メッシのポジション取りの歴史

先日のパリ戦でも代表される、メッシの中央へのポジション取りがとても効果的だった。今シーズン初めはメッシの中央への配置はもう無理だと感じていた人は多いのではないだろうか。

メッシが中央寄りでプレーすることによって、様々なメリットがある。もちろんデメリットもあるが、それをチームでカバーできているのが今のエンリケバルサである。

今回は「メッシのポジション取りの歴史」というテーマです。

メッシの歴史、サイド(ライカールト)→中央(ペップ)

ライカールトに抜擢されたメッシは、デビューしてから数年は右サイドでプレーしていた。左には攻撃の中心のロナウジーニョがおり、中央には点取り屋のエトーがおったこともあり、メッシのプレースタイルからも右サイドでのプレーがベストを誰もが疑わなかった。

バルセロナのチーム自体が落ち込みペップが就任した。いつも通りの右での起用が続いたが、シーズンが終盤になりメッシの中央での配置をトップチームで初めに採用したのがペップだった。左にアンリ、右にエトーでバルセロナは相手を混乱に陥らせ、通称ゼロトップでバルセロナは3冠を達成した。

プレーに多く絡め、どこからでもパスを受けれるメッシの中央起用は、いつの間にか当たり前になっていた。そして対戦相手も研究してメッシを止める策をいろいろ試し、ここ数年でメッシの中央でのプレーは効果的なプレーが減少した。メッシ個人の調子もあるかもしれないが、ほとんどのチームが以前ほどメッシに脅威を感じなくなったのは事実であった。

応用した今季、中央(ペップ)→サイド&中央寄り(ルイス・エンリケ)

今シーズンはチームを復活させるためにも、現役時代に兄貴と呼ばれたガッツマンのルイス・エンリケが監督に就任した。スター選手でも特別扱いしないスタイルを持つルイス・エンリケだが、メッシだけは色々な意味を持って特別なのかもしれない。

今シーズン初めは例年通り中央での起用だったが、メッシのプレースタイルは変化していた。サイドに開かない自分より前にいる2人にパスを渡し、パサーとしてアシストを連発していた。ネイマール、今季から加入したスアレスが入ることも含め、自分が点を奪いに行かなくても良いと言う考えだと思われた。

しかし、スアレスが制裁明けでデビューした後、そのシステムは上手くいったとは言えなかった。スアレスが右にポジションを固定されることによって、スアレスが窮屈にプレーしていて個が死んでいた。

試合中にスアレスが中央にポジションが流れていた時に、メッシから「そこ(中央)に残ってくれ」と言われたらしく、メッシが右のウイングに自分から入ることになった。

それから今シーズンの南米トリデンテは爆発力を発揮することになった。そして、最近ではメッシが右だけでなく中央の少し低い位置でのプレーも増えてきた。ボールが渡らないから引いてきたと言うよりは、中盤での構成力とボールを支配する為である。

ペップの中央起用時と役割に大きな変化はないが、唯一変化したのはメッシ自身がゴール前に入る機会が少なくなった。ネイマールやスアレスへのパスを活かすことが多く、パサーと点取り屋の仕事を両方こなしている。

最近のメッシの得点パターンは右からのシュートが多く、以前のような後方から飛び出してのゴールが少なくなったのが証拠である。

右のポジション取りを基本とし、中央で中盤の構成力を助けるメッシのポジションは、ペップの中央起用の時と同じように現在は対戦相手を混乱させている。

 
 

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