《質問》バルセロナが相手を押し込みポゼッションで圧倒するには現在のメンバーでは難しい?
コメント欄に質問があったので回答したいと思います。
『更新おつかれさまです。
メンタル面の問題は非常に大きいですよね。
ただ、監督やコーチに大きな変化がないと改善するのは難しいように思うので、早めに選手たちに十分に通用できる戦術を与えることでメンタル面を担保していってもらいたいところです。
敵陣へ押し込みポゼッションで圧倒するバルセロナを夢見るばかりなのですが、現在のメンバーでは難しいんでしょうか?
アタッキングサードでのプレスの重要性という意味で、意外と前線のメンツが問題だったりするんでしょうか?』
貴重なコメントありがとうございます。コメント欄は記事の下部にあります。
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■ 目次
見解・回答の目次
1、「バルセロナの選手力はSSクラス、ポゼッションサッカーできる選手もいる」
2、「中央とサイドの出し入れができずに狭い横幅で攻撃しているバルセロナは苦戦!」
3、「プレスは前線の選手の問題というより、守備に切り替えて走れるかどうか」
4、「まとめ」
1、バルセロナの選手力はSSクラス、ポゼッションサッカーできる選手もいる
・バルセロナの選手力はSSクラス、補強で解決できる部分は少ないほどに
まずバルセロナの現戦力ですが、選手力だけならSSクラスです。
言うなれば、世界でもトップクラスの陣容なのは間違いありません。
現戦力に疑問を持ち、他のクラブの選手を夢みる必要はないです。
冬や来夏の移籍市場にバルサが獲得を狙っているといわれる選手はいますが、
補強しても選手力はそこまで変化しないでしょう。
選手力は頭打ちと言っていいほど揃っているのであとはどんなサッカーをするのか、
それを選手たちにどれだけ落とし込んで実行できるかにかかっていると思います。
選手力に関しては何年も前からそろっており、
選手の能力でバルサが他のチームより劣っているという心配はいりません。
選手層という部分では劣っている部分はありますが、
スタメンの選手をみたときに劣っているということはないです。
・アルトゥールとデ・ヨング、ポゼッションサッカーできる中盤の選手は獲得した
バルサと言えばポゼッションサッカーになるのは基本間違いないのですが、
バルサは昨夏と今夏にいい補強をしたと評価しています。
特に、アルトゥールとデ・ヨングの2選手の獲得は大きいです。
アルトゥールはボールキープに長けていてパスを回す能力が高く、
バルサにとってはカンテラから出現してほしいタイプの待ち望んでいた選手。
デ・ヨングはピッチのどこでも落ち着いていて状況判断が素晴らしく、
頭が賢いサッカー選手の模範のようで、バルサには欠かせない選手へと成長しました。
この2選手に合わせてブスケツのトライアングルで中盤を構成すれば、
ポゼッションサッカーができない中盤の陣容と考える方が難しいです。
現在のポゼッションサッカーは中盤だけでは難しい状況にはなっていますが、
バルサの他のポジションをみてもポゼッションサッカーは実行できると思います。
2、中央とサイドの出し入れができずに狭い横幅で攻撃しているバルセロナは苦戦!
・右サイドを使えず、攻撃が中央と左サイドだけのバルサの攻撃の横幅は限界がきている!?
バルセロナの選手はそろっているのに、ポゼッションサッカーができない理由は戦い方にあります。
バルサの基本システムの4-1-2-3では右WGに入るメッシですが、
メッシは中央寄りでプレーしているのでバルサの右WGは実質いません。
その右WGの位置にほぼ誰もバルサの選手が入ってこず、
バルサはルイス・エンリケの時代から右の攻撃の手詰まりに悩んできました。
この状況が現在では限界を迎えていると言っていいほど相手にバレています。
対戦相手はバルサの右SBの選手がボールを保持してもそこから縦の攻撃がないことを知っており、
縦のパスコースだけ塞いでしまえばバルサはボールを横か後方に戻すしかありません。
つまり、現在のバルサは中央と左サイドだけでしか攻撃できていません。
ピッチの横幅の66%と言えば大げさすぎますが、
ゴールラインのピッチ幅を分割したら約75%くらいしか活用できていないということです。
右サイドの攻撃は本当に少なく、特に右SBの位置から縦に突破するシーンなんてほぼ記憶がないほどに。
・右に攻撃に絡める選手が必要、もしくはそこに流れる選手が絶対必要!
