14/15シーズン評価② クラウディオ・ブラボ
メッシの脱税疑惑で意義が却下され、裁判所への出廷は免れない。最終節デポル戦のロポのシャビへの「気を抜いてくれ」という冗談を真に受けてLFPが調査に入ったなど、バルセロナには楽しくないニュースが多かった1日。
今回は「14/15シーズンの選手評価、ブラボ編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
■ 目次
シュテーゲンと競わす為の獲得
ブラボは昨シーズンまでGKを務めていたバルデスとピントの退団を受けて、今シーズンから新加入した選手である。シュテーゲンの方は何年も前から獲得が噂されていたが、ブラボの方は急に獲得が決まったというイメージがある。
ブラジルW杯でチリ代表のキャプテンとして活躍し、クラブチームではソシエダで長年安定したプレーを見せてきた。そのリーガでの実績も買われ、バルセロナは獲得した。
本来の目的はシュテーゲンがもしダメだった時の保険と、シュテーゲンのそばに高いレベルのGKを置いておく事で、シュテーゲンの第1GKの座を安泰にしない為である。
ベテランということもあり経験という点からもシュテーゲンの為にもなり、バルサがレベルの高いGKを2人有しているということがブラボに求められた役割であった。
リーグ戦のスタメン、サモーラ賞獲得の大活躍、9.5点
シュテーゲンの序盤の怪我もあり、ブラボはリーグ開幕戦にスタメンで出場した。ファンの中にはシュテーゲンが復帰したらブラボはベンチに入り、カップ戦での出場と考えていた人もいただろう。
しかし、ブラボはそんな意見を跳ね返す活躍を見せた。開幕から8試合連続無失点を記録し、昔の言葉を引用すれば「勝ってるときはGKを代えない」ではないが、ブラボをベンチに置くことはその大活躍が許さなかった。
そのままあれよあれよとリーグ戦はブラボ、カップ戦はシュテーゲンの構図がいつの間にか今シーズンは出来ていた。ブラボは怪我もせず、優勝が決まっていた最終戦のデポル戦以外はリーグ戦を全て出場。37試合で19失点という驚異的な数字を残し、1試合当たりの失点数が最も少ないサモーラ賞を獲得。今シーズンのリーグ戦はブラボがいなければ、どうなったかという試合が何試合もあった。
その安定したプレーで最後尾からチームを支えた。安定した足元の技術でパスをつなぎ、危ない場面は37試合で数回しかなかったように記憶している。セービングではキャッチングとパンチング技術が高く、反射神経でも高い次元のプレーを見せた。ディフェンスの裏のスペースを、飛び出しでカバーする勇気と判断の良さを見せた。
現時点では経験からくる判断力の良さで、シュテーゲンよりも安心して見られるバルサのGKという地位を確立した。獲得の時の第2GKという座を、まんまとひっくり返すだけの高いパフォーマンスを見せ続けた。
シュテーゲンの最初で最後の「大きな壁」
来シーズンは今シーズン同様に安定した高いレベルのプレーを期待。プレーレベルでは今シーズンのレベルを維持してほしいだけである。
そして、なによりシュテーゲンの前に立ちはだかり続けてほしい。来季はどちらがリーグ戦でカップ戦かは分からないが、その高いプレーレベルでシュテーゲンを刺激し続けてほしい。
シュテーゲンがより成長する為の手助けをチーム内部でしてほしい。現段階ではブラボの方が安心感が少し高いが、その安心感を2人ではるか高い次元までもっていってほしい。
そして、シュテーゲンがいつかブラボを完全に超えたと思えた時、世界で指折りのGKと言われるほど2人で高めあってほしい。ブラボは来季もシュテーゲンの前に、ドンと大きな壁であってほしい。