17/18シーズンバルベルデバルサの前半戦総括、監督・チーム・選手評価②
今回は前回の続きで、17/18シーズン前半戦の選手評価となります。
これはPart2の記事になりますので、前回のPart1の記事は↓↓↓
17/18シーズンバルベルデバルサの前半戦総括、監督・チーム・選手評価①
Part1では数値で見る前半戦のバルセロナ、バルベルデ監督の評価、チーム評価について書いています。
今回は選手評価でも
1、GKの選手評価
2、DFの選手評価
について書いています。
※選手の順番は背番号順です。ポジションについてはより多く起用されたポジションでその選手を評価しています。
※()の中の数字は評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。
■ 目次
1、GKの選手評価
テア・シュテーゲン(10)
このシーズン前半戦のシュテーゲンのパフォーマンスに、バルサファンなら99.9%満足と答えるでしょう。
相手FWとの1対1でのビッグセーブ、PA内や付近からの鋭いシュートへのビッグセーブ、ビルドアップ時のパス回し、すべてが安定しており、シュテーゲンのミスと呼べる失点は一つもなかった。
安定感以上にビッグセーブが増えてきており、シュテーゲンのGKしての実力面で大きな飛躍を遂げたシーズン前半戦でした。
チームのパフォーマンス同様、毎試合安定したパフォーマンスを見せてくれて、バルセロナの守備の最後の砦として圧倒的な存在感をはなった。
シーズン前半戦のバルサの失点の少なさも、シュテーゲンのセービングによるものが多かったのは紛れもない事実。
シュテーゲンのおかげで勝てたと思える試合もいくつもあり、評価は最高の10点をつけました。
ヤスパー・シレッセン(7)
試合の出場こそ国王杯の4試合ですが、そこで安定感抜群のパフォーマンスをみせている。
セービング機会は確かに多くありませんが、シレッセンの安定感はある意味、シュテーゲン以上と思えるほど昨シーズンから安定感抜群を継続中。
シレッセンはセービングもキャッチングも飛び出しも足元も、バルセロナの第2GKとしては能力がとても高く、第1GKとして出場しても問題ないくらい良い。
シーズン後半戦も国王杯の試合で出番が訪れ、昨シーズン同様に国王杯優勝にシレッセンの活躍に期待がかかる。
2、DFの選手評価
ネルソン・セメド(7)
バルサ1年目のシーズン前半戦で、まずはバルサに慣れるという意味で徐々に適応していきながら、良いパフォーマンスも見せています。
持ち味の攻撃面ではまだまだですが、守備面ではシーズン開幕時より明らかに対応が良くなってきていて改善がみられる。
セメドの場合、チームのピンチにスライディングや戻りの速さで後方のスペースをカバーしており、チームの大ピンチを何度も救ってくれた。
攻撃ではまだまだですが、最近は飛び出しやワンツーで右サイドをえぐる機会も増えており、これから高速ドリブルや飛び出しで右サイドをえぐる攻撃がみれればOKです。
右SBとして年齢のわりに経験が豊富で攻守においての対応がうまく、選手としての成長は期待するのですが、まずはバルサに適応することで、しっかりと戦力の1人として数えれそうで良い補強選手でした。
ジェラール・ピケ(8)
重要な試合では毎試合ピケがCBを務め、DFリーダーとしてラインコントロールやゴール前の守備で存在感をはなった。
特にゴール前でのクロスボールにおけるポジショニングからくるクリアは、今シーズン前半戦も健在で、高さの面で強くないバルサにとってピケのゴール前での存在感は大きかった。
パス回しのビルドアップでも安定感抜群で、サイドチェンジや縦パスなど、バルサのCBとして必要なプレーをしっかりこなしていた。
唯一の課題は、スペースがあるときの1対1の対峙の守備で、ファールで止める機会が多くなり、それはチーム1のイエローカード(リーガ7枚、CL2枚)を食らったことでも証明されている。
スピードはある程度あるが敏捷性で相手FWの対峙に苦労しており、これから先スピードのあるFWやレベルの高いFWと対峙すると、ここはバルセロナのウィークポイントとなりそうだ。
それでも今シーズンはピケのCB起用が間違いない起用になるでしょう。
ハビエル・マスチェラーノ(7)
今シーズンはバルベルデ監督があまりローテーションをしないこともあり、マスチェラーノ自身の出場機会は減った。11月に代表戦で1カ月の怪我をしてしまい、それでさらに出場する試合は減ってしまった。
試合に出場すれば高い集中力をみせており、試合に出場しないことからくる試合勘のなさか、多少危ないプレーもあったが全体を通せば良いプレーだった。
この冬の市場で中国のクラブへの移籍が決定しており、ウムティティの復帰とともに正式に移籍が決定してバルセロナを離れるだろう。
マスチェラーノのバルセロナの輝かしい功績と貢献もあり、カンプノウの試合をラストマッチにして、試合後は小規模ながら退団セレモニーをしてあげてほしい。
国王杯エスパニョールとの2ndレグの試合、もしくはリーガ第21節のアラベス戦までは移籍しないでほしい。
ジョルディ・アルバ(9)
バルセロナの左サイドを支配している選手といっても過言ではない活躍をみせた。ネイマール退団によって攻撃するスペースができたことで、フリーランニングの回数が増え、それが今やバルサの大きな武器になっている。
メッシとのコンビはメディアにも取り上げられ有名なものとなり、このコンビだけで多くの得点を演出している。そしてビルドアップのパス回しでも、アルバの技術は相変わらず高い。