そこでバルサが右サイドから攻撃をするのに必要なことは、
右サイドに選手を今より1人以上絡めることです。
現在のバルサの右の攻撃は右SB、右CH(インテリオール)の2人がメインです。
メッシは中央に位置していて中央から攻撃をしようとしているので、
右サイドの攻撃に絡むことは多くないです。
シンプルに解決するならメッシの攻撃のスタート位置を右に配置することです。
しかしメッシは中央に入ってくる癖があり、
またメッシの得点能力を考えたら中央でプレーさせるのは悪くない判断だと思います。
右WGにデンベレを入れたら右の攻撃は間違いなくオプションと呼べるほど活性化しますが、
デンベレを右に入れたときの最適な3トップは現状のバルサはみつけられていません。
右WGに選手の配置が難しい3トップにはなりそうなので、
現状のバルサではCFの選手(スアレス)が中央から右サイドに流れてくることがいいです。
スアレスではなくメッシも状況によっては右でプレーすればいいのですが、
どちらか1人は試合の流れによって右で攻撃に絡んでほしいところです。
右の攻撃を活性化させるには現状のバルサの陣容から
右SBと右CHの2人だけで解決するとは思えません。
となればもう1人右サイドの攻撃に絡む必要があり、
始めから配置するのか、試合の中で誰かが流れてくるしかありません。
・スアレスとグリーズマンの2トップで片方のFWがサイドの攻撃に絡むことを予想(希望)していたが…
今シーズンの公式戦がスタートする前にグリーズマンが加入し、
MSG(メッシ、スアレス、グリーズマン)の3トップを
バルベルデ監督が多用するという予想を多くのバルサファンがしたと思います。
バルベルデ監督はグリーズマンの得点やラストパスの能力を考え、
グリーズマンを中央付近に配置しようとし、
最終的にメッシがトップ下で2トップ気味にスアレスとグリーズマンになると予想していました。
このスアレスとグリーズマンの2トップ気味なら左右の幅は使いにくいですが、
中央の攻撃力は抜群でなおかつ、3選手の能力も連携さえとれれば発揮できます。
そこで問題になってくるのがサイドの攻撃の崩しになるだろうと予想もしていました。
攻撃時に両SBを常にサイドの高い位置まで攻撃参加させ、
後方が手薄になる部分は中盤の3人がバランスをとれば大丈夫なはずです。
イメージ的にはルイス・エンリケの1年目のシーズン序盤のバルセロナ(スアレスがプレー可能になる前)で、
攻撃時のバルサは2-3-3-2のような陣形です。
CBの2人、中盤の3人、メッシと両SBの3人、2トップの2人という並びです。
2トップのFWはPAの外のエリアではプレーさせず、基本的にPAの横幅内でプレーさせます。
サイドの攻撃は両SBの選手、同サイドのインテリオール、同サイドのFWが絡むことで3人を達成。
そこにメッシが自由にポジションを動けば4人の攻撃もできながら、
逆サイドの大外へのサイドチェンジのパスも可能な陣形にもなります。
この陣形なら両サイドの攻撃が可能ながらMSGの3トップもいかせ、
後方のスペースもCBの2人と中盤の2人の4人で対応できると予想していました。
しかしバルベルデ監督はこのような陣形と戦い方をしてきませんでした。
バルベルデ監督の頭の中にはほかの考えがあるのでしょう。
シーズンを通してMSGを起用していくなら、
この陣形と戦い方は一度は試すと予想していましたがしないようですね。
この陣形と戦い方で連携を高めていけば今シーズンはいけると思っていたので、
予想が大きく外れました。
そして、実は今でもこの陣形と戦い方がベストだと思っています。
ボスであるバルベルデ監督の陣形や戦い方を最大限尊重していますが、
上手くいっていない現状なら何かを大きく変える決断が必要な気がします。
3、プレスは前線の選手の問題というより、守備に切り替えて走れるかどうか
・プレスにおいて前線の選手はファーストディフェンダーで重要な存在
最後はプレスについてで、前線の選手が問題なのかということについてです。
プレスをかけるならアタッキングサードやハーフライン付近のエリアというのは
あまり関係ないと考えています。
ハーフライン付近になると守備ブロックを構成してプレスを弱めるということはありますが、
プレスをかけるのであればアタッキングサードでもハーフライン付近でもやることはほぼ変わりません。
プレスにおいて前線の選手は、間違いなくファーストディフェンダーと呼べる存在です。
ビルドアップ時に最後尾のGKから始まっていることを考えるように、
プレス時には前線の選手から考えることが必要です。
そういう意味で、プレスに前線の選手は重要な存在なのは間違いありません。
バルサのプレスがうまくいっていないのなら、
前線の選手のチームへの貢献度を疑うことは理にかなっています。
・プレスは「走ることが70%、ポジショニングが30%」
プレスについてですが、プレスは走ることが70%、残り30%はポジショニング(パスコースの切り方含む)と考えています。
