好調なメッシを止める方法はマンマークではない!
国王杯の決勝の先制のシーンであるメッシの4人抜きからのゴールは、圧巻のプレーであった。大事な試合で毎試合結果を残すメッシには、ただただ頭が下がるだけである。
好調を長く維持し、シーズン最終局面で最高のコンディションになっている。他のクラブの多くの指揮官や選手達からも、好調のメッシに惜しみない賛辞は止まない。
今回は「マンマークではメッシは止められない」というテーマです。チャンピオンズの決勝で、ユベントスがどんな対策を取るかは注目が集まる。
■ 目次
バレンシアガのマンマークで止めたかったビルバオ
国王杯の決勝の対戦相手であるビルバオは、メッシ対策としてバレンシアガのマンマークで対策してきた。最近ではゾーンの守備が主流で、減ってきたマンマークの戦術である。
マンマークの戦術の良い所は、マークをはっきりさせることでフリーでボールを持たれる機会は激減する。また、激しくマークすることでボールが渡る回数を減らす機会も奪うことが出来る。
悪い所はピッチ上にスペースが生まれやすくなる。ビルバオ戦では中に入ったメッシをバレンシアガがマークすることで、ビルバオから見たら左サイドに大きなスペースが生まれていた。
ビルバオはマンマークを付けることによって、ボールを持たしても少しでも自由にプレーさせない目的の意味が強かった。足元に入っても前を向かせないように激しくバレンシアガがプレスをかけ、周りの選手がカバーに入り、ドリブルやパスのコースを限定させることでメッシの攻撃を限定しようとした。
個だけでなくチームとしてメッシをサポート
メッシの攻撃力を限定しようとしたビルバオに対してバルセロナは、メッシ1人の個人技に頼るのではなく、ラキティッチとアウベスが連携してメッシを活かそうとした。
ラキティッチはバランスを見ながら空いたスペースに何度も走り込み、メッシのカバーに入る選手との距離を遠ざけていた。アウベスはパスを出したら必ずパス&ムーブで動き出し、メッシのパスコースを常に後ろ以外で確保した。
バルサから見たら右サイドでは3対3や2対2の同数の状況が多く作られた。メッシをサポートする為にも前線ではスアレスがラポルトの裏をしつこく狙い続け、ラポルトにサイドのカバーをさせないことも大きな要因である。
同数でのパスとドリブルの崩しでは、今のアウベスとメッシの連携は相当ハイレベルである。アウベスの動き出しで周りのマークをずらしスペースを作り、空いたスペースをメッシがワンツーやドリブルで侵入する形が何度も実現できていた。
スピード感がある中での正確なプレーが出来る2人だからこそのプレーであり、普通のチームや選手では後ろに戻す機会が多くなるだろう。バルサの左サイドのネイマールでさえ、サイドを崩す回数は限られていた。口で言うのは簡単だが実践できる選手は数少なく、バルセロナのチームとしてメッシのサポートが出来ていた。
メッシを止める対策はプレー関与を下げるしかない
CLの準決勝の対戦相手のバイエルンの監督である、メッシをよく知るペップははっきりと「メッシを止める対策はない」と断言していた。そのペップがバルセロナとメッシを止める為に、前線から激しくプレスをかけメッシへのパスの回数を減らそうとした。ボールの主導権を握ることでもそれを実践しようとした。
結果的には少しフリーでプレーさせた何回かのチャンスを、メッシがゴールしたことで大きく取り上げられなかったが、このメッシにパスの回数を限定させるのが一番の対策になるだろう。
メッシはボールを貰う前の動きでも一流で、足元でもスペースでも動き出すタイミングは抜群にうまい。ボールを後ろ向きで持たしても、1人でマークしているとマークを剥がすステップと切り返しでマークを外してしまう。前向きでプレーさせたら問題外なのは言うまでもない。
囲い込みで数的有利な状況を作るのがベストだが、90分間続けるのは難しく、また最近取り入れられたカウンターでは数的有利を作るのは難しい。守備的にチームの戦い方をすれば数的有利は作りやすいが、何度も攻撃を喰らうとスタミナも奪われ、自分達の得点チャンスも減ることになる。
これらを踏まえれば、やはり前線からの激しいプレスでバルサのビルドアップ時に圧力をかけ、メッシにパスを通させないことが一番メッシを止めるのには良いだろう。
今ではスアレスやネイマールがラインを上げた裏を積極的に狙うのでチームの守備としては怖い部分はあるが、メッシ対策としてはプレー関与を下げるしか方法はないように感じる。
バルセロナの攻撃は良くも悪くもメッシの比重は大きいが、スアレスやネイマールでも得点を奪えるバルセロナの攻撃を止めるのは、今ではとても難しいミッションである。対戦相手はチームとして、どちらかを優先的に止めるしか方法はないかもしれない。
コパ優勝を逃したことでアルゼンチンサポーターから(バルササポの怒りを買うほどに)叩かれているメッシですが、
どうやら好調なメッシを止める方法はマルティーノが監督になることだったようですね・・