サッカーのビデオ判定導入は基本NG!?②

今回もサッカーに対してビデオ判定導入の是非についてのテーマの続きです。(以前の記事は下の関連記事にあります)

ビデオ判定の欠陥・・・人間の判断

まず一つ目に前回の記事でも書いたが、ビデオ判定で人間が判断するなら完璧に公平な判定になることはない。ほとんどの判定は正しくなるだろうが、際どいプレーでは判定の判断に難しいことは変わらない

例を出すと、オフサイドをビデオ判定でジャッジしても際どいプレーと言うのは山の数ほどある。また、PA内でのタックルをファールと判断しても、そのタックルの強さや当たり具合のファールの境界線は、今のサッカーのルールではとても曖昧だ。

FWが相手DFに少し接触しDFが倒れたらファールになるが、PA内でのDFの少々のFWへの接触は見逃される。この境界線はいったい何なんだろう。勝手にPA内ではファールの笛は吹かれないと思っているだけなのではないだろうか。

ビデオ判定を導入するとほとんどのプレーでの判定は正しくなるだろうが、際どいプレーというのはその人の解釈の問題で判定は大きく違う

ビデオ判定の欠陥・・・どの範囲までビデオ判定を許すのか

ビデオ判定を導入すれば良いと言うが、どこまでビデオ判定を許すかは一つの問題になる。PA内でのプレーを全て許してしまうと大きな問題が・・・。

サッカーではセットプレー時のポジション取りで相手のシャツを引っ張るのは日常茶飯事であるが、これは当然ファールである。現在では審判に見えないように引っ張るのが常識だが、ビデオ判定するとその瞬間全てにPKが与えられる。

何回でもビデオチェックできる、または回数を限ってチェックできるにしても、PA内でのポジション取りはファールがとても起きやすい状況である。もし3回まで出来るなら、最高3回のPK獲得も不可能ではなくなる。

ビデオ判定導入を正しい判定への訂正ではなく、PK獲得の一つの手段として使われる可能性は十分に考えられる。こうなったらサッカーの面白さはなくなるかもしれない。

ビデオ判定を導入するならルール改正が必要

上記のビデオ判定の欠陥を簡単にまとめると、人間の判断では際どいプレーは判定が困難である、ピッチ上の全てをビデオ判定の対象にしたら悪用される可能性があるという2点である。他にも細かいところまで言うといろいろあるだろうが、上記のことだけ考えてもビデオ判定には問題点が多くある。

もしビデオ判定を導入するなら大きく2つの改正が必要になるだろう。一つ目はサッカーのルールの改正である。曖昧な部分が多く、ファンやサポーターでも意見や考えが違うことが多い。特に国が違うとルールの見解は大きく違う。

その国ごとの特性が面白いと言うのはもちろんあるが、国際大会やヨーロッパの大会では混乱することになる可能性が高い。そういう意味でも大会ごと、国ごと、リーグごとなどサッカーのルールを完全にはっきりさせてほしい。簡単に言うと、審判のジャッジの基準を細かいところまで統一してほしい。

2つ目はビデオ判定自体のルールである。これはルール改正と言うよりはルールの作成になる。急いで適当に作るとそのルール自体を悪用される可能性もある。ビデオ判定できる範囲を限定させるのが一番簡単なのかもしれない。

ビデオ判定導入は審判の死角を失くす

ここまでビデオ判定導入の悪い所ばかり書いて、ビデオ判定導入に反対のように思われているかもしれないが、実は大賛成の1人である。ビデオ判定導入の最大のメリットは審判の死角がなくなることである。

審判が見えない位置で反スポーツ的行為をするのはとても許せない。またシュミレーション自体もなくなってほしいと感じている。クラシコをWOWOWライブで見ていて、試合終盤に元日本代表監督でもある岡田氏が「こんな試合でもシュミレーションするのは嫌だな~」みたいな発言をしたのがとても心に残っている。

正直バルセロナの選手は倒れる選手が何人かはいるのは事実である。相手との競り合いで本当に倒されるのはいいが、ファールを貰おうとして倒れるのはファンとしても見ていて少し嫌な気持ちになる。

そんなことしなくても真っ向から勝負してもバルセロナは勝てる力があるのにと思う部分がある。また、対戦相手を真っ向から倒す時の方が喜びはとても大きいし、試合自体も面白い部分がある。

少し話が逸れてしまったが、サッカーの試合で審判を欺こうとするプレー、反スポーツ的行為、暴力的な(相手を傷つけようとする)プレーはなくなってほしい。

ビデオ判定導入は、そういうプレーを失くす結果に一役買うだろう。ルールという部分で不安は残るが、ビデオ判定導入はサッカーをより公平に面白くさせる為に、近い将来に必要になるものの1つだろう。

 
 

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