14/15シーズン評価⑤ イヴァン・ラキティッチ

今回は「14/15シーズンの選手評価、ラキティッチ編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。

※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。

3番手の選手と新たな息吹

今シーズンに昨季のヨーロッパリーグチャンピオンで、キャプテンとして活躍した実績を買われてバルセロナに加入した。セビージャ時代にはバルサとも何度も対戦、キックの正確さとゴールの嗅覚でバルサから得点を奪ったこともあった。

少しバルセロナの中盤の選手にしては足元の技術が足りないような気もしたが、セスクの抜けた穴を埋めることには成功した。ラキティッチの役割は、シャビやイニエスタを休ませる為の3番手の選手だと思われていた。2人の年齢が上がったこともあり常にフル出場が難しい今、代わりとなるレベルの高い選手を確保した。

またバルセロナらしくない中盤の選手であり、その分チームに新たな風を吹き入れることにも期待された。今季はシャビとイニエスタとラキティッチの3人で、セントラルを上手く回しながらシーズンを戦うことが予想された。バルサファンの中には、その実力に懐疑的なファンもいたかもしれない

開幕からクレの心を掴み、シャビからポジションを奪う、9.5点

リーガ開幕戦にラキティッチは先発した。カンプノウの試合ということもあり、新加入選手の活躍には注目が集まった。そこでラキティッチのプレーは輝きを見せた。正確なキックはよく認知されていたが、豊富な運動量で中盤で一番存在感を見せた。攻守にわたり幅広い範囲で動き回るラキティッチに、一気にクレの心は鷲掴みにされた。

ファン・ボメルやケイタ以来の中盤で激しい運動量で戦える選手がチームにいることで、戦うメンタル面でもバルサに良い風を送った。スタメンとして活躍し出すラキティッチだが、全てが順風満帆に進んだわけではなかった。

前半戦はルイス・エンリケ監督が従来のパスサッカーとの葛藤に揺れる中、大事な試合ではシャビが先発で起用されることが珍しくはなかった。良い活躍を見せても大事な試合で起用されないことで、冬のマーケットで移籍か!?というニュースも流れるほどであった。

しかし、ラキティッチ自身は悔しくても大きな焦りはなかったのかもしれない。今季のバルサのターニングポイントの一つ目の、前半戦のクラシコでイニエスタが負傷したこともあり、そこからラキティッチは出場時間を伸ばす。そして、そのプレーはルイス・エンリケの信頼を完全に勝ち取ることになった。バルサのプレースタイルが前線の3人を活かすサッカーに変化したのも、ラキティッチ自身には良い変化になった。

そこからのラキティッチは多くの試合でスタメンで試合に出場した。ローテーションで休む以外はほとんどスタメンで出場したが、途中交代で下げられることが多く、フル出場が少なかったのは少しの不満かもしれない。

今年からはメッシがポジションを右に取ることでラキティッチの役割はより大事になった。バランスを取る、空いたスペースへの飛び出し、メッシへのフォローなどラキティッチにしか出来ない役割をいくつもこなした

リーグ戦でのゴールは前半戦に集中したが、CLではベスト16のセカンドレグのシティ戦や決勝での先制点となる大事な所で得点を奪った。全大会で8得点を記録した。後半戦は絶対的なスタメンの選手として3冠獲得に大きく貢献した。

今シーズンからの加入だが完全にクレの心を掴んだ。試合に勝つためにはやはり、ラキティッチのような選手がチームに1人は必要なのかなと感じさせる活躍を見せた。前線のMSNの南米トリデンテがメディア的には大きく報道されるが、昨年の夏の補強選手で移籍金も含めれば、ラキティッチが1番の最高の補強選手になったのではないだろうか。

来季はより前線での数字を期待

来季もスタメンの座はある程度安泰であろう。シャビが抜けたことで来季の前半戦は、少しカツカツでセントラルを回す可能性が高い。1人でも怪我人が出た場合は、多くの試合に出場しての活躍が求められる。

後半戦はもしかすると中盤の選手が補強されて、ポジション争いが激戦になる可能性もある。1人はビッグネームが補強されるのは間違いないだろう。ユベントスの噂のあの選手の可能性が高いかもしれない。補強するなら来年の夏だとは思うが。

プレー面では今シーズンのように南米トリデンテを活かす役割が大きくなる。右のカバーリングも含め、特にメッシを活かす役割が重要になる。

今季から武器になっているコーナーの正確なキックも、バルサが得点を奪う大きな武器になるだろう。試合の流れでは来季はもっと得点力を期待したい所ではある。セビージャの最後のシーズンは自身最高の12ゴールを決めているので、今シーズンの全大会での8ゴールよりは数字を伸ばしてほしい

来季も今シーズンのように大きな下ムラがない安定した活躍を期待したい。来季はイニエスタ以上に中盤で目立つ可能性も十分にあると、ポジティブにこのナイスガイを応援よろしくお願いします<m(__)m>

 
 

1 Responses to “14/15シーズン評価⑤ イヴァン・ラキティッチ”

  1. レト より:

    技術的には見劣りしても戦術理解度の高さで攻守の枚数調整に奔走する。
    誰にも出来そうでラキティッチにしか出来ない役割ですね。
    チームの潤滑油的存在という意味では出番の減ったペドロから役割を受け継いだという見方も出来るかもしれません。
    途中交代が多いのは消耗が激しい役割なので負傷のリスクを考えるとむしろ必然でしょう(なにせモドリッチは・・)。

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