ネイマールはプレースタイルを変更しないで良い!
バルセロナはビルバオとの国王杯の決勝を勝ち切って、今シーズンの2冠目を獲得。3冠獲得に向けて、残りはチャンピオンズの決勝の1試合となった。
ビルバオとの試合で85分に、ネイマールのヒールリフトのような両足で挟んで頭上を越すプレーが少し物議を呼んだ。
今回は「ネイマールのプレー(ヒールリフト)が侮辱行為なのか」というテーマです。
■ 目次
サッカー選手をイラつかせるプレーではある
サッカーをやっている者ならわかると思うが、ヒールリフトだけでなく股抜きや頭上を越すプレーは、一瞬イラッとくることが多い。これがプレー中に不要素で、意図的にやっている選手自身を満足させるだけなら尚更だ。
逆の意味で対象的な選手はメッシである。股抜きはドリブルの突破の一つの手段でしかなく、頭上を越すプレーもその状況でのボールを取られない選択肢の1つの要素でしかない。対戦相手を侮辱するようなプレーではなく、自然に出てくる1つのプレーである。
今回のネイマールのヒールリフトはプレー中では全く不要素であり、ビルバオの選手やファンを侮辱したというより、バルサファンを楽しませる1つのプレーという選択に近かったように思える。ブラジル時代からネイマールはこういうプレーを好み、たびたび見られることがある。
しかし勝っている状況と時間帯を考えれば、余裕があることから試合中に全く関係ないプレーだったことは、誰が見ても明らかであった。ビルバオは負けているイライラもあって、何人かの選手が怒ったのは納得がいく。
サッカー選手の視点から言えば、あの状況でのヒールリフトは全くいらないプレーだった。後々、ネイマール自身の首を絞めることになるかもしれない。
スペインでは嫌われ者になるのは間違いない
ブラジル人らしいと言ってよいかは分からないが、ブラジルのサポーターはこういうプレーを好む傾向がある。魅せるプレーを好み、選手の足技のテクニックを見るのは1つの楽しみである。もちろん対戦相手のサポーターは怒るが、それもサッカー文化の1つに馴染んでいるのだろう。
スペインのサッカー文化では別である。日本でもそれは変わらない。恐らく画面を通し見ていたバルサファンの中でも、不快に思ったファンはいただろう。逆に、1つの娯楽のプレーとして楽しめた人もいるかもしれない。
スペインでは前者の不快に思う人が多いだろう。他のクラブのサポーターからは、特に敵対視されてみられる傾向がこれからも強まっていくだろう。アウェイ時のブーイングの大きさは、年々少しづつ大きくなるかもしれない。ネイマール自身は気にしないだろうが。
プレースタイルの変更はいらないが、その後のファールはいらない
試合後のネイマールのコメント「誰かが怒るかもしれない。しかし、これが自分のスタイルで何年も好んで続けてきた。誰かが怒ったとしても僕は自分のスタイルを変えるつもりはない」とあるように、ネイマールはスタイルの変更はしないだろう。
こういう場合、日本では指導者がプレーの改善やスタイルの変更を求めるだろうが、ルイス・エンリケ自身も注意にとどめるだけだろう。恐らくそれがベストな選択になる。
変にプレースタイルの変更を強制すれば、ネイマールの良さがなくなる可能性もある。選手自身に伸び伸びプレーさせるのが、選手のポテンシャルが一番発揮されるのは間違いない。
これからもネイマールはプレー中に少し不必要だと思わせるプレーをするだろうが、不快に思うバルサファンは大目に見守ってほしい。ネイマールが成長する為にもそれが必要である。
それよりもその後のいらないファールが問題である。明らかにボールにいっていないタックルは、イエロー提示に何も文句を言えない。少しイラっとした不必要なタックルは改善しなければいけない。
対戦相手の選手の怪我にもなる可能性もあり、それはサッカーではなくただの暴力行為と考えて良い。報復行為に近く、サッカーというスポーツで一番不必要なプレーである。
今シーズンもたびたび見られるが、昨シーズンよりこういうプレーが減ってきているので、来シーズンはもっと減らしてほしい。こっちのプレーの方が大きな問題である。