イニエスタから見るバルセロナとスペイン代表の将来
シティ戦は内容では完勝であり、バルセロナらしい部分は多くあった。結果としてもアウェイでの2対1での勝利は素晴らしい結果となった。
このシティ戦での勝利の要因はいろいろ挙げることが出来る。メッシの活躍、スアレスの決定力、踏ん張った守備陣など様々である。しかし、私個人的にはイニエスタの存在が大きかったと思える。
今回はそんなイニエスタが、今後数年トップレベルでプレーするであろうバルセロナとスペイン代表での役割とチームの行く末についてのテーマです。
■ 目次
ボランチのイニエスタ、優勝候補のバルセロナ
バルセロナでは今までほとんどの試合で中盤のセントラルでプレーしてきたイニエスタ。ペップ時代にはポゼッション率を高める為に左のFWとしてもプレーしたり、ライカールト時代は中盤のアンカーの位置に入ることもあったが、基本はセントラルでプレーしてきた。
誰もが中盤の真ん中で攻撃的な位置でプレーするのが良いと思われていたが、今シーズンの活躍を見る限りボランチのイニエスタも面白い起用である。
起用ポジション自体はセントラルだが、役割的にはブスケッツと並んでのボランチと言っても間違いではない。ボランチの起用での大きなメリットとしては、前線よりプレスが強くないのでボールを簡単にコントロールできる点である。
最近のボランチの攻撃的な代表的な選手と言えば、シュバインシュタイガーやシャビ・アロンソやピルロのような中・長距離でもパスを出せる選手が有名である。
イニエスタの場合はそこまでロングレンジのパスは出せない。しかし、その鬼のキープ力、テクニック、ドリブル、パス精度などミスをほとんどしない選手である。言い代えれば、攻撃に出る時に完全に安心して見れる選手である。
このような選手がいれば、周りの選手が活きる場合がほとんどである。サイドバックのオーバーラップ、前線の選手の動きに合わしたスルーパス、試合を作るパスの中継役など試合をコントロールするのに大きく貢献する。
バルセロナのチーム全体として考えれば、前線のメッシ、スアレス、ネイマールを最大限に活かすことが出来る可能性が高い。遅行だけでなく、速攻を覚え始めたチームは強さをさらに増すだろう。
中盤の後ろでボールを上手くさばき、前線の選手の個人能力を最大限に活かせばほとんどのチームに勝利出来る力があると言える。
今後数年間はトップレベルでプレーするであろうイニエスタ、メッシ、スアレス、ネイマールがバルセロナにいれば、全ての大会での優勝候補は間違いないだろう。
スペイン代表でも黒子のサッカー、若手選手の成長で第一優勝候補
スペイン代表では完全にボランチ起用ということも考えれそうだ。ブスケッツと並んでのダブルボランチ起用が鉄板か!?。コケと並べての3ボランチ気味かもしれない。
これからのスペイン代表は前線の選手の動き出しで勝利していくチームになるだろう。ボールはもちろんキープするが、前線の選手の動き出しにスルーパスを通すのと、サイドを崩しての中で合わせての得点パターンが増えるだろう。
スタメンは4-2-3-1で、
GKデ・ヘア
DFカルバハル、ピケ、セルヒオ・ラメス、アルバ
MFブスケッツ、イニエスタ、右前にシルバ、中央にセスク、左前にコケ
FWパコ・アルカセル
これが当分のベストメンバーになるだろう。対戦相手によっては左前にイニエスタで、ボランチにフィジカルの強い選手(ラウール・ガルシアとか)でも良いかもしれない。
このスタメンの布陣の場合、攻撃の中心はシルバで、動き出しのセスク、コケ、パコ・アルカセルで点を取る。また、サイドバックのカルバハルとアルバのスタミナを考えれば、上下運動を頻繁にし攻撃参加でも期待できるだろう。
このチームの不安点は数選手の活躍が安定感に欠け、強豪相手に通用するかが疑問が残る。正直、カルバハルとコケとパコ・アルアカセルは経験的にも足りない部分はある。これらの選手が安定的に活躍するようになれば、スペイン代表はより強くなる。
他にも若手の有望株はたくさんいて、現在はスペイン代表に選出されていない選手も期待できる選手が多くいるのが、スペイン代表の良い所である。
中堅選手も良い選手が多くいて、若手からも上に押し上げればスペイン代表は確実に優勝候補の一番手に挙がるだろう。
チームの戦い方は全盛期のスペイン代表と少し変わるが、それでもチームの強さはそれと同様ぐらい強くなる可能性は秘めている。