17/18CL準々決勝 1st 4/4 バルセロナ対ローマ 試合結果・評価 

時間帯別試合支配率

※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はローマ

・バルセロナ10分、ローマ5分、互角分

ローマはピッチ全体の1/3でボールを奪う積極的なプレスをかけ、残りのエリアでは守備ブロックを形成して守備をしてきた。

最終ラインを高く設定してバルサの中盤に簡単にプレーさせず、このバルサ戦にしっかりと対策を練ってきた様子がうかがえる。

ローマは攻撃でもポジションチェンジでバルサの守備ブロックを崩し、空いたスペースに選手が入り込み、バルサにとって危険なプレーもしっかりとしていた。

前半は大きな見せ場もなく試合は進んだ中、デ・ロッシのオウンゴールでバルサが先制して終えた。

前半は両チームともコンパクトにハーフライン付近で戦い、決定機は多くなかった。

後半はローマのプレスが強まったこともあり、より動く試合となった。

少しオープンな試合展開となり、バルサにもローマにもチャンスが訪れる。

そんな中でローマはまたしてもオウンゴールで失点し、直後にピケにも決められて少し意気消沈。

75分付近からはローマの時間にもなり、ジェコが貴重なアウェイゴールを決めた。

それでも試合終盤にスアレスがゴールを決め、4対1というスコアで試合は終了した。

3点差の勝利という、バルサは準決勝進出の確率は極めて高くなり、バルサはある程度1stレグで勝ち抜けを決めるというミッションをこなした。

 

試合での課題点

・守備ブロックが崩されて危ない危ない!

ローマの流動的なポジションチェンジにバルサの守備ブロックは何度も崩されていた。ローマはバルサのCBとMFの間が空くことを理解して意図的にそのスペースに入り込み、何度かチャンスを作っていた。

そのスペースを埋めるためにCBが前に出ると最終ラインが危なっかしく、もっと強い相手なら多くの失点をしてもおかしくない守備ブロックだった。

ゴール前のシュートブロックで防いでいるものの、守備ブロックできっちり守れているわけではなかった。

 

・ショートコーナーの守備が数的不利で危ない危ない!

守備のショートコーナーのときに、サイドで1対2の数的不利の状況は危険すぎる。

どんな相手でもこの状況になっており、失点はないもののそこから中に切り込まれたり、余裕の状況でクロスをあげられたりと危なっかしい。

現状のパスが出たらスアレスが前に出る対応では完全に遅れている。

 

試合での良好点

・攻守の切り替えが早くプレッシングは良かった

バルサの攻守の切り替えはとても早かった。特に攻撃から守備の切り替えは良く、守備ブロックは崩されていたが動きは良かった。

100%のバルサというわけではなかったが、とても集中して試合に挑んでいたことは、選手たちの攻守の切り替えからみてとれた。

 

・ブスケツ復帰で縦パスが増えてパス回しがスムーズに

ブスケツが復帰して、中盤のパス回しが明らかに良くなった。

ブスケツが狭いスペースに入ってワンタッチパス、ブスケツからの縦パスもあり、狭いエリアでプレー可能なブスケツの存在感は大きかった。

 

監督選手評価・採点

※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。

監督エルネスト・バルベルデ(8)

パウリーニョ起用のCL鉄板メンバーではなく、右SBにセメドを起用してセルジ・ロベルトを中盤に上げるスタメンで挑んだ。

試合内容としては悪くもなく良くもなくといった感じだったが、選手たちの姿勢はとても良かった。

バルベルデ監督は選手のモチベーションのマネージメントが上手い。

結果として4対1という大勝でき、途中投入したデニス・スアレスも得点に絡んだことで高評価に。

 

GKシュテーゲン(7)

一度大きなミスはあったが、それ以外は安定したシュテーゲンだった。あまりセーブする機会はなかったが、ハイボールや飛び出し時のボール処理はしっかりしており、いつも通りの活躍をみせていた。

 

DFセメド(6)

現状のセメドでは少しキツイなというイメージはあるものの、攻撃では何度か光るプレーをみせた。まだ遠慮気味で前が空いてもスピードダウンしてしまうこともあるが、敵陣地深くでは少しずつ崩せるようになってきた。守備では対応が悪いことはあるものの、それなりに守れていた。

