから全然違うということでもないのですが。
今回の2つの変更点は、バルベルデバルサになってからの改善点と考えていいと思います。
まだまだ戦いながら変更点が出てくる可能性があります。そういう意味でも今のプレシーズンの試合は注目です。
次はクラシコとなるレアル・マドリード戦、親善試合ですがやはりこの試合だけは試合内容よりも勝利を追い求めてしまいそうです。勝利して良い試合内容なら最高です!