要はプレスをかけれているかどうかは、
守備になったときに選手が走って守備をしているかをみています。
そういう意味でプレスをかけるのに特定の選手が問題というより、
チーム全体が走っているかどうかが重要です。
現在のバルサの前線をみたらメッシはあまり走りませんが、
スアレスとグリーズマンは走って守備をしていると思います。
プレスのファーストディフェンダーは基本的に前線の選手ですが、
プレスをかけるにはフィールドプレーヤー10人の連動が必要です。
つまりバルサのプレスがかかっていない問題は、
10人が連動してプレスをかけれていないことです。
それに加えて現状のバルサのプレスには、
プレスの走るという部分ではスピードと激しさが足りませんし、
ポジショングという部分ではパスコースの切り方から動きが連動できていません。
確かに走っていないという部分でメッシは他の選手よりもプレス面で悪く、
チームへの貢献度が低いのは確かです。
しかしメッシも走るときは気合いをみせて走りますし、
プレスがかからない原因を前線の選手だけの責任にするのはどうかと思います。
現状のバルサのプレスがかからないことは前線のメンツというよりも、
チームが連動してプレスをかけれていないポジショニング面、
そして守備になったときに体が素早く動いていないという走れていない面の両面が原因とみています。
直近のリーガのセルタ戦ではプレスは少し改善されていましたし、
バルサがセルタを押し込んで試合を進める時間帯もありました。
チームは少し改善した姿をみせてくれ、代表ウイーク後のバルサには期待しています。
4、まとめ
バルセロナには実力ある選手が揃っており、ポゼッションサッカーできる選手も揃っています。
相手を押し込むためには右サイドの攻撃を活性化させる必要があり、
右の攻撃に絡む選手を2人から3人に増やす策が待ち望まれます。
プレスがうまくかかっていないのは前線の選手の責任というより、チーム全体の責任。
新任のセティエン監督に対してはポジティブな印象を抱いていますが、
やはり監督交代が遅すぎたように思いますね。
これでフロントがベテラン選手を追い出していたら今季は完全にアウトだったと思います。
それからジダン監督はロナウドがいなくなっても名将でした。
「レト」さん、いつもコメントありがとうございます。
セティエン監督にはバケンジもポジティブな印象ですよ。
フロントによる監督交代は遅すぎました。
遅くても11月には判断すべきで、
12月に入ったのなら今シーズンはバルベルデ監督と心中で良かったと思います。
ジダン監督が名将かはまだ判断するには早い気がしますが、
選手の求心力というカリスマ性を持っている監督だとは思います。
ジダン監督の選手時代を知っていれば、
逆らおうと思う選手はほとんどいないでしょうし^^
またのコメントお待ちしております。
これからもよろしくお願いします。
あえてそういう戦術の落としこみ方をしていないんですね。バルベルデ監督の頭の中が覗けられればその理由もわかるんですが笑。
そして、プレスの問題点はチーム全体にあったんですね。ネガティブトランジションの局面はポジティブに捉えれば、まだまだ改善の余地があると思うので、これからのチームの成長に期待したいですね!
「ムックル」さん、コメントありがとうございます。
バルベルデ監督の頭の中は分かりませんが、
攻撃をしながらも守備のバランスを強く気にしているように思います。
プレスはチーム全体の問題で、現状はかけ方やボールの取りどころも不明な部分が多いです。
直近のセルタ戦は高い位置でボールを奪い返す意図がこれまで以上にみえ、
ここからのチームの成長に期待していいと思います。
バルベルデ監督は優秀な監督ではあるので、
チームのバランスを見つけながらバルサらしい攻撃的なサッカーをしてくれればうれしいですね。
またのコメントお待ちしております。
これからもよろしくお願いします
素人の考えかもしれませんが、メッシが中央に寄って右が手薄になるのなら、最初からメッシを中央に置いて右にウィングの選手を置けばバランスよくなるのではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
質問として記事にしましたので、ご確認ください。
メッシ中央の3トップで良い攻撃をするには、
両ウイングに裏を狙う選手が必要だと考えています。
現状のバルサでは裏を狙う選手のタイプはおらず、
実現させるにはグリーズマンの成長など課題が多いです。
メッシ中央の方が攻守のバランスは良くなるとは思いますが、
バランスは良くなったとしても攻撃面で苦労すると予想しています。
実際やってみると違うのかもしれませんが、
頭の中の想定では今シーズン内でメッシ中央の3トップを形にするのは
難しいという印象を受けます。
またのコメントお待ちしております。
これからもよろしくお願いします