ビルドアップをさらに1段階上げる時がきた!②

今回の記事は前回のテーマの続きで「3バックから流動的にアンカーの役割を担う」というテーマです。前回の記事は下部の関連記事内にあります。

3バックの形からリスクを恐れずドリブル

前回の記事でバルサのビルドアップに変化が求められていると書いてきたが、大きな変化ではなくても少しの変化によりバリエーションを増やすことが必要になる。

それは昔からもやっていることで、前が空いている場合はバックラインの選手でもガツガツドリブルで前にボールを運ぶことである。そして中盤のアンカーの選手のように一時的にプレーし、後ろの3選手でCBとアンカーの役割を流動的にすることである。

これにはビルドアップ時にアンカーの選手がCBの間に入り3バックの形になり、誰かがドリブルで駆け上がっても後方に2人は残しておくことが最低限のリスクマネージメントになる。

今までも試合の中で何度も行ってきたことであり、それをもっと積極的に行うことが相手の前線からのプレスに対抗する1つになる。対戦相手の意表を突くことでマークの確認やプレスを若干ズラすことで、間に入る前の選手がボールを受けやすくなる。

後方から前線への中継役を流動的に

中盤のアンカーで前線との中継役の役割をブスケツ1人に任せるのではなく、その役割を交代しながらすることで対戦相手もマークに付きにくくなる可能性も高い。

これは基本的にはブスケツに任せているアンカーの位置に、3バックの形でパスを回している中、そこでボールを受けれる場合は積極的にCBの1人がアンカーの位置に走り込み、前を向いてボールを受けることが最大のメリットになる。

少しでも良い体勢と前の位置で縦パスを送る為に、CBの2人も積極的に中盤に入ってパス回しに参加することがこの先求められる時代だと感じる。決まりきったシステムや形のパス回しでは、分析や研究をされて封じられる機会が多くなるので、バルサ側からさらに1つ変化を加えることが求められる

リスクを冒してでもパス回しを成功させねばいけない

これまでバルサのビルドアップについて変化が求められ、リスクを冒してでもCBの選手の積極的な攻撃参加を勧めてきたのには大きな理由がある。

それはポゼッションサッカーの継続である。今のバルサは前線の南米トリデンテを筆頭に速攻がありそれでも得点を奪えたり、セットプレーのサインプレーなど得点できるプレーの幅が多くなっている。これはルイス・エンリケが就任してからプラスアルファされて良くなったものであり、ある程度1シーズン以上戦ってきて形になってきている。

しかし、バルサのサッカーは敵を自陣に押し込んで、ボールを自分達がポゼッションすることで攻守ともに安定する。BATE戦で久しぶりに見せた戦いであり、リーガ開幕節のビルバオ戦、3節のアトレティコ戦もこれで危険なシーンを最小限にして勝ってきた。

バルセロナやバルサファンは自分達がボールを持てば簡単には負けないことが分かっている分、もっとボールポゼッションする為に死に物狂いにならなければいけない

高いポゼッション率さえ出来れば前線の個人技含め相手を崩す機会が何度も与えられ、守備の機会が大きく減ることになる。今季の戦いを見ていて、やはりバルセロナはポゼッションできなければ試合のコントロールをするのに苦労するチームだと再確認したバルサファンは多いだろう。

どこかの監督や解説者がボールポゼッション率が高いだけで効果的なプレーが少なければ意味がないと言うが、バルサの場合はそのポゼッション率が高いことが第1のスタート地点になる。効果的なプレーはボールを保持してから考えたら良い問題であり、まずはボールポゼッション率が高い試合を演じる為に多少のリスクを冒す必要がバルセロナにはある。

 
 

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