カウンターから失点しないポゼッションサッカーへ

最近のバルセロナの戦い方は、今年に入ってからの一時期のカウンター重視のサッカーからまた変化している。ポゼッションサッカー重視に戻っていると言える。

国王杯やチャンピオンズのホーム&アウェイの試合もあり、失点しないように戦う機会が多くなることで、ポゼッションサッカーが蘇ったのかもしれない。

今回は「今までとは少し違うポゼッションサッカー」についてのテーマです。

失点を防ぐポゼッションサッカー

ペップバルサの時はハーフコートマッチで試合を進める為に、ハイプレスとボールポゼッションで対戦相手を自陣に閉じ込めることに成功した。それはボールを支配し、対戦相手が自分達のゴールから遠い位置でプレーすることによって、失点のリスクを軽減する意味も持たれていた。攻撃面でもセントラルのシャビ、イニエスタとゼロトップ気味のメッシの3人で攻撃をし、積極的に得点を奪いに行く姿勢がチームとして持たれていた。

しかし、現在のバルサのポゼッションサッカーは、失点しないようにボールをキープしている面が大きい。対戦相手にもよるがパスを回す位置は低く、前線の3枚に入った時だけしか攻撃のスイッチは入らない

後方に選手達を配置することが多いエンリケバルサのポゼッションサッカーは、相手のカウンター対策とも言えるかもしれない。最低センターバックとアンカーの3人の残しは昔と変わらず、中盤の選手がすぐに下がってこられるように低い位置でボールを受けることが多い。

その役割をこなしているのが主にイニエスタである。攻撃面での活躍はゴールやアシストの数字的には減ってしまっているが、中盤のパス回しでは低い位置でしっかりバックラインのビルドアップを助けている。

悪いボールロストを減らす役割も持ち、その分中盤が手薄になる為、メッシが中央寄りの中盤の位置でプレーする機会が増えている。メッシの攻撃のバランスを見る目は、昔からとても高いレベルがある。

今のバルサのポゼッションサッカーは、相手を押し込むためと言うよりは、失点せずにパスを回し、前線の3選手に良い形でボールを渡す役割が大きい。

守備に人数をかけ安定感を保ち、攻撃では人数は少ないが南米トリデンテの個人能力を最大限に活かす為に用いられている。極端に言うと、攻撃の3人、守備の7人と言うことが出来るかもしれない。

しかし、現在はエンリケバルサに怪我人もいないこともあり、このバランスがとても上手くいっているのは間違いない。今シーズンの残りはこの戦い方で戦っていくだろうし、この戦い方が一番良い結果を得る選択なのは疑いの余地はない。

 
 

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