14/15シーズン評価① ルイス・エンリケ監督
アウベスはどうやら契約延長(2年+1年)で合意したらしく、これまでのゴダゴダはやはり・・・と思わせる展開で幕を閉じた。これにはアレイクス・ビダルの獲得が関係しているようにも感じる。
そのアレイクス・ビダルだが、どうやら登録出来るまでの来年までは、バルセロナのチームの練習に参加して過ごすようだ。レンタルという形は取らずに、バルセロナの環境に馴染むためにもそれが一番良いのかもしれない。
今回は「ルイス・エンリケ新監督の14/15シーズン評価」というテーマです。これからは14/15シーズンの選手評価をベースに記事を更新していくつもりです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
■ 目次
戦うメンタル面での向上を一番に期待
今シーズンから就任したルイス・エンリケ新監督だったが、結果以上に期待がかかるものがあった。それは昨シーズンは残念でたまらなかった、チームの戦う意欲を復活させることである。1番目に、選手達に喝を入れて、戦う集団に戻すことがまず最初に取り組んで欲しい部分であった。
2番目に、バルセロナでも現役でプレーしたこともあり、パスサッカーの復活と共に内容の伴った勝利を収めることである。
最後に、パスサッカーだけでなくルイス・エンリケのカラーを出したバルセロナを見たいというのが、ルイス・エンリケに期待がかかった。
新生バルセロナと共に3冠獲得で歴史に名を刻む、9.5点
※上記の点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。
シーズン前の期待には、その壁を大きく超えてチームが機能していた。メンタル面では残念な試合はほとんどなく、大事な試合でいつもその期待以上に戦ってくれた選手達の姿を目にすることが出来た。
ローテーションを積極に取り入れ、選手のコンディション調整も上手くいった。大事な試合ではある程度決まったメンバーだったが、起用できる選手数が多い割に、多くの選手が試合に出場できた。
パスサッカーという部分では前半戦のクラシコの敗戦までは頑張ってくれた。それ以降はスアレスが起用可能という状況もあり、チームが強くなるバランスを見つけるのに苦労はしたが、ルイスエンリケのカラーを出したバルセロナが誕生した。パスサッカーというのに固執しない強靭なメンタルも評価に値した。
実績ではペップの1年目を超える成績(60試合、50勝4分6敗)を残し、1年目にして見事3冠獲得という全てのタイトル獲得に成功した。成績面で文句をつけれるものはない。
やっているサッカーも決してバルサのサッカーから180度変更しているわけではなく、基本はボールを支配するサッカーから変更はない。選手の能力を活かしたチーム作りは「強さ」を出すために一番理に適っている。
これまでのバルサの問題点も多く改善した。守備面ではカウンター対策の為にプレスの強化と、後ろに残す選手のバランスを取ることに成功。セットプレーでは攻守において改善が見られ、どちらでも近年のバルサらしくない強さを見せた。
大半は満点以上の出来だったが、選手との関係では問題が出た。とりわけエースのメッシとの確執が言われ、1月からシーズン終盤までは一言も会話していないとも言われていた。これはルイス・エンリケの選手との距離感を変えたことで解決しているようだが、フロントも含めて一部との関係の悪さが何度も伝えられたのはマイナス点であった。その反発精神でチームがまとまったと言うのはあるかもしれないが。
同じ結果は無理でも、戦い続ける勝者のチームに期待
来季への期待としては、まず成績面では今年同様の結果が宿命ではない。今季の3冠獲得は出来過ぎであり、怪我人がほとんど出ないという幸運から達成できた面は大きい。リーグ優勝は最低条件であるが、CLと国王杯は全力で戦った上での成績で十分である。全ての大会で優勝を狙うのはもちろんだが、3冠獲得を絶対命題としてはいけない。
その代わり、UEFAスーパーカップ(EL王者セビージャと対戦)、スーペルコパ・エスパーニャ(国王杯準優勝のビルバオとH&Aで対戦)、クラブW杯の3つは絶対に勝利してほしい。年間の全6タイトル獲得という偉業を、ペップに続いて達成してほしいという目標はある。
チームへの期待としては第1に、3冠獲得からメンタル面の低下を指摘されることなく、もう一度喝を入れ直して戦う集団をつくることが目標である。再び勝利に貪欲なチーム作りが、来季のパフォーマンスを大きく左右する可能性が高い。
第2にチームの改善である。今季良かった守備面だが、中盤の守備面では改善の余地が大きくありそうだ。また、前線からのプレスの統一性の強化も必要だ。全員での攻守がベースであり、今年に入ってからの戦いは素晴らしかったが、それ以上に対戦相手から試合をコントロールする時間をもう少し増やしたい。難しいミッションだが、来シーズンを戦いながら少しづつ修正していってほしい。
第3に選手やフロントとの関係である。選手との関係は少しづつ改善されているが、より改善してほしい。フロントとは会長選挙もありまだ未定な部分は多いが、対話を中心に外部に漏れることなく解決していってほしい。