 

DFピケ(7)

後半になるとより忙しくなり、ライン間のスペース、最終ラインのコントロール、カバーリングなど意識することが増えた。いつも通りのピケでしっかりと守備で守り、今日は攻撃で得点も決めて攻守に活躍した形となった。

 

DFウムティティ(7)

いつも通りのプレーで、ピケと連携して上手く対応していた。攻撃の組み立てでうまくパスを回し、守備でも悪い対応はなかった。

 

DFアルバ(8)

攻撃時に高い位置に入り込み攻撃参加し、何度かその裏のスペースを取られたがアルバの攻撃参加は良かった。ピッチの横幅を使う時にアルバの存在は必要不可欠で、今日も左のピッチを広く使えた。守備では少し軽いプレーが何回かあったものの、全体的に見ればプレーは良かった。

 

MFセルジ・ロベルト(8)83分OUT

中盤で起用されSHとしては攻撃の迫力は足りないものの、中盤勝負ではセルジ・ロベルトの存在感は大きかった。ハードワークの塊のような選手で、攻守において様々なところでランニングしてからんでいた。右の守備を何度も助けており、地味ながらもとても良かった。

 

MFラキティッチ(8)

中盤でハードワークして、攻撃では攻め上がり高い位置のプレーに絡んだ。守備では広いスペースを守り、ブスケツ不在後はブスケツの役割もこなして上手くプレーしていた。プレーは毎試合安定しており、残り2カ月も多くの試合に出場しそう。

 

MFブスケツ(7)66分OUT

負傷明けの試合ながらチームに大きな影響を与え、特にパス回しでブスケツの存在感は大きかった。今日は無理せず途中でベンチに下がり、次の試合でもよろしくお願いします。ブスケツがいないと今のバルサは本当にキツイという印象が…。

 

MFイニエスタ(8)85分OUT

中盤でボールをキープし、左から何度か仕掛けてチャンスを演出した。スピードはあまりないものの緩急で抜き去るのは相変わらずで凄い。守備でもきれいにボールを奪い返すシーンがあり、またポジショニングが良かった。攻守においてチームの規律を守りながら個性も出しており、賢いプレーの連続だった。

 

FWメッシ(7)

プレーに制限があるようで全力のプレーはほぼなく、トップスピードのプレーは数回にとどまった。それでも中盤でボールを引き出し、チャンスとみればドリブルでローマに恐怖を与えた。シンプルなプレーが多い攻撃の起点となり存在感はあった。

 

FWスアレス(8)★

「CLで得点を1年間決めていない」というデータが出た直後に1ゴール。こういうデータがメディアに出ると、止まるジンクスは起こった。攻守の切り替えが良く、それを最も象徴したのがスアレスだった。どんな試合でもハードワークをしており、今日は最前線でチームのプレスを引っ張ってくれた。今日はプレーの姿勢を評価してMOMに。

 

MFパウリーニョ(6)66分IN

目だったプレーはなかったが、ブスケツを休ませる役割をこなした。何度か攻撃に絡んだが、決定機に絡むことはなかった。

 

MFアンドレ・ゴメス(6)83分IN

チームの駒として動き、あまり目立たずに試合を終えた。まだ緊張して視野が狭いものの、見えていたらよいプレーもみられる。

 

MFデニス・スアレス(7)85分IN

光るテクニックをみせ、1得点に絡む折り返しをした。出場時間は短かったが結果は残し、次のリーガの試合でも出場機会は訪れそう。

 

試合結果

バルセロナ4対ローマ1

得点者

38分オウンゴール

55分オウンゴール

59分ピケ

80分ジェコ[ロ]

87分スアレス

 

最後に一言

1stレグでしっかりと点差をつけての勝利、“あっぱれ”な仕事ぶりでした。

バルサが本命と思われる中、きっちりとホームの試合で結果を残してくれました。

試合内容は改善しないと準決勝はキツイという印象ですが、まずは今日のミッション達成。

この4月の段階でタイトル獲得の可能性が残されており、この状況だけでもバルサファンにとってはありがたい^^

 
 

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