17/18シーズンバルベルデバルサの前半戦総括、監督・チーム・選手評価③

今回は前回の続きで、17/18シーズン前半戦の選手評価となります。

これはPart3の記事になりますので、前回までの記事は↓↓↓

17/18シーズンバルベルデバルサの前半戦総括、監督・チーム・選手評価①

17/18シーズンバルベルデバルサの前半戦総括、監督・チーム・選手評価②

Part1では数値で見る前半戦のバルセロナ、バルベルデ監督の評価、チーム評価

Part2ではGKとDFの選手評価について書いています。

今回は選手評価でも

1、MFの選手評価

2、FWの選手評価

について書いています。

※選手の順番は背番号順です。ポジションについてはより多く起用されたポジションでその選手を評価しています。

※()の中の数字は評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。

 

1、MFの選手評価

イヴァン・ラキティッチ(9)

バルベルデ監督が強く信頼しているMFがラキティッチ。出場時間だけで休みを与えており、どんな試合でも出場させている唯一の選手となっている。

前半戦はブスケツとダブルボランチのようにプレーしており、中盤の底でバルサの快進撃を支えた。

バルセロナでは黒子的な存在になっており、おそらく他のファンがバルサの試合を見ればラキティッチの存在感に目がいくことはないが、バルサファンからは評価が高い。

MFとしてできないプレーがないと思えるほどに全体的に能力が高く、攻守において質の高いプレーをみせた。

また、ラキティッチを支えるのはテクニカル面とフィジカル面だけでなく、ブスケツのように試合を読める数少ない選手であり、状況において適切なプレーができることがラキティッチの存在を高めている。

 

セルヒオ・ブスケツ(10)

バルセロナの心臓と呼べるほど最近のバルサには欠かせない選手となっており、シャビがいなくなってからはブスケツのパフォーマンスが、バルサの出来に直結しやすくなっている。

前半戦のバルサの快進撃もブスケツの質の高く安定したプレーからくるものがあり、メッシを除けば前半戦のMVPはブスケツと思っているので、評価は10にしました。

ブスケツの状況判断は人間のレベルを超えているように思え、常に首を振って状況を理解して、適切な判断ができて、それをなすためのテクニックがあり、中盤の選手として大きな違いを作る選手となっている。

メディア受けが悪く、個人賞とは無縁のブスケツだが、中盤の選手で誰か一人獲得できるならブスケツを選ぶというバルサファンも多いと思えるほどに、バルサファンの中では絶大な信頼感を得ている。

この前半戦はブスケツのこれまでの完成系のプレーと思えるほど、良いプレーと驚きのプレーの連続であり、後半戦もこのプレーをブスケツがしているなら、バルサが今シーズン大きなものを成し遂げることになるだろう。

 

デニス・スアレス(7)

デニスは一定期間試合に出ない時があったり、連続して試合に出場したりと安定した出場時間を得たわけではないが、次も見てみたいというプレーはみせていた。

高いボールコントロールとワンタッチ目のアイデアにより狭いエリアでもプレーでき、バルサの攻撃にアクセントをつける数少ない選手なのだが、まだそのポテンシャルはすべて発揮されなかった。

試合に出場すれば良いプレーをする機会は多かったが、バルベルデ監督はツンデレのようにデニスを継続的に起用することはなかった

中盤の選手だが1.5列目の選手であり、得点やアシストといった得点面の数字を残すべき選手で、後半戦は数字に残る活躍に期待したい。

コウチーニョ獲得でデニスの出場時間は前半戦より厳しくなりそうだが、試合が立て込むこともあり出番は訪れるだろうから、そこでアピールしてバルサに長く残留して大きな戦力になる選手となってほしい。

 

アルダ・トゥラン(ー)

