14/15シーズン評価⑬ ラフィーニャ・アルカンタラ
今回は「14/15シーズンの選手評価、ラフィーニャ編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。
■ 目次
シャビの後釜の立場だが、懐疑的要素が大きい
ラフィーニャは昨シーズンセルタにレンタル移籍しており、ルイス・エンリケ新監督に1年間指導されていた選手でもあった。ルイス・エンリケの要望もあり、バルサに復帰して今シーズンをバルセロナで迎えた。
セルタで活躍していたのは耳に入っていたが、プレー自体を見る機会は少なかった為、実力的にバルセロナでやっていけるのかという疑問があった。バルサB時代には兄のチアゴ、セルジ・ロベルト、ジョナタンに次いでの4番手ぐらいにしか自分の中では捉えていなかった。
ポジションと年齢的にはシャビの後釜となる選手であり、カンテラ出身ということもあり大事に育てたいという選手ではあった。しかしその実力は未知数であり、そこまで大きな期待感は持たれていなかったように思える。
エンリケのお気に入りから将来の必要不可欠選手へ、7.5点
リーガ開幕戦にラフィーニャは先発で出場した。大きな活躍をしたわけではなかったが、ルイス・エンリケの中では大きく評価されている選手であることが理解できた。それ以降もラフィーニャはローテーションの中に入っていたが、前半戦は怪我で合計1か月半ほど戦線離脱をしてしまう。
怪我の影響もあってか、試合に出場しても大きなインパクトは残せないでいた。バルサのトップチームに馴染むことやコンディションも関係しているかもしれないが、前半戦の段階では出来の良かったセルジ・ロベルトの方がバルサファンには起用を望まれているように感じられた。
前半戦はルイス・エンリケのお気に入り選手での出場という点が拭えずに、ラフィーニャは後半戦を迎えた。怪我から回復しコンディションも上がってきたラフィーニャは、後半戦に自分のポテンシャルを発揮し出した。
力強いドリブルを武器に、ボールを失わない場面が増えてきた。それに伴いパス回しも円滑になり、若手中心の国王杯などでは攻撃面で中盤の攻撃の核になることが多かった。守備面では豊富な運動量を武器に最終ラインも幅広くカバーし、シーズンを通して何回かゴール前で重要なクリアをする機会があった。セカンドボールを拾うポジショニングが上手く、自分が試合中にどこにいるかということも理解していた。
前半戦とは180度変わるような評価になる後半戦は、終盤に試合の出場は限られたが、ローテーションを含め多くの試合に出場し、安定したプレーを見せた。シャビも重要な存在だったが、ラフィーニャが先発しても特に大きな問題はないように感じられるほどにバルサファンの評価を変化させていた。
シーズンを通せばリーグでは24試合(スタメンは13試合)に出場し、国王杯でも多くの試合に出場した。得点は合計2得点とラフィーニャとして少ない数字になったように感じるが、来季に向けての課題として捉えれそうだ。
ラフィーニャは重要な試合で大きな仕事をしたわけではなかったが、バルサファンの評価と信頼を大きく勝ち取ったシーズンになった。シャビが引退した中、中盤の後釜の選手の1番手として期待される存在までに成長した姿を見せたシーズンになった。
ゴール前でより仕事を、数字にも期待
中盤を構成する力があるのは分かったので、来季はそこから先の敵のゴール前での仕事を期待したい。ラフィーニャにはゴール前でもっと仕事が出来そうと感じさせる。
ゴールやアシストという部分で、ある程度の数字を残してほしいと期待したい。来季は補強禁止処分とシャビの移籍で、中盤のベンチメンバーはラフィーニャとセルジ・ロベルトの2人になる。デニス・スアレスも含めれば3人だが、高い位置での起用も考えられる。
今季より多くの試合に出場するのは明白であり、怪我なくシーズンを通して安定したプレーも求められる。バルサの中盤の出来を大きく担う選手になると言っても過言ではない。
それほど来期には期待したいし、将来のバルサの中盤を引っ張っていく存在になるとも期待。少しずつ成長し、来季は重要な試合での出場が増えるまでの存在になってほしい。