ゴール前での守備回数を減らす押し込む攻撃が必要②
今回は前日の記事の続編です。「本来バルセロナはゴール前での守備回数を減らすことが重要②」というテーマで、今回はボールを奪われてからの守備編です。
■ 目次
ゾーンではなくエリアを脱出させない
次は押し込んだと仮定して、ボールを奪われてからの守備のお話である。
バルサの現在の攻撃はペップ時代とは違い、そこまで選手間の距離が近いわけではなく均等配置に近い。サイドチェンジもエンリケバルサの1つの攻撃の狙いと言えるからである。前線がワイドに開くのはほぼ一緒だが、中盤の選手は現在3枚の横並びのラインとも表現できる。
攻撃から守備に回った時に重要なピースとして、やはり中盤の選手のプレスである。しかし、現在のバルセロナはペップ時代の時より人数をかけて一気にプレスをかけることは出来ない。
そうなれば、ボールを奪い返す回数は今まで通りなら回数は減ることになる。そして、プレスをかわされればカウンターの餌食になりやすくなる。
ここで考えられるのが、少し幅を広げてプレスをかけてサイドを絶対に変えさせないことである。今までと同様に縦を意識してプレスをかけ、まずは縦に一発でやられないのは一緒である。
ボール保持者に激しくプレスをかけるのももちろんだが、パスの出所を徹底的に奪いに行くというのが狙いである。サイド以外は囲い込みでボールを奪うのをあまり狙わず、周囲の選手のマークを徹底して付くことで、縦と横のショートパスを簡単に通させないようにする。
今までのプレスとほとんど変わりなさそうだが、若干ボールを奪い返すまでに時間は掛かるものの、相手の攻撃を逆のサイドに送らせないのが最大の目的である。
サイドから逆サイドへのスライドは体力を削られ、走行距離も伸びてしまう。また、スペースがある中で力がある選手の場合、大ピンチを迎える可能性も高い。
その為に、コンパクトな守備といってもサイドを変えさせないエリアを脱出させない守備は、長いシーズンを戦っていく上で疲労感を溜めないという意味でも有効かもしれない。
ルイス・エンリケは保守的ではなく新たな挑戦へ
守備面ではどんな戦術や完璧なプレスがあっても、選手自身が集中して動く必要がある。また、1対1の対決が重要なのが現在のサッカーであり、それはレベルが上がれば上がるほど感じさせられるものである。
今のエンリケバルサのプレスに特に大きな問題はないのだが、後は集中力とさらなるプレスの飛躍を願いたい。今のプレスが完璧なのではなく、もっと向上する為に色々試してほしいとも思う。
今シーズンは昨季とほとんど変わらない戦い方を今まではしているが、昨年と全く同じなら選手自身のマンネリ化が起きる可能性もある。また、主力のスタメンの変更がほとんどないのもそれを後押しするかもしれない。
野心を失くさず集中してハードワークをすればバルサファンも文句はないのだが、1選手のマンネリ化がチームに浸透する可能性もあるだけに、ルイス・エンリケには新たな守備の形やシステムにトライする時が来ているのかもしれない。
徹底したプレスでボールを奪い返すのは理想ですけど、
ウィルシャーみたいにプレスを交わせる選手がいると一気に抜き去られてカウンターを食らってしまいます。
ペップが今でもカウンターに弱い理由はそこなのかなと。
中盤でも無理に奪い返しはせず、常に守備での数的有利を意識して最終ラインまでに仕事をさせないことを期待したいです。