試合に出場しなかったことから採点不能。

バルベルデ監督はアルダを一切試合に呼ぶことはなく、完全に干されてこの冬の市場でクラブを離れることが決定

2年半という長いレンタル移籍で、アルダにとっては母国のイスタンブールBBSKというクラブに移籍が決定した。

それでもバルサに完全移籍でいつでも放出できる権利があるようで、バルサはアルダの移籍でお金を得るべく、レンタル移籍をさせながら完全移籍の獲得オファー待ちとなっている。

実力がある選手だがバルベルデ監督には信頼されず、プレシーズンで良い活躍をみせれなかったことが、前半戦の干された要因になったのかもしれない。

トルコでの活躍、そしてもしかしたらベルマーレンのように、バルサに復帰しての活躍の可能性もあるかもしれないので、バルサに所属したこともありサッカー選手としてのこれからの活躍に期待したい。

 

アンドレス・イニエスタ(8)

バルサのカピタンとして君臨し33歳という年齢になったが、もう一度華を咲かして前半戦は輝いたプレーをみせた。

ルイス・エンリケの時代はオープンな試合展開も多く、イニエスタのテクニカルなプレーが出る機会は少なかったが、コンパクトなバルベルデのチームではイニエスタの存在感は光っている

攻撃では圧倒的なキープ力で中盤でタメを作ってくれて、苦しいビルドアップやパス回しでも、イニエスタに回せば何とかなるというよりどころになっていた。

ルイス・エンリケ時代に得た守備力もこの前半戦で輝き、アルバの攻撃参加に伴いイニエスタがバランスをとって低い位置でプレーすることも多いが、しっかりと守備をしてバルサの左サイドを守っている。

ブスケツ同様、試合を読む力がある選手で、まだまだ体が動くこともあり後半戦も、イニエスタの力がバルサには大きく必要になりそうです。

しかし年齢もあって連続の出場になると筋肉系の違和感や負傷を負うこともあり、コウチーニョを獲得したことで後半戦は、リーガはコウチーニョに任せ、CLにイニエスタを重点的に起用するという選択が良いのかもしれません。

 

ラフィーニャ・アルカンタラ(ー)

ラフィーニャもアルダ同様、試合に出場しなかったことで採点不能。

負傷からやっと復帰したがバルベルデ監督は試合の出場時間を与えず、やっとついこの前の国王杯のエスパニョール戦で今シーズン初出場を果たした。

ラフィーニャ自身がブラジル代表としてW杯の出場を熱望しており、出場機会を求めてバルサからの移籍を希望しているらしいが、完全移籍で放出させるにはもったいない選手に思える。

この冬にバルサを離れる可能性は高そうだが、それでもレンタル移籍、できればバルサに残留してこれからもバルサの勝利に貢献してほしい。

実力は間違いなくあり、バルサのサッカーに入ってもスムーズにプレーできる選手なだけに、本当に惜しいと思うカンテラ選手。

 

パウリーニョ(8)

昨夏にパウリーニョの獲得が決定した時に、バルサファンは大ブーイングをした記憶をもうかき消しているかもしれないが、ピッチ上のプレーでバルサファンを完全に納得させた数少ない選手となった。

予想以上に攻撃的なプレースタイルで、中盤は中盤でもトップ下がパウリーニョにとって最も適したポジションであり、バルベルデ監督はパウリーニョを生かすために、4-3-1-2にトライするほどバルサに大きな影響を与えた。

中盤の位置からのフリーランニングという飛び出しは素晴らしく、その動き出しやゴール前に入る動きで、前半戦のバルサでは3番目のスコアラーとなる8ゴールを記録した。

パワフルなプレーで全線で競り合いボールをキープすることもでき、クラシコの試合などビルドアップに苦しんだ時に、パウリーニョにロングボールを蹴るというのはバルサの一つのプレーの選択肢となっている。

獲得した当初期待していた守備では少し戻りが甘い部分はあるが、パウリーニョを攻撃的な選手とみればある程度我慢できる範囲。

人間的にも笑顔が素晴らしくピッチ外で良い影響を及ぼしているようにみえ、今でも4000万ユーロは高いと思うがバルサで大きな活躍をしている選手となった。

 

