14/15シーズン評価⑭ テア・シュテーゲン
今回は「14/15シーズンの選手評価、シュテーゲン編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。
■ 目次
正GKとして、バルサのゴールを長く守るであろう1年目
シュテーゲンは昨夏に獲得した選手であるが、数年前からバルサが獲得をしようとしていたことは公の事実であり、やっと加入したというイメージであった。バルデスの抜けた穴をそのまま埋める為の獲得であった。
もちろん正GKとしての活躍が望まれており、年齢的には若いが経験はバルサで積んでいけば良いという段階であった。能力的には高いものがあり、セービングだけでなく足元の技術を買われての獲得でもあった。
もしもの時には経験豊富でリーガでも実績があるブラボが後ろにいる為、バルサファンとしてもシュテーゲンがもし使えなくても悲観的になるポジション(GK)ではなかった。これから10年近く守るであろうバルサのゴールマウスの1年目という感じで、シュテーゲンには多くの試合での出場が期待された。
カップ戦だけの出場だが、ビッグセーブも見せながら2冠獲得に貢献、8点
シーズンが開幕する約2週間前にシュテーゲンは腰に怪我をしてしまった。全治2、3週間であり、これで開幕のリーガのGKのスタメンはブラボで決まってしまった。怪我をしなくてもルイス・エンリケはこの起用だったかもしれないが、怪我が理由であると勝手に解釈( ̄▽ ̄)
シュテーゲンに出場許可が出た時にはブラボの快進撃が始まっていた。無失点を2試合連続でしており、わざわざ変更するのはブラボに対しても敬意を欠く行為にも思えた。ブラボの無失点は結果的に8試合連続まで伸び、この時点ではGKの起用方法に不満を言えるものはもうほとんどいなかった。
シュテーゲンはCLのグループステージでバルサの初公式戦デビューを飾った。無事に無失点で終えたが、バルサでの2試合目にして少し不安定さを露呈した。試合勘が足りていないせいか、コーナーキックの目測を誤り正しいポジショニングが取れなかった。ブラボのノーミスがあったせいもあって、GKのミスは大きく目立つ結果になった。
しかしその後はほとんどノーミスのセービングが続いた。CLのグループステージが終わるころには、やはりシュテーゲンは良いGKだなと実感させられる活躍を見せた。国王杯では失点はするものの、ほとんどがどうしようもない失点ばかりであった。
CLの決勝トーナメントに入っても、シュテーゲンのセービングとパス回しはバルサの大きな武器になっていた。ブラボと比較しても遜色ないセーブで何度も失点しそうなシュートを止めた。パス回しでは足元の技術におぼれて数回危ないシーンはあったが、常にバックラインからのパスコースを確保するポジションを取っており、90分間集中力を切らすようなことはなかった。
シュテーゲンがゴールを守ったCLと国王杯で、見事バルセロナは2冠を獲得した。安定したセービングと反射神経が速いビッグセーブが何度もあり、バルセロナは将来のGK問題に苦労することはなさそうだ。
ミスのほとんどない安心感を経験とブラボから学べ
バルセロナは昨夏にブラボとシュテーゲンという優秀なGKの獲得に成功した。2人の能力に部分的に少しの良し悪しはあれど、総合的にはほとんど変わらないように感じた。
しかし、ブラボの方が安心して見れる感があるのは自分だけなのだろうか。ブラボは経験からくる自分の出来ることを理解しており、つなげない時は無理もせずクリアしたり外に蹴りだすこともある。シュテーゲンは自分の足元に自信があるため、少し強引にでもつなぎに行こうとしてしまう。
やろうとしていることは問題ないのだが、結果的にはボールの変なロストや危なくなりそうなシーンが何度かあった。ブラボはリーグ戦の出場した37試合で、片手の指で数えても足りるぐらいのミスしかなかったような気がする。
ミスになりそうなプレーがシュテーゲンとブラボの差になっている。紙一重のプレーなのだが、それはチームだけでなくファンへの安心感も与える。来季は見ていてより安心感を与えるGKに成長してほしい。能力面で疑いの余地はなく、これから長くバルサで多くのタイトル獲得に貢献してほしい。