このシーズン前半戦はアルバの攻撃力が光っているが、守備においてはここ数年間全く問題ない守備をみせており、もはや対戦相手がアルバのサイドを嫌がって、こちらのサイドから攻めてくるチームは少ない。
圧倒的なスピードからくるカバーリングの広さ、その守備範囲の広さは尋常な広さを誇っており、時には右CBの位置のカバーリングまでしたりと、ピンチの時のアルバの存在感も光っている。
アルバのような全力のスプリント回数が多い選手は筋肉系の怪我がつきものだが、前半戦は10日ほどしか離脱しておらず、バルベルデ監督の絶大なる信頼感もあり、ほぼすべての試合に出場してバルサの勝利に貢献してくれた。
リュカ・ディニュ(7)
バルサ2年目で飛躍のシーズンにしたかったのですが、左SBではアルバの存在感がディニュの活躍にふたをしてしまった。
試合に出場すれば安定感ある守備でしっかりと守備に貢献し、攻撃面でも昨シーズンより積極的に参加して良い攻撃をみせている。
まだディニュ自身の能力がすべて発揮されているとはいえず、もっとバルサに適応してディニュ自身も成長すれば、これから大きな活躍が待っているでしょう。
ただ後半戦や、来シーズンに向けて左SBアルバの絶対的な存在感がディニュにとっては好ましくないという状況だけですかね。
ディニュはピッチ内での活躍はもちろんだが、この前半戦はピッチ外での活躍がとても素晴らしかった。
バルセロナでテロが起きた時に、怪我人の簡易的な応急処置をするために水やタオルを持ってすぐ現場に向かって対応しており、人間性の素晴らしさが光りました。
サッカーの面はもちろん重要ですが、人間性が素晴らしい人物がFCバルセロナに在籍していることは、バルサファンにとってとても誇らしいものです。
ピッチ内外で、どちらかというとおとなしいイメージがあるディニュですが、この素晴らしい人物を獲得したことだけで、バルセロナにとっは大きな価値があった証明となりました。
セルジ・ロベルト(9)
前半戦は右SBとして多くの試合に出場し、そのポジションで大きな違いをみせてくれた。中盤での起用もみたいものですが、セルジ・ロベルトが一番光るのは右SBで間違いないです。
まず攻撃面では、ビルドアップ時に困っている状況でのセルジ・ロベルトのドリブル突破は、相手チームの意表を突くもので、それによってマークのズレをおこしてメッシにパスが渡る機会が増えました。
パス回しのビルドアップも中盤の選手だけにうまくプレーしています。
左のアルバのほうが攻撃回数が多く、セルジ・ロベルトが攻撃参加する回数は多くありませんが、タイミングの良い攻撃参加という効率的なプレーで活躍しています。
守備面は、バルサのスタメンの中では守備が弱い部類に入るので対戦相手に狙われるポイントとなっていますが、大きな問題も起こさずうまく守備をしています。
サイドでの対人の守備、数的不利の守備の対応はもう慣れてきており、もともとプレッシングなどはできていたので、後はゴール前の守備だけが課題といったところです。
ゴール前での逆サイドからのクロスにおけるマークの緩さ、またとっさに起きる守備のポジショニングに体が反応していないことがありますが、こちらは経験していけば問題ないでしょう。
前半戦のバルサは左のアルバが光っており、セルジ・ロベルトの活躍がメディア的には取り上げられませんが、セルジ・ロベルトもアルバに近い活躍をしたという評価をしています。
現代サッカーは中盤の選手の重要性は相変わらずですが、SBの選手の攻撃力がチームの攻撃力のアップに大きくつながるもので、それにセルジ・ロベルトは大きな貢献をしていました。
サミュエル・ウムティティ(9)
最終ラインの中で、最も安定していて鉄壁の守備をみせたのがウムティティでした。ウムティティがいるから最終ラインは大丈夫だろうと思えるほどに。
1対1での対人の守備、カバーリング、パスカット、ゴール前でのマーク、シュートブロックなど、バルセロナの守備面で大きな貢献をしていました。
攻撃面でも安定したビルドアップに、時には持ち上がってパスをさばくなど、最終ラインでそつなくパスを回して全く問題なかったです。
もはやウムティティに言うことはないと思うほどに、後方でチームの勝利に貢献しています。
「ウムティティ出場=勝利(負けない)」という昨シーズンからの良いイメージが今シーズンもあり、その分ウムティティが12月に怪我をしたときは心配したものです。
8週間の怪我をしなければシュテーゲン同様の10の評価でもよかったのですが、試合に出場できない試合もあったので評価は9にしました。
トーマス・ベルマーレン(8)
ウムティティが怪我をするまでは全く出場機会がなく、12月に入るまではこの冬の市場の放出候補にも名前が挙がる選手でした。
ベルマーレン自身からも「バルセロナに残ったことを後悔している」という発言が出るなど、ベルマーレンのバルセロナでの選手生活は終わりに思えましたが、12月からの活躍でバルセロナ周辺の評価を見事にひっくり返しました。
元々選手の能力は高かったのですが、怪我での離脱が多くトップコンディションを維持できずに戦力として数えるのが難しく、レンタル移籍に回されていました。
しかし、ここ数週間の活躍から怪我をせずに戦える選手だったこと、試合勘さえ取り戻せばレベルの高いCBだったことが証明され、今ではバルサのCBのバックアッパーとしては十分すぎる選手のように思えます。
ここ数試合のパフォーマンスは高いものがあり、試合に出場し始めの時は不安定な面もありましたが、現在は安定感があり、ウムティティ不在の不安をかき消してくれた活躍でした。
続きのPart3の記事はコチラ(選手評価、MF・FW編)↓↓↓