アンドレ・ゴメス(7)

昨シーズンルイス・エンリケに信頼されて多くの試合に出場したがインパクトある活躍はできず、今シーズンを迎えたが、今年に入るまでは大きなインパクトは残せていなかった。

今年に入ると良いプレーが多くなっており、少し甘めと期待を込めて評価は7にしました。

まだ動きに滑らかさはなくバルサのプレーの中で止めてしまうこともあるが、サッカー選手として全体的に能力が高くてバルベルデ監督からも評価されている

中盤から何度も飛び出す動きをみせて攻撃ではアピールしており、パス回しも昨シーズンよりも良くなってきている。

守備ではしっかりとポジショニングに入ってハードワークしており、チームの約束事を守ってしっかりプレーしている。

あとはインパクトのあるプレーをしてバルサファンの信頼を勝ち取るだけとなっており、フィジカル的な部分を買われ起用されることもあるが、後半戦はそこで何か大きな仕事に期待したい。

 

2、FWの選手評価

ルイス・スアレス(8)

前半戦は悪い時期から始まり、最後は良い時期で終わりを迎え好印象で締めくくった。

8月にスーペル・コパの試合で右膝の負傷で4週間離脱と診断されたにもかかわらず、ウルグアイ代表のW杯出場がかかる重要な時期ということもあり、2週間で復帰してムリをして試合に出場を続けたことが、不調が長引いたように思われる。

不調のスアレスは本当に見ていられないようなイージーなミスが多く、ポストプレーの普通のパスですらズレてボールロストするなど悲惨な出来だったが、12月に入ると調子を上げて、スアレス本来の姿を取り戻した。

調子を取り戻したスアレスは不調のスアレスとは全く違っており得点もしっかりと決め、得点数も14得点とスアレスの数字に戻りつつある。

スアレスが本調子になった今、後半戦はスアレスの大爆発に期待したい。1試合1得点以上のペースは間違いなし。

 

リオネル・メッシ(10)

ネイマールが移籍してメッシにかかる負担は自動的に大きくなることが予想されたが、それを受け止めながらしっかりと活躍してチームの攻撃で違いを作り続けた。

前半戦だけで23得点と数字の面でもしっかりと結果を残し、アシストやチャンスメイクでもしっかりとメッシは存在感をはなった。

バルベルデのチームになってからスアレスとの2トップの一角に入ることが多くなり、自由を与えられているのは変わらないが、パウリーニョのランニング、アルバのランニング、スアレスとパスコースは多くあり、メッシ自身プレーしやすそうだ。

バルセロナのエースとして君臨し続けて、毎シーズン当たり前のように活躍するのは人間のレベルを超えているように思え、本当にただただ頭が下がる存在。

メッシの存在感の重要性はこの前半戦で改めて感じるものであり、ネイマールがいなくてもバルセロナにはメッシがいるから強いということが証明された

シティのペップが「シティはCLの優勝候補か?」と聞かれたときに、「メッシはどこにいる?」と逆質問をして、「バルセロナです」と記者が答えると、ペップが「ならばバルセロナだ」と答えるほど、メッシはバルセロナを強くしてくれている。

後半戦もメッシ様どうぞよろしくお願いします。普通に考えたらメッシが前半戦のMVPで間違いないですが、もはや人間のレベルを超えているので与える称号が違うようにも思います。

 

ウスマン・デンベレ(6)

ネイマール移籍後に後釜の選手として獲得されたデンベレだったが、怪我での長期離脱もあってまだポテンシャルが発揮されなかった。

長期の怪我から復帰して今年に入ってまた4週間の怪我をして、この前半戦はただただ運がなかった。

スペースがありショートカウンター気味なら光るプレーをみせており、足元のプレーでも鋭い切り替えしをみせているが、それもまだまだ伸びて良くなりそうだ。

まだ20歳と伸びそうな選手だけに、怪我には気を付けて少しずつ力をつけてバルサで違いを作れる選手に成長していってほしい。

後半戦はまず怪我からの完全復活を遂げ、与えられた出場機会でバルサに適応しながら自分の持ち味である攻撃で活躍をして、バルサのタイトル獲得にデンベレもしっかりと貢献してほしい。

