アウベス残留は来季以降の安定感につながる！？

アウベスの会見でシャビのように退団発表ではなかったが、明らかにクラブ（フロント）への不満を口にしており、去就は不透明である。むしろこのままいけばほぼ移籍してしまうだろう。

どこかのライバルチームがソシオは７３％残留を希望していたにも関わらず監督解任の正式発表があったが、次の後任問題も含めどうなることやら。７３％と言えば、来季の横縞のバルサのユニフォームもとても不評である。

今回は「アウベスが移籍したら起きるであろうチーム危機」というテーマです。

アウベスクラスの選手がいない

現段階では移籍が濃厚だと思われるアウベス。補強禁止処分もあって今夏では補強することが出来ず、冬までは現戦力の中で代役を探さなければいけない。

モントーヤ、アドリアーノ、ドウグラスと３人も右サイドバックを出来る選手はいるものの、アウベスのレベルから見ると見劣りは確実にする。特に攻撃面での低下は顕著に表れるだろう。

冬まではある程度我慢して冬の補強でカバーしようとしても、今のマーケットに満足できるレベルの選手がある程度の適正価格で獲得できる保証はどこにもない。

ベジェリン（アーセナル、２０歳）、ファビーニョ（モナコ、２２歳）などが補強選手としてよく挙げられるが、冬でのチーム変更を望む可能性は低く、良くて１年後の夏での獲得になるだろう。ベジェリンはカンテラ出身であり、獲得できるならこの選手が良いと思う。

現戦力、補強でアウベスのポジションを埋めるとしたら、現チームレベルが下がることは間違いないだろう。アウベス残留が補強禁止処分もあって、一番賢明な判断になるのは間違いない。フロントがその努力をするとは思えないが・・・。

アウベスが重宝されるのはなぜ？

アウベス加入後の７年間、アウベスは誰にもポジションを譲ってこなかった。これは実力面と人間性が大きく関係している。キャラクターの部分も含め、アウベスはやはり右サイドバックとしてバルサにフィットする選手である。

まず人間性の面ではブラジル人らしく明るい性格であり、チームの雰囲気を明るく良くすることが出来る。チームメイトとのコミュニケーションでも問題になった事は恐らくなく、会見のように正直な性格も好感を持つのだろう。メッシが一番よく一緒にいる選手がアウベスと答えている部分からも、人間性に問題はない。

ピッチ上でのキャラクターはファイターであり、どんな試合でもモチベーションの低下は感じられない。常にピッチを走りまくり、チームの勝利の為に１００％働ける選手である。ピッチでの仕事が何よりも重要だと理解しており、ピッチに入るとその時の全力を絶対に出せる選手である。勝者のメンタリティーを持ち合わしている数少ない右サイドバックの選手でもある。

実力面では最大のメリットはやはり攻撃面である。攻撃参加の回数は異常なほど多く、メッシとの連携は阿吽の呼吸と言える高さがある。特に今年からはメッシが右にいることが多く、右サイドで良い連携で何度も右サイドを崩している。

右サイドの外側を突破するだけでなく、内側でも攻撃参加できるのがアウベスの凄い所である。メッシが大外に開いたときに、内側を走って連携で崩せるバルサの唯一の右サイドバックの選手である。中でメッシとのワンツーの起点、内側を走っての裏への飛び出し、中で中盤の選手のように攻撃できるのがアウベスの最大の魅力だ。

残念ながら他の右サイドバックの選手はこれらのプレーが出来ない為、攻撃力の低下につながる。メッシをサポートする意味でも、後ろだけでなく幅広い位置でサポートできるのは良い所である。今季は特にラキティッチもスペースに飛び出すのが上手いため、お互いにカバーしながら上手くプレーしている。

守備面でもハイレベルのプレーを見せ、心配な部分は少ない。スピードの低下からくるスピード対策、サイドでの１対１の守備の不安などがあるが、それは少しの不安要素でしかない。

バルサの生命線でもあるハイプレスにはうってつけの選手であり、攻守の速い切り替え、プレスに労を惜しまないダッシュ、球際での上手さなど、高い位置で守備をするのがとても上手い選手である。

もしアウベスが移籍してしまうと攻守、ピッチ外で大きな損失になるのは間違いない。メッシのプレーレベルにも関係する可能性は高い。勝利の保険とも言われるメッシを気持ちよくプレーさせるためにも、アウベスの残留はチームレベルを下げないために必要なことになる。