14/15シーズン評価⑱ セルジ・ロベルト
今回は「14/15シーズンの選手評価、セルジ・ロベルト編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。
■ 目次
1分でも長く試合に出場する為に積極的なプレーを
セルジ・ロベルトはバルサのトップチームに昇格してから2シーズン目となる今季だが、トップチームの試合には2010年でデビューしており、長くバルサでベンチに座っている印象が大きい。
今季もイニエスタ、シャビ、ラキティッチという格上の選手がいる中、若手のラフィーニャもバルサに復帰した。4番手でも出場時間が限られそうな中、セルジ・ロベルトはバルサでの成功を願って残留にためらいはなかった。
セルジ・ロベルトは実力面で上記の3人には劣っているかもしれないが、それよりも深刻な面があった。周りの選手に遠慮して自分の思い切ったプレーが出来ない面が、トップチームで試合に出場できない最大の要因であった。
シャビの後釜としてカンテラのセルジ・ロベルトに期待しているファンも多くいるだろう。それにはポテンシャルを発揮する為と才能を爆発させる為に、何よりも積極的なプレーが求められた。今季のセルジ・ロベルトには、必死さと積極的なプレーがなによりも期待された。
希望と新たな役割が期待できる実のあるシーズン、6.5点
セルジ・ロベルトはシーズン開幕から予想された通りベンチに座ったが、途中出場で試合出場に成功した。バルサB時代のルイス・エンリケの教え子の1人でもあり、ポテンシャルには疑いの余地がなかったのかもしれない。
それ以降も前半戦は途中出場やローテーションを取り入れた試合で度々起用された。そのセルジ・ロベルトの姿にバルサファンは期待感を感じられずに入られなかったはずだ。
積極的にプレーに関与し、豊富な運動量でピッチを走りまくった。攻撃参加も飛び出したり、ワンツーでパスを受けようと必死にプレーするセルジ・ロベルトの姿があった。プレー面は荒削りで正確なプレーは多いとは言えないが、懸命なプレーには大きな好感と期待が十分に持てた。
今季はセルジ・ロベルトの飛躍のシーズになると予想した人も少なくないだろうが、11月付近でそれは一気にトーンダウンする。ラフィーニャが怪我からほぼ完璧に復帰し、セルジ・ロベルトの怪我もあり、試合への出場が本当に限られたものになった。
国王杯の格下と思われる対戦相手で試合に出場する以外は、途中交代で主力選手を休ませる為だけでしか試合に出場できなくなった。ベンチ外での試合も増え、チームの後半戦の好調とは裏腹に、セルジ・ロベルトの姿をピッチで見る機会はほとんどなくなっていった。
しかし、そんなセルジ・ロベルトに転機が訪れる。ブスケッツが怪我で試合に出場できないリーガ第27節のエイバル戦で、中盤のアンカーで試合に出場するチャンスを得た。ルイス・エンリケ自身はマスチェラーノを休ませる為だけに起用したつもりだったかもしれないが、ここでセルジ・ロベルトは使えそうというアピールに成功した。
そこからシーズン終了まで数試合アンカーで試合に出場し、バルサBのサンペルが伸び悩んでることもあり、中盤のアンカーのベンチの選手として認められ始めていった。
今シーズンはリーグ戦で12試合(4試合がスタメン)に出場したが、出場時間は短かった。CLや国王杯でも重要度の低い試合だけには出場したが、大事な場面では起用されることはなかった。
飛躍と共にアンカーでの挑戦が始まる
来季は中盤のアンカーの選手として、ブスケッツのベンチの選手として迎えることにだろう。重要な試合で起用されるほどルイス・エンリケの信頼を勝ち取ってはいないが、ローテーションの中では今シーズンより起用される機会は多くなるだろう。
リーガと国王杯でより多くの試合に出場することが期待される。アンカーの選手としてはまだまだ未熟な面はあるが、来季で少しでも良くなれば将来的に使えそうな選手になる目処が立ちそうである。
攻撃面では落ち着いてボールをさばけており問題は少ないが、守備面では課題が山済みだ。ポジショニングには相当気を使っており位置しているが、多くの状況で下がりすぎな傾向が強い。また、相手のボールを追いかける時もセントラルの時のようにコースを防いでいるだけだが、アンカーの守備力にはボール奪取の能力も求められる。
ディフェンスラインのカバーなどのバックラインへの守備を求めるには課題が多いので、来季は中盤の位置で粘り強い守備とボール奪取を狙ってほしい。運動量的には今シーズンのように積極的に走っていれば問題ないので、心配はないだろう。
攻撃面でも1つ課題というかセルジ・ロベルトらしさを出すには、ブスケッツにはない攻撃参加は1つの手でもある。ワンツーなどのパス&ムーブが上手い選手であり、チャンスと思えばパスを出してそのまま自分も攻撃参加をして良いだろう。セントラルのカバーが必要にはなるが、それはプレーシーズンから少しづつ改善してくれれば良い。
来季のセルジ・ロベルトはある意味大きな挑戦になる。アンカーとして活躍できれば、バルセロナのチーム的にそのポジションが埋まるので完璧である。活躍できなければ厳しい状況に逆戻りになるのも間違いない。今季から見せる積極的なセルジ・ロベルトなら活躍する可能性が高いと信じている。