メッシー プレースタイルの変更
今シーズンのメッシーのプレースタイルは、昨シーズンまでのプレースタイルとは明らかに違う。
■ 目次
スコアラースタイルを捨てる
昨シーズンまではセンターの位置でポジションを取り、ゴール前にボールが来るまではほとんど動かず、チャンスに動き出し点を取るプレースタイルであった。
このプレースタイルの良い点は、メッシーが毎試合のように点を取ってくれる事であった。怪我などの影響もありコンディションが良くない試合も多かったが、昨シーズンはバルサで47試合で41点を決めた。
悪い点は、あまりにもメッシーに依存してしまう事である。ゴールだけではなくチャンスも演出するメッシーの出来によって、試合の行方が決まると言っても過言ではなかった。あまり動かない分ボールを触る機会が減り、それに伴いバルサのチャンスも減り、相手を攻めきれない分守備にも悪影響が出てしまっていた。
パサースタイルに目覚めるメッシー
しかし、今シーズンはゴールへの意欲は持ちつつも、そこまでは何が何でも自分がゴールを決めるというプレースタイルではなくなっている。
ゴール前で自分より体勢が良い選手がいる場合、シンプルにパスを回すようになった。ここ数年のメッシーはパスを出す相手によって、パスか自分で行くかを判断していることが多かったが、そんな事は全くなくなった。バルサBのムニルやサンドロにもチャンスでパスを回し、周りを活かすことにはまっているように見える。
年齢が27歳となり、昔ほどのスピードがなくなり、テクニックやタイミングで相手をかわすことが増えたメッシーが、自分なりに考えたプレースタイルなのかもしれない。アルゼンチン代表ではイグアインやアグエロを活かす為に、トップ下でプレーする機会が増えた事によって得たプレースタイルでもある。
トップ下としてプレーしていく中で、アシストという部分で大きな役割を担おとしているのが、最近のバルサでのメッシーである。
ルイス・エンリケの3トップは左右の二人がサイドに張らずに、2トップの下にメッシーがいる布陣である。中盤の3選手の位置取りが低い事もあり、メッシーが下がってプレーする機会も増えてきた。2トップ気味の2人を活かす為に、メッシーがパサーに徹していることが多く見られる。
その恩恵を受けているのは間違いなくネイマールである。今シーズンのネイマールは、これまで多くの点(6得点)を取りチームを救ってくれているが、その多くのゴールはメッシーのアシストが占めている。メッシーはこれまでのリーグ戦だけで7アシスト(5ゴール)であり、1試合1アシストペースできている。
周りを活かすパサーのスタイルになった事により、メッシーの活躍も際立ってきた。このスタイルチェンジによって、ネイマールやスアレスが点を取りまくり、バルサがタイトルを総なめにするというのも現実的に十分考えられる。チームの為にプレーするメッシーが、さらに一回り大きく見えてくる近頃だ。