 

ジェラール・デウロフェウ(6)

シーズン序盤はバルベルデ監督から期待されて右WGとして数多くの出場機会をもらい、シーズン序盤はそれなりの活躍をみせていた。

粗削りなプレーだったがチームに適応しようとエゴイストなプレーは捨ててチームプレーに徹しており、ある意味デウロフェウらしさは消えて寂しさを覚えたバルサファンもいたかもしれない。

デンベレの起用、そしてパウリーニョがバルサに適応することで徐々に出場機会を減らし、12月あたりからは完全に出場機会をなくしていった。

今ではこの冬の放出候補の選手となり、イタリアのクラブへの買取オプション付きか義務付きのレンタル移籍が濃厚となっている。

デウロフェウの活躍を期待するには時間がかかりそうで、1年目で結果を残したいバルベルデ監督には我慢することができなかったのかもしれない。

 

パコ・アルカセル(7)

シーズン序盤は全く出場機会を与えられず、国王杯の下のカテゴリーの相手チームとの対戦までほぼ出場機会はなかった。そこでゴールを決めてアピールした。

そして11月に入り突如だったが、カンプノウのセビージャ戦でスタメンに大抜擢されて、そこでチームの全得点となる2ゴールを決めてヒーローとなり、そこからパコの出場機会は増えていった

試合に出場すれば高確率でゴールを奪い、守備面でのハードワークもありバルベルデ監督の信頼を勝ち取った。

12月中旬で怪我をしてしまい試合に起用できなくなったのは残念だったが、後半戦もパコは起用されて結果を残していってほしい。

 

アレイクス・ビダル(6)

バルベルデ監督には右WGという右サイドの高い位置で起用されることが多く、裏への飛び出しだったり右サイドでの連携した攻撃の崩しを期待されている。

アグレッシブな動きで運動量多く動き回っており、出場機会は多くないがそれなりの存在感をはなっている

中盤に下がったり中央に入った時に効果的なプレーはできないが、右サイドでのプレーは良いものがあり、ビダルの右サイドで幅を使うことに関しては貴重な戦力となっている。

ビダル周辺にも移籍の噂が流れておりどうなるかはわからないが、明るい性格でピッチ外ではムードメーカー的な役割もあり、無理にでも放出する選手ではないように思える。そして移籍金1000万ユーロはやっぱり安すぎる。

バルサに残留すると後半戦で出場機会は限られるだろうが、数少ない出場機会でビダルのラッキーボーイ的な活躍に期待したい。

 

これで前半戦総括の話は終わりで、これまで

・前半戦のチームを数字から総括

・監督評価

・チーム評価

・選手評価

としてきました。

改めて選手評価の採点は自分で甘めだなと感じます^^

前半戦はチームの好調もあって、後半戦も期待できるバルベルデバルサとなっており、ここからが重要な時期になっていくので一緒に応援していきましょう。

 
 

1 Responses to “17/18シーズンバルベルデバルサの前半戦総括、監督・チーム・選手評価③”

  1. レト より:

    デニスは積極性の無さが大きな問題だと思います。
    たまに光るプレーは見せるものの、それ以外では自分から仕掛けようともせず消えることが多い。これではバルベルデ監督が扱いに困っても仕方ないでしょう。
    バルベルデ監督がデニスにプレーの指示を出していないとも思えないのでやはりリスクを恐れすぎて無難な選手に留まっているのだと思います。
    そういった意味ではバルサのプレッシャーに負けているのではないかと。

    残留の意思を示したからには単に控えで満足するのではなく、しっかりとプレッシャーに打ち勝ってほしいと思います。そうでなければ今季は良くても来季のポジション争いには勝てません。

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