マンネリ化対策はシステム変更?①
今季のこれまでの試合を見ていて、昨季の3冠を獲得したチームと特に変更はない。サイドチェンジの多さ、ポゼッションスタイルへのこだわりは少し変化したものの、昨季からのミッションを延長して続けているように感じる。
正直チームにマンネリ化が起きているように見えてしまう戦いぶりが続いている。戦う気合いはあるものの、どこか本気度が低い気がする。コンディションが万全ではないのでそう見えるだけかもしれないが、2年連続同じような戦い方は正直厳しいような・・・。
今回は「マンネリ化解消策はどこにある!?」というテーマです。明日もこの記事の内容の続編です。
■ 目次
4-3-3からの脱却
ライカールトが監督時代からか、いつの間にかバルサは4-3-3のシステムが定着している。前線の形がゼロトップ気味や普通の3トップの形と違えど、基本的にこのシステムでずっと戦ってきている。時に3-4-3をペップは使用していたが、基本的には4-3-3で間違いなかった。
ルイス・エンリケは就任当初から変則的な3-4-3が実は希望らしく、その為の昨季のクアドラード(現チェルシー)獲得とも言われていた。最終的には獲得は実現せず4-3-3で始動し今までに至るが、システム変更はマンネリ化解消に大きな効果があるだろう。
現実問題リーガが始まるこの時期に大きなシステム変更はリスクがある。現在のシステムをベースに、少しいじる程度なら可能だと感じる。
ベースが4-3-3からの4-4-2
新しいシステムは4-4-2で、イングランドのような中盤はラインのシステムである。このシステムの相手への脅威は、何といっても2トップの破壊力である。基本的にスアレスとネイマールを中央寄りに配置することで、対戦相手は2人の得点力や動き出しに油断することは出来ない。2人の連携でも得点を奪えるようになれば、それだけでも大きな武器になる。
気になるメッシは中盤の右サイドで、中盤は右からメッシ、ラキティッチ、ブスケツ、イニエスタが現段階でベストメンバーである。メッシとイニエスタを両サイドに配置することで、中盤の攻撃の起点をサイドにすることも狙いである。前線は真ん中が強力であり、中央寄りにならない為に攻撃のポイントを両サイドに置くこともメリットである。
守備時はメッシは参加しないのでOKなので、前線のネイマールがトップ下のように中盤に下がり、相手のボランチ辺りにはプレスをかける。守備時は4-3-1の形で守るイメージだろうか。
正直現在の4-3-3と少しの変更しかしていないが、相手を押し込んだ時に両サイドを起点にサイド攻撃する為のシステム変更である。現在でもベストメンバーの南米トリデンテが揃えば可能だろうが、1人でも怪我をされると1つのサイドがなくなるイメージが大きい。
このシステム変更には後半戦から参加するビダルとアルダの為でもある。ビダルは右サイドのSBと中盤でプレー可能であり、セビージャ時代にプレーしていた場所と変わらずに参加できる。アルダは両サイドの中盤でプレーし、アトレティコ時代と変わらず主に攻撃的な役割を担える。時には中盤の真ん中、前線での1.5列目のイメージでも起用出来そうである。
このシステムは前線の2人(スアレスとネイマール)の得点力にかけるイメージである。前線に怪我人が出た時はメッシで前線を埋め、中盤の攻撃的な位置をビダルやアルダで埋めることも可能である。
後半戦にならないと選手層的に採用出来なさそうだが、これなら少々の怪我人にも対応可能だと感じる。各ポジションごとの主力の1人ずつの怪我人ぐらいなら、ベンチメンバーでも十分に補えそうである。
マスチェラーノを偽DFとする3-4-3
次はルイス・エンリケが本当は採用したいとも言われている3-4-3である。これも現在の4-3-3をベースに作るのが良いだろう。一番の見本は、昨季のCL予選最終節のホームで行われたパリ戦である。あの時はアウベスの出場停止もあり、ペドロを中盤の右サイドに配置して試していた。
中盤は右サイドに運動量豊富で攻撃的なアウベスかペドロ、真ん中にマスチェラーノとブスケツ、左にイニエスタである。後方の3バックは右からピケ、ベルマーレン、アルバがベストであり、攻撃でも安定感ある3人を配置する。
正直後方は真ん中にピケを配置したいが、右のCBに適任者がいない気がする。バルトラ起用ならパスも出せて安定感がありそうな、ベルマーレンを中央で使う方が安定感が出そうと判断している。時には右のCBにマスチェラーノでも良い気はするが。
中盤の真ん中に守備的な選手を2人置くことで、後方の選手の攻撃参加も十分可能であろう。右からはピケ、左からはアルバが攻め上がれるし、その時は中盤の真ん中の選手がディフェンスのカバーをすれば良い。
このシステムの最大のメリットは、今以上に攻撃的な要素が大きい。右サイドのアウベスかペドロがより攻撃できる位置におり、メッシと高い位置で連携を取れる可能性がある。ある意味4トップ気味とも呼べたり、メッシが少し下がってプレーする場合は3トップの下にメッシという感じでも行けそうである。
デメリットとしては守備の手薄感は否めない。スペースを埋めるハイレベルなカバーリング要素が求められ、選手1人1人がしっかり走ってフォローし合わなければいけない。また、中盤の中央にマスチェラーノとブスケツ起用なので、パスの展開力は少し落ちる可能性がある。後方のピケやベルマーレンが、それをどれだけカバーできるかもカギになりそうである。
正直常時採用するにはなかなかリスキーなシステムであり、ファンにも相当な肝のデカさを要求される。守備の不安定な今では、ちょっと採用するには反対意見が大きくなるかもしれない。しかし、対戦相手にサプライズを起こす役割を担えるシステムではある。また、得点が絶対欲しい時にこのシステムを採用するのも良いだろう。