トップチームでの活躍が後一歩だったカンテラ選手達②
今回も前回に引き続き、バルセロナのトップチームで活躍できなかったカンテラ選手達に焦点を当てます。
■ 目次
マルク・ムニエサ(SB)
17歳でトップチームデビューを果たし、その試合で退場するという珍事で一気に注目を浴びた。
左利きで敏捷性に優れており、読みも鋭くパスも出せるサイドバックの選手である。センターバックもこなせる。
注目を浴びたが、その後はトップチームの試合に出場することはほとんどなかった。また、膝の怪我により長期離脱したことも、この選手がバルセロナで活躍するのには不運だった。
現在は、昨シーズンに移籍したストーク・シティに所属している。試合にも出さしてもらい活躍している。
マルク・クロサス(MF)
その風貌、プレースタイルからペップ2世と呼ばれた選手である。ペップ2世と呼ばれるだけあってポジションはもちろんボランチである。
視野が広く、パスを縦やサイドに散らすその姿はペップに本当にそっくりである。パスを散らすことが本当に上手い選手である。
バルセロナのトップチームではほとんど出場はなかったが、そのスタイルはバルセロナの教えを体現している4番の選手であった。
現在は、メキシコリーグのサントス・ラグナでプレーしている。
ビクトル・バスケス(MF)
バルセロナカンテラ史上最強と言われる87年世代のスターの一人である。当時は、ピケ、セスク、メッシ等と4人で組む中盤で相手を圧倒した。
そのポテンシャルは当時、ピケ、セスクよりも圧倒的に高かった。この世代と言えば、メッシ、バスケスと言われるほどに。
トップチームでの出場はほとんどなかったが、そのポテンシャルからバルセロナB所属期間が長くなった。活躍が期待されている選手の中では、24歳という年齢までバルサBでプレーした。
攻撃的な役割とポジションならほとんど出来、全ての能力が万能的に高い選手である。左足もそこまで苦ではなく何でもできる選手が故に、逆に大きく光る部分が発見しづらかったのかもしれない。
現在はベルギーのクラブ・ブルッヘでプレーしている。
チアゴ・アルカンタラ(MF)
現在トップチームで活躍しているラフィーニャの兄であり、アルカンタラ兄弟の兄である。スペインの各年代の代表に選出され、若い頃からシャビの後継者として期待された。
何よりもテクニックがあり、右足のアウトサイドで右に行くドリブルは超一流で、相手ディフェンダーが読んでもボールを取るのは困難である。
得点も取れ、試合もコントロールできるレベルの高い選手であり、チアゴ年代では最も活躍が期待されるMFの一人である。
トップチームに昇格するまではそれぞれのチームで大活躍してきたが、そこから苦しい時期を迎える。シャビとイニエスタの前で試合の出場が少なくなってしまう。
それでもバルセロナでの活躍を夢見るチアゴはペップのもとでバルセロナに残ったが、ビラノバ監督就任後の話し合いで出場時間を求めて移籍を決断する。契約条項でこのマーケットで2500万ユーロで移籍できたのも、移籍を助長する形となった。
ペップが就任したバイエルンに一緒に行く形となり、現在もバイエルンで活躍している。
ボージャン・クルキッチ(FW)
カンテラの各カテゴリーの得点記録を軒並み塗り替え、バルセロナの将来の9番として大きく期待された選手である。
クラブ最年少得点記録を塗り替えるなど、17歳という若さでバルサのトップチームに定着していった。
若さゆえにフィジカルはなかったが、飛び出しやゴールへの嗅覚は素晴らしいものがあった。また、右足のインフロントキックがとても上手い選手でもある。
しかし、他の選手によって出場時間は決して多くはなかった。出場時間を求める形で他クラブへの移籍を決断するのであった。
現在はマルク・ムニエサと共に、ストーク・シティで活躍している。