《質問》昨季のカンプノウ・クラシコで左サイドから攻めたのはモドリッチを消耗させる為?

質問があったので回答したいと思います。

「レト」さんより

「昨シーズンのカンプノウ・クラシコで左サイドから攻めたのは負傷明けのモドリッチの消耗狙いもあったのでは」

「レト」さんいつも質問ありがとうございます。今季のクラシコがついに次戦と迫ってきて、前回のクラシコを見て気付いた感じですかね。

見解・回答

今回の質問があったので、カンプノウクラシコの試合を見返しました。当時に自分で書いた記事内容も見返しましたが、そこまでバルサは劣勢ではない印象でしたね。恐らくチームの調子がそれまでとても良く、苦境に立ったチームを久しぶりに見ていつも以上に悪い印象を受けたのかなと思いました。

・モドリッチ対策は十分考えられる

ここからが本題に入って、バルセロナの攻撃が左サイド寄りの話でしたが確かにそうですね。右SBのアウベスの攻撃参加はとても少なく、相手の深いエリアまで攻め込むシーンは全くなかったですね。

「レト」さんが指摘した負傷明けのモドリッチの消耗狙いですが、それはあったと思います。また、バルサが左から攻めて守備させることで、モドリッチを高い位置でプレーさせないことも狙いだったのかもしれません。モドリッチはポジション的にイニエスタと対峙することが多かったですが、イニエスタの方が高い位置でプレーする機会が多かったですね。

あの時のレアルの中盤で怖い存在はモドリッチとイスコでしたが、試合を作ったりリズムを作る意味ではモドリッチにボールが集まるのがバルサ的には嫌なので、モドリッチを低い位置でプレーさせることが主なモドリッチ対策だったように感じます。

モドリッチは負傷明けということで運動量などの走力にも不安があり、コンディション的に後方からの長い距離の上がりや守備で走らせれば、後半途中で使い物にならないというのはコーチ陣の頭にあったかもしれません。

・左からの攻撃が多いのは基本的にはレアルのカウンター対策

このクラシコではバルサの攻撃はほとんど左に偏っていましたね。右のメッシから攻めうようとせずに、左のアルバ、イニエスタ、ネイマールを中心に攻撃したのにはレアルのカウンター対策が大きかったと思います。

あの時のレアルは4-3-3というシステムでしたが、右のベイルはチームの決まり事として中盤まで下がって守備が求められていました。ある意味4-4-2の形で守備をするのが基本の守備陣形です。

それをバルサは逆手に取り、アルバが高い位置でプレーすることでレアルのカウンター時にベイルの絡む回数を少なくする狙いだったのでしょう。ベイルを守備にまわすことでレアル全体が高い位置で攻撃するまでの時間に、バルサの守備陣形をある程度整える時間を作りたいというのも狙いでしょう。

ベイルを守備で低い位置に下げさせることで、バルサの最終ラインはアウベス、ピケ、マテューの常時3枚で守る形が基本でした。対するレアルは中央のベンゼマ、左のロナウドの2枚でしたから、ポジションや数的有利的なので対処するのはそこまで難しくなかったはずです。

もしバルサがいつも通り右から攻撃すればアウベスが高い位置に出ることで、レアルの左のロナウドのマークが空きやすくなります。そこがレアルの攻撃の起点にもなるし、バルサがマークをスライドすることでベンゼマもよりスペースに飛び出しやすかったでしょう。

レアルの攻撃は基本的にカウンターが一番怖い攻撃パターンであり、それを封じれば守備の負担が大幅に減ると考えられます。バルサは左から攻撃することで、意図的にレアルの速攻を出させないようにしていたと考えられます。

・レアルはマルセロが攻撃参加することで左サイドで数的有利に

今回のテーマとは少し違いますが、SBの攻撃参加で数的有利を作るのはレアルはとても上手いです。特にバルサの右サイドに狙いをつけて、レアルの左SBであるマルセロが積極的に攻撃参加してきます。

バルサは右のメッシがあまり守備をしないことで、右は大雑把に言うとラキティッチとアウベスの2人で守る機会が多いです。レアルは前線のロナウド、中盤のイスコ、そこにSBのマルセロで攻めることでレアル側から見て3対2の状況を意図的に作ろうとしています。

バルサもこれにブスケツがスライドしてフォローしたり、前線のスアレスやメッシが下がって対応していました。時より対応が遅くなり、危ないシーンはこれまで何度も作られていました。

特にレアルが右から左に素早くサイドチェンジした時はバルサの1番の恐怖で、後方からダッシュで上がってきたマルセロががら空きのシーンを作られるのがとても怖いです。

バルサのシステムや戦い方から、マルセロの攻撃参加はレアルの左の攻撃に数的有利を生み出すことが高いです。しかし、これはレアルもなかなか勇気がある攻撃の形です。

バルサの右のメッシを普通は空ける形になり、そこをボランチやCBの選手がカバーすることで成り立っている攻撃の形になります。日本では「サイドの駆け引き」とも言われますが、そういう部分でもクラシコは見ごたえがあるでしょう。

なぜこの話を持ち出したかというと、レアルの攻撃はカウンターの次にこの攻撃パターンが恐いものであり、今回のクラシコでもここは絶対に抑えたいポイントです。

今回のクラシコではメッシが欠場予定なので、セルジ・ロベルトが右ウイングで起用されたら守備はしっかり対応してくれるでしょう。マルセロが出場出来るかは知りませんが。

レアルがバルサのカウンター対策で、この記事の内容であることを真逆でやって来ることも考えられます。レアルから見てダニーロ、ヴァラン、セルヒオ・ラモスの3枚で後方を守り、バルサが左のネイマールと中央のスアレスという、レアル側から見て3対2の状況です。

今のバルサが打ち破る方法は個での力だったり、ネイマールのポジショニングで対応することは可能だと思います。その内容はまた試合前の記事か、来週のクラシコの週で書きたいと思います。

 
 

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