14/15シーズン評価⑮ ハビエル・マスチェラーノ

今回は「14/15シーズンの選手評価、マスチェラーノ編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。

※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。

高いラインを保つ為に、裏へのボールの対処だけ

マスチェラーノのサッカー選手としての能力、人間性の素晴らしさには疑いの余地はない。また、バルサでは本職の中盤でプレーすることもなく、不慣れなCBとしての起用に不満ひとつ言わずにチームの期待に応えてくれていた。

本職ではないCBの起用に、多くの人がCBの動きではないというコメントを残してきた。積極的にインターセプトや前に出て守備をするのは最近のCBには少ないかもしれないが、自分的にはボールを奪いに行くディフェンスは大好きである。

スペースを空けたとしても周りの選手がカバーをしたり、高い位置でボールを奪う回数が増えれば、それはそれでよいと思う。バルサファンは、積極的にボールを奪いに行く選手のほうが好きな傾向が強い気がする。

しかし、マスチェラーノにただ1つ注文を付けたいのは、ディフェンスラインの裏へのボールの対処である。ハイボールが元々得意ではないし、裏のスペースへのボールの処理がとても苦手である。グラウンダーのボールはまだ大丈夫だが、跳ね上がっているボールの処理はこれまでの大きな課題であり続けた。これさえ克服すれば、バルサのCBとして問題はほとんどなくなるだろう。今季はその面も含め、安定したプレーだけが期待された。

課題を克服し、シーズン通して最も安定したCB、9.5点

マスチェラーノは高いラインでは重宝されるスピードとカバーリングがある為、ルイス・エンリケ新監督になってもリーガ開幕戦をスタメンで迎えた。シーズン序盤はマテューと共に、バルサの守備を鉄壁にした。リーガ8試合連続無失点に、マスチェラーノは欠かせない存在であった。

マスチェラーノはシーズンを通してルイス・エンリケの信頼を裏切らなかった。常に安定したプレーで最終ラインを守り、ゴール前でも体を張って失点を防いでいた。心配していた裏へのボールの対処も難なく処理し、そんな問題がなかったかのようなプレーを見せた。

前半戦はバルサのディフェンスラインに不安定なピケが長く起用されても、マスチェラーノのおかげでギリギリ安定感を保つことができていた。マテューやバルトラと組んでもディフェンスラインに安定感をもたらすマスチェラーノは、スタメンではあったがある意味使い勝手の良い選手でもあった。

そんなマスチェラーノは今シーズンは中盤のアンカーでも起用された。ブスケッツを休ませる理由がほとんどだったが、時には戦術的な意味でも起用された。カウンターの強いチームや攻撃力の強いチームでは、マスチェラーノのアンカーシステムが何度か採用された。この中盤のアンカーでの起用が、シーズン終盤につながるとは誰も予想出来なかったかもしれない。

後半戦に入るとピケの復調もあり、ディフェンスラインの安定感はさらに増した感が出た。鉄壁に近いようなバルサの守備には、常にマスチェラーノの姿があった。怪我もなく多くの試合に出場していたマスチェラーノだが、試合終盤には途中で中盤のアンカーに入り、守備固めでも必要な存在であった。

重要な試合でもあたりまえにスタメンの選手であったマスチェラーノは、バルセロナの3冠獲得に必要不可欠な選手であった。むしろ今期のバルサの守備の強さには、マスチェラーノの存在がバックラインでは1番大きかったともいえる活躍を見せた。

お手本の選手として、長い期間戦ってほしい

来期も怪我なく長い期間プレーできるレベルを持続してほしい。怪我に関しては予想はできないが、欠場されると大きな損失になりそうである。守備を意識した時の中盤のアンカー起用も考えられ、来期も大忙しのシ-ズンになるのは間違いない。

来期は第1キャプテンのシャビが抜けたこともあり、カンテラ選手ではないがキャプテンの1人に選ばれる可能性は十分に考えられる。人間性的にはキャプテン候補は間違いないが、カンテラ選手ではないことだけが選ばれていない理由かもしれない。

どっちにしても31歳とベテランの選手に入る存在であり、サッカー選手としてもお手本のような選手であるのは間違いない。カンテラも含め若手の選手のお手本となる選手として、来季もチームのタイトル獲得に貢献してほしい

 
 

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