中盤の守備組織の3枚では突破されるのでは!?
最近のバルサの調子があまり良くないこともあって、レアル・マドリードとのクラシコから守備に少しずつ不安な所が表面化してきた。
良い意味で課題としてとらえて、代表ウイークで何か修正してくるかなとルイス・エンリケの采配に期待していたが、特に変化はない。ここからビッククラブとの連戦が続くバルセロナだが、守備での不安点が何個か残っている。
今回は中盤の守備にスポットを当てて、このまま中盤の守備を3枚でビッククラブとの試合で勝てるのかというテーマです。
■ 目次
3枚ではサイド(横幅)がカバーできない
前線の南米トリデンテが積極的に中盤の守備に参加しないバルセロナは、どうしても中盤の守備が3枚になってしまう。最終ラインも含めて7人である程度守るのがバルセロナの守備の形になる。
直近のアルメリア戦では表面化しなかったが、レアルとセルタ戦では問題がとても表面化した試合になった。両ウイングのFWがサイドに広く開いた形の攻撃を、対戦相手の思うつぼのようにライン間でスライドが遅れてしまい、サイドでの1対1を何度も作られることが多い。
また、スライドした後のスペースのカバーリングが遅れ、対戦相手の選手に使われることも多く見られた。そもそも7枚の守備ブロックでは、サイドまでカバーするのは不可能に近い。
特にサイドチェンジされた場合はそれが顕著に表れる。逆サイドに大きなスペースがあり、プレスが効かずサイドチェンジされれば、選手達は結構長い距離を移動しなければカバーリングが出来ない。
解決策としては大きく2つある。1つ目は、簡単で人数をかけることである。中盤の守備人数を増やすために前線の選手に守備を要求することである。しかし、ルイス・エンリケのこれまでの戦いからそこまで積極的に導入される要素はないように感じるが。
2つ目は、サイドをある程度捨てて中央への侵入を防ぐ。今のバルサの守備組織はこれであるが、相手のサイドバックの上がりや動き出しに安定して対応できてるわけではない。中央への危険な場所へのパスを防ぐことに専念し、ある程度のボールを回されることを覚悟するしかない。ビッククラブとの対戦でどうしても1対1の守備の対応になると不安になるので、そこでもシュートや危険なエリアへのパスだけを警戒するしか対策はない。
ブスケッツが中央から除外される!?
これは特にセルタ戦で問題が起こったことだが、大きくサイドに開いた3トップ。そしてトップ下の1人になると、ブスケッツがそのトップ下の選手にマークを付くケースが多い。
ここまでは何も問題ないのだが、セルタは意図的にそのトップ下の選手が最前線の中央の選手と同サイド(近い位置)にポジションを取ることにより、センターバックの二人ではマークが付けれないのでブスケッツがそのままマークについていた。
そうなれば中盤の中央にぽっかりと大きなスペースが空いていた。セルタもそこに走り込んで何度もそこでスピードに乗られる攻撃を仕掛けていた。
ここで問題になるのは相手のトップ下の選手のマークを誰が付くのかということである。そして、それによってバルサの中盤の守備も臨機応変に対応する必要がある。大きく解決策は3つある。
1、ブスケッツがマークをし、そのスペースを他の二人と周りの選手が埋める。前線の選手とサイドバックも含めサイドをカバーし、中央は中盤の残りの2枚でしっかり締める。
2、サイドバックが中に絞ってマークをし、サイドの選手はほとんど目視でマークする。相手のウイングの選手は1人フリーになるが、裏への飛び出しや危険な所ではボールに触れさせず、サイドでボールを受けた場合のみ、サイドバックが危険なコースをカバーしながら中盤の選手も含めポジションを修正する。
3、トップ下の選手には直接的にマークをしないが、センターバックのもう一人が少し近い位置にポジションを取る。そして、中盤の3選手で絶対にそこにパスを通させないようにコースを切るポジションを取る。
対戦相手のストロングポイントや強さでも守備組織を使い分けることが必要になり、完璧に正解もなく難しい判断になる。セルタのような作戦を取ってブスケッツのポジションを中央から除外させようとしてくるチームはこの先現れるだろうから、その時のルイス・エンリケの守備組織の采配にも注目をしたらより一層試合を楽しめそうだ。