エンリケバルサはスタイルに固執しない強さを実現!

アビダルが「ペップバルサの時よりも今のチームは強い」発言をするなど、現在のチームには自力の強さがある。好調なのもあるが、今のチームはどのチームが相手でも対応できるだけの戦い方がある。

レシャック氏がアウベスとルイス・エンリケ監督の来季残留をフライング気味で発表したなどもあるが、この2人は来季もチームに必要な存在になる。

今回は「エンリケバルサの強さの秘密を、3つの変化と共に見ていく」というテーマです。シーズン終盤もあって、今までの記事の内容を復習という意味もあります。

チーム全員に浸透している戦うメンタルと戦術

今シーズンのバルセロナは幸運な事にも怪我人がほとんど出ていない。その為23人いるトップチームの選手の内、ベルマーレンを除けばほぼ全員が使える状況が続いた。

ローテーションを積極的に採用するルイス・エンリケの傾向もあって、多くの選手が試合に出場している。主力の選手もメッシを除けば休みを与えられる機会が多く、途中交代やスタメンの変更で幅広い選手が起用されている。

個人レベルでの差はあれど、日頃試合に出ていない選手達のモチベーションと、試合に入った時の違和感はほとんどない。ルイス・エンリケがチーム全員を上手くコントロールしているであろう1つの証になる。

誰が出場してもチームのレベルが落ちないわけではないが、その落ち幅はここ数年でもトップクラスに近いほど低い。チーム戦術に選手一人一人の特長を活かしたエンリケバルサは、出場している選手で戦い方を少し変化させ、対戦相手によって使い分けれる強さがある。

南米トリデンテを活かす戦術

今シーズンの一番の目玉になった補強選手はルイス・スアレスであった。昨シーズンにはネイマールが加入したこともあって、バルサの前線には南米トリデンテが結成されることになった。

ネイマールが加入した時にもクライフ氏が「共存は難しい。ネイマールを獲得するならメッシを出すべき」と言うほど、選手一人一人のエゴが強い選手達である。スアレスが加入した今季はそれが一つの心配な部分でもあった。

初めこそ遠慮気味だったスアレスも、時間の経過と共に自分らしさが出てきており、今では活躍する試合が多くなっている。前線はローテーションをほとんど採用せず、途中交代で主に出場時間を調整している。

このバルセロナのストロングポイントが前線の3選手だと感じたルイス・エンリケは、スアレスが起用可能になってからはこの3選手を活かす戦術に大幅変更してきた。

イニエスタの怪我とバランスが悪いこともあり、去年の戦いこそ安定しない戦いが続いたが、今年に入ってからは南米トリデンテを活かすバランスを見つけることに成功した。

カウンターを主にしたスペースのある中での攻撃を中心にし、バルセロナは攻撃力を大幅にアップさせた。最近ではポゼッションをしながらの攻撃にもスアレスが慣れてきたこともあり、ポゼッションサッカーでも前線の3選手の力が発揮されるようになってきた。

連携面でもどんどん良くなり、3選手の関係だけではなくチームとしての連携面も向上しているエンリケバルサは、まだまだ強さを秘めている可能性がある。

長所ではなく短所を改善したルイス・エンリケ

バルセロナのサッカーはポゼッションサッカーの攻撃的なサッカーである。ボール支配率は毎試合対戦相手より高く、ボールを保持し対戦相手を支配することに変に慣れてきている。

ペップ時代の対戦相手を圧倒する戦いに慣れたバルサファンの中には、今のエンリケバルサの戦いに不満を抱いている人もいる。しかし、現役時代にルイス・エンリケ自身はバルサで多くのタイトル獲得をしたわけではなく、どちらかというと暗黒時代のバルセロナの中で戦った時代が長かった。

そんなルイス・エンリケだからこそ、勝利への意欲が強い選手と監督になったのかもしれない。そんなルイス・エンリケはバルセロナに勝利をもたらすために、パスサッカーの改善と強化より弱点克服でチームの強化を図った

速い攻撃、セットプレーの攻守、カウンターでの守備が常にバルセロナの弱い部分であると言われてきた。ペップ時代から言われてきた弱点だったが、それを大きく改善できた監督はいなかった。

その改善に取り掛かったエンリケバルサはそれらを高いレベルまで押し上げたとは言えないが、選手の特長を活かしながら上手く対処してきた。

セットプレーの失点は減り、逆にセットプレーでの得点数は例年より数字が高くなっている。守備でもカウンター対策でプレスの強化と、後方に残す選手を増やしたことにより失点数は減り、今季のチームの失点数は少ない。リーガで最少失点(19失点)であり、リーガだけで20試合の完封試合にも成功している。速攻でも前線の選手の特長を活かして多くの得点を決めてきた。

短所を改善したエンリケバルサは戦い方にバリエーションが増え、どんな状況になっても耐えしのぎ、得点を奪えるチームになった。パスサッカーの試合こそ減ったが、就任50試合までで歴代の中で最高勝率を誇るルイス・エンリケは、強く勝てるチームを作り上げた。

 
 

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