14/15シーズン評価⑧ ペドロ・ロドリゲス
今回は「14/15シーズンの選手評価、ペドロ編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。
■ 目次
スアレス加入までのスタメン、そして利便性の良い選手に
今シーズンのペドロも例年通りにポジション争いが繰り返されることが予想された。これまではアンリやサンチェスなどの同じサイドの攻撃的な選手だった。しかし、今回の相手はスアレスというタイプやポジションも違う選手であり、選手の格としてもスアレスに勝つことは難しいと考えられていた。
スアレスがブラジルW杯で初めの数か月離脱することは決定しており、それまでにペドロにはルイス・エンリケの信頼を勝ち取る必要があった。前線の中でメッシ、ネイマール、スアレスの次の4番手の選手になり、途中出場やローテーションでペドロの出番は結構訪れることも予想された。
怪我人が出た場合はペドロが埋めることになり、大幅な戦力ダウンにならないためにも常に良いコンディションを保つ必要性が求められた。もしそうでなければ、ペドロは出場時間を減らすことになる可能性があった。
ゴールだけがないハイプレーを見せ続けたが、MSNの壁は高かった、7点
シーズン序盤はペドロは多くの試合に出場した。ネイマールがブラジルW杯で調整が出遅れたせいもあって、バルサの前線にはバルサBから招集したムニルやサンドロがスタメンで出場することもあった。その中でペドロの存在は必要不可欠であった。
スアレスの出場停止が明けるまではメッシとネイマールと3トップを組むことが多く、ゴールこそ少ないが決して悪いプレーではなかった。しかし、スアレス復帰後はペドロの置かれる立場は一変する。
南米トリデンテのMSNを中心に攻撃をするルイス・エンリケ監督の判断もあり、ペドロは途中出場での試合数が多くなった。また、この南米トリデンテをベンチに置けばその選手から不満が上がることも、この3人のスタメンを変更することが出来なかった要因になった。
途中出場や重要性が低いカップ戦でのスタメン以外は、今年に入ってからは出場が許されなかった。バルサ自身の調子も今年に入ってどんどん上昇気流に乗り、右肩上がりでチーム状態は良くなった。
出場が限られているペドロだったが、腐ることなく良いプレーを見せ続けた。むしろ、今年に入ってからの途中出場のペドロの方が、去年よりも内容だけでは良いプレーをしているようにも感じた。
しかし、ゴールという結果だけはペドロに味方しなかった。毎試合1つぐらい決定機が続いた試合もあったが、なぜかペドロのシュートはゴールに入らなかった。ゴール前でアシストする場面もあり、得点という面ではリーグで6得点、全大会で11得点にしか届かなかった。
リーガ第36節のソシエダ戦での豪快で華麗なオーバーヘッドのゴールは、少しだけペドロとバルサファンをすっきりさせるものになった。
途中出場で多くの試合には出場したが、前線の優先順位で完璧な順位が付けられ4番手になった。ペドロ自身は満足いくシーズンにはならなかっただろうが、ファンとしては4番手にペドロというハイレベルの選手がいることは保険になっていた。
苦しい状況は続くだろうが、忍耐力とチャンスを掴め
移籍で騒がれていたが、契約を延長して来季の残留は確定した。しかし、来季も今シーズンと立場は大きく変わらないだろう。南米トリデンテに割って入ることは考えられず、4番手での出場は続くだろう。しかし、今シーズンは訪れなかった怪我人が出ることも起きるかもしれない。
今夏の補強禁止処分もあり、ペドロは来季も重要な役割を担うのは間違いない。ローテーションでも起用はある程度限られるだろうが、忍耐力をもってシーズンを過ごすことが求められる。
そして、出場のチャンスを掴んだら今シーズンのようにハイレベルのプレーを続けてほしい。ゴールももちろん期待したい。来季も恐らくバルサは南米トリデンテが看板となり、ペドロは厳しい立場になるだろうが、バルサが多くのタイトルを獲得する場合はペドロの活躍は絶対に必要になるだろう。
MSNの結成が直接の原因のような印象を受けますが、ペドロの受難は3年前から既に始まっていたと思います。
ペドロの弱点は突破力がないことなので、中央封鎖によるバルサ対策が進むにつれて活躍の場が制限されていったのではないかと(チェルシー戦でもベンチでしたし)。