新しいオプションの4-2-1-3はまだまだ不安要素あり
先日のレバンテ戦でバルセロナは大きくローテーションをしながらしっかり試合には勝利した。南米トリデンテの一角であるスアレスがベンチに座っていたことは、これからネイマールもベンチに何度か座る予兆にも感じられた。
そんなローテーションをしたメンバーでバルセロナは、メッシをトップ下に配置した4-2-1-3を採用した。ルイス・エンリケの「新しいオプションはある」と言う言葉がいきなり実現した形となった。
今回は「4-2-1-3はまだ未完成であり、現段階での改善ポイント」についてのテーマです。
■ 目次
まずは良かった点(良くなるであろう点)
ダブルボランチ気味にすることで、SBの攻撃参加がより積極的に行けるであろう点。レバンテ戦ではローテーションでメンバーがいつもと違ったり、アドリアーノとアウベスが久しぶりの試合もあり攻撃回数が少なかったが、ダブルボランチにすることで後方に残る選手が中盤で1枚増えるので、サイドの攻撃がより活性される可能性がある。
メッシをトップ下の中盤に入れることで、メッシの前に3人いることはパスコースが増えてメッシの選択の幅を広げるであろう点。メッシが左右にパスをしながら最後は中でフィニッシュする時も、中央にスアレスとメッシの2枚が入ることになり迫力が増す。メッシなら何でも出来るので、選択肢が増えてることは対戦相手が止めるのを困難にさせる可能性がある。
悪かった点(不安要素)
メッシを中盤に入れることで、前線の攻撃の迫力がなくなる点。来年になればビダルやアルダが入りある程度解消されるだろうが、現在はサンドロかムニルの起用しか選択肢がなく、正直ネイマールサイドの攻撃と比べて迫力がなくなり、攻撃が偏る可能性がある。
メッシが中盤にいることで中盤の守備力が明らかに落ちる点。攻守の切り替えでのプレスでも中盤にスペースが出来やすく、相手の遅行の攻撃でも前線の選手がメッシより下がって守備をしなければいけなくなり、前線の選手の走行距離が長くなる。メッシの中盤起用は守備面ではほとんど良い所がない可能性が高い。
メッシが中央寄りでプレーすることにより攻撃が中央により過ぎる点。メッシ中心の攻撃はバルサのやり方であり、メッシが中央でプレーすることにより、中央から打開しようとする機会が増える。現在の右のメッシの方が攻撃のバランスがとても良く、右と中央と左どこからでも相手には攻められるイメージが強くなり、守備の絞りどころが難しくなる。メッシが中央で起用されることで、どうしても連携が良いネイマールサイドばかりの攻撃になる可能性もある。
オプションの追加は「メッシが活きるか」がほぼ全て
現在のバルセロナはどんなシステムや戦術を採用するにしてもメッシを活かす為がほとんどであり、攻撃面では特にメッシの出来がチームの出来を大きく左右する。
極端な話、メッシをSBやボランチに入れてもメッシが自由に気持ちよくプレー出来ていれば、バルセロナの勝つ確率は圧倒的に高いと言える。ほぼメッシ頼みは間違いなく、メッシがより良いプレーをする為のオプションしか採用できないだろう。
メッシがやる気を出してコンディションが良ければそれだけで対戦相手には脅威だが、シーズンを通してそれは不可能なので、コンディション面を考慮してのシステム変更ももしかしたら面白いかもしれない。
今回のレバンテ戦では欠場者が多い中、ローテーションで仕方なく急遽採用した感はあるが、正直問題点は多かった。新しいことに試みると初めはそんなものだが、メッシの出来がバルサの命運を握るので、メッシが活きるシステムでバルサの攻撃が良くなるのならこのオプションはありになる。