バルサの守備は鉄壁に見えるが、弱点は色々ある!
レアルがバレンシアに足踏みしたことによって、残り2試合で勝ち点差が4になり、実質的に14/15シーズンのリーガの優勝はバルセロナでほぼ確定した。
今年初めのソシエダに敗戦後からチーム状況が急上昇し、この最後の1歩の所まで好調を維持し続けてきた。その要因は前線の南米トリデンテもあるが、失点の少なさも大きく挙げられる。
今回は「安定している守備だが、まだまだ改善の余地はある」というテーマです。調子の良いチーム状況だが、油断はできないという所でこのテーマにしました。
■ 目次
バルサらしくない鉄壁の守備意識
今シーズンのバルサは攻撃面より、守備面の改善の方が大きい。最大の弱点と言われ続けたセットプレーだけでなく、カウンター対策でも上手く守れている。
リーガでは36試合で19失点と、堅守で知られるセリエAのユベントス(35試合で20失点)よりも失点数は少ない。バイエルンは32試合で16失点という異常的な記録だが。
昔のバルサなら「攻撃は最大の防御」と言わんばかりに、ボールの支配率とハイプレスで失点のリスクを少なくしていた。それ故に、押し込まれた時の守備にはもろさが目立った。
しかし、ルイス・エンリケはそんなバルサの守備意識を改善させた。中盤のセンターハーフの2人もしっかり守備をすることで、自陣のゴール前でもブロックを作ることに成功した。
最近では前線のネイマールが下がってくることが多くなり、ディフェンスラインの4枚と中盤を4枚にして、8人でブロックを作ることにより、さらに守備が安定してきている。
密かに7試合連続無失点での勝利を収めているバルセロナだが、弱点は結構目に見てある。
中盤のギャップを取られる
中盤の守備人数は基本的に3人(上記に書いたネイマールが下がり、4人で守ることにより対処はしているが)であり、その分普通のチームよりサイドに広がったポジショニングを取って3人が守備をしている。
1人が前に出て守備をしたら、中盤に簡単にスペースは生まれてしまう。特にブスケッツが前に出た時に、その横を通されるシーンは目立つ。
ある程度守れているとはいえ、まだまだ中盤の守備では、スペースのカバーリングのポジショニングという所で問題がある。バイエルン戦でも何回も中盤が破られているシーンがあったのを思い出してほしい。
サイド攻撃にめっぽう弱い
基本7人で守備をしていることもあり、中央の危険なとこは簡単にやられない守備をしているバルセロナだが、サイド攻撃にはめっぽう弱い。
特に相手のサイドハーフの選手にボールが渡り、サイドバックの選手や中盤の選手が大外で走り込んできた場合、簡単に2対1の状況を作られてしまう。
バルサもセンターハーフの選手がダッシュで下がって対処しているが、レアルのような同サイドを崩す動きが得意なチームにとっては、数的有利な状況を作られやすい。
また、中央からサイドバックの裏のスペースに流れてくる選手の対応にも、少し不安が残る。特にピケになるのだが、1対1の状況を作られたら、スピードと対応では危ないシーンが目立つ。
速いリスタートとショートコーナーにマークが追い付かない
今シーズンのエンリケバルサのセットプレーの守備は特徴的であり、約束事がはっきり決まっている。
コーナーでは大きい選手のピケが中央でマークに付かずフリーマンとなり、ニアサイドにはスアレス、その他の選手が高さ順に相手の選手をマンマークしている。
フリーキックではラインのゾーンの守備で守り、初めからマークする選手を決め、ラインを崩さずにマークする。確かこの時もピケがフリーマンに近い状態で、危険なゾーンを幅広くカバーしているはず。
そんな基本的にマンマークシステムをしているバルサだからこそなのか、速いリスタートやショートコーナーをされた場合、2人目のカバーに入る選手の対応が遅れてしまう。
マークの確認や中の状況を整理することを優先してしまうせいか、細かくつながれたら最後は中で対応するしか対処方法はない。
失点こそしていない状況だが、対戦相手の多くがこの戦法を取り入れている。しかも相当露骨にしてきているので、対戦相手も弱点の一つとして考えているに違いない。