バルセロナの異常な勝利の義務化
最近では、元リーガ所属であり現プレミアリーグの選手や監督が、「リーガでは手抜きをしても勝てる試合があった」というニュアンスのコメントがたびたび見られる。
ヨーロッパでも好成績を収めるリーガのチームが特別弱いわけではないが、確かにこの傾向はここ数年続いている。
今回は「最近の勝利の義務化は異常である」というテーマです。これは明日の記事に内容が続きます。
■ 目次
勝利が義務化しすぎているバルセロナ
今のバルセロナは対戦相手がどこでも勝利が義務付けられている。それは強くなりだしたころからそうであり、毎年チャンピオン争いするバルセロナでは、毎試合勝利を目指すのは普通のことである。
しかし、最近のそれは異常なほどに基準が高い。リーガではライバルチームのレアルとの首位争いもあるが、1つの引き分けや負けが大きく取り上げられすぎる。これは本当に異常なことである。
勝ち点が90を超える優勝争いが数年続いており、昨シーズンこそアトレティコがリーガを制覇したが、それまではバルサとレアルの2大クラブの優勝が長く続いている。ライカールトバルサの時代は勝ち点80ぐらいが優勝するボーダーラインだったが、今では100に近い数字が必要である。
2大クラブはヨーロッパの中でも実力が頭一つ抜きに出ているほど強いのは確かだが、年間を通すリーガでの大きな差が、どんどん悪い方向に進んでいくことになるだろう。
リーガの雰囲気が改善されない限り・・・
金銭面からくる選手の質、選手層、人材、施設の設備など原因は色々あるだろうが、もはやそれだけではない領域を超えだしてきている。
長年続く2大クラブの優勝によって他クラブのリーガの選手が、リーグ戦を優勝する為には2大クラブに移籍するか、他国のリーグに移籍しないと優勝の味を味わえないと感じ始めてきているのが問題である。
試合になると勝利を諦めているわけではないが、消極的な戦いや負けない戦いを実践するクラブが増えてきている。そして、負けても問題ないように捉えられていることが最大の問題である。
言い方は悪いが、2大クラブには負けてもしょうがないという雰囲気がリーガの戦いでは充満している。2大クラブの圧倒的な実力が長年続いたので仕方ない部分はあるが、その少しの後ろ向きな気持ちがすぐ改善されることはないだろう。
リーガの放映権問題を統一して総収入が上がり、放映権の収入が今まで以上に増えるクラブは多くなるだろうが、この2大クラブとの差が一気に縮まることはないだろう。
この2大クラブに勝てないというイメージがなくならない限り、リーガの覇権はこれからも2大クラブが支配することが続くだろう。