《質問》バルセロナがアウェイで勝てない(苦戦している)理由は?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

『またバルサはアウェイで勝てませんでしたね。ホームでは強いんですがアウェイだとまったく別チームになり、見てられない試合が多いです。(特にグラナダ戦)

そこで質問なのですが、バケンジさんはバルサがアウェイで勝てないのはどういったことが原因だと思いますか?

また現在不調のバルサはどうすれば改善すると思いますか?

もちろんメッシら攻撃陣が負傷離脱して連携不足なことや、コパアメリカで一部選手の合流が遅れたこと、新加入選手の適応不足、ネイマール騒動による一部選手のモチベーションへの影響などいろいろ酌量の余地がある要素はあります。

ただリーグワーストタイの失点数やバルベルデ監督のスターティングメンバーの選考が悪くて前半を無駄に費やしていることも不調の一因なのではないかと個人的には思います。』

 

少し前に質問を受けていたのですが、現状でもバルサはアウェイで苦しんでいるので

現状(11月)の考察から書いていきます。

 

貴重なコメントありがとうございます。コメント欄は記事の下部にあります。

質問・疑問点だけでなく、思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。

 

見解・回答の目次

1、「バルベルデ監督の采配からなにも伝わってこない今シーズン」

2、「アウェイになると攻撃性が失われ臆病になるバルサの選手たち」

3、「攻守のキーマンであるブスケツ不在もアウェイで苦戦している理由のひとつ」

4、「まとめ」

 

1、バルベルデ監督の采配からなにも伝わってこない今シーズン

・バルベルデ監督は「ポゼッションサッカー」か「勝利に徹するサッカー」で揺れ動いている!

まず焦点の対象をボスである監督に向けて考えていきます。

サッカーの試合内容が悪い原因は、バルベルデ監督にもあります。

 

現状のバルサのアウェイでの問題は、

バルサをどういうチームにするのかという根本的な話だと思っています。

 

バルベルデ監督が「ポゼッションサッカー」をしたいのか、

これまでの2シーズンのような「勝利に徹するサッカー」をしたのか、

試合をみていて全く伝わってきません。

 

現状のバルサをこういうチームにしたいというビジョンを持っているのならいいのですが、

現状ではただただ戦っているだけのようにしかみえないのが実情です。

 

バルサファンはバルサの理想的な「ポゼッションサッカー」を望んでいますが、

現状のバルベルデ監督の戦い方では解決策は出ていないように見えます。

逆の現実的な「勝利に徹するサッカー」はこれまでの2シーズン戦ってきたので、

新加入選手をフィットさせるだけでチームは上昇気流にのるように見えます。

 

シーズン序盤は「ポゼッションサッカー」をしていると思っていましたが、

9月後半くらいから徐々にどんなサッカーをしたいか分からない状況です。

 

バルベルデ監督の問題点として、

バルサをどのようなチームにするかという明確なビジョンを持っていないことが挙げられます。

 

 

・世代交代(若手選手の起用)で勝利に苦しんでいるバルベルデ監督

バルベルデ監督の選手采配では、バルサの世代交代に苦しんでいるという印象を受けます。

これはルイス・エンリケ監督の時代から、

若い選手が定着していないことのツケが今になってまわってきています。

 

世代交代(若手選手の起用)が必要な時期に入りかかっているバルサだけに、

まだ実力がない選手を起用しているバルベルデ監督は苦労するでしょう。

 

チームにフィットするのが早かったデ・ヨングですが、

9月の時はチームへの貢献が少ないながらも我慢して起用していたと思います。

 

若手選手の成長はどう考えても数年単位で考えるものなので、

我慢して起用する時期がきているのかなとは思います。

 

チームの勝利だけを考えれば、どう考えてもラキティッチを起用するのが間違いない判断です。

バルベルデ監督自身のやりたいサッカーを理解しており、

サッカーIQも高いラキティッチをあまり起用していないのは

バルベルデ監督が世代交代を意識しているからでしょう。

 

 

・戦術面の話以前の問題で、どんなサッカーで勝利するか腹をくくらないといけない11月に突入!

ここまでバルベルデ監督の問題を挙げてみたのですが、

まず改善するにはバルベルデ監督がどんなサッカーをするのか腹をくくる必要があります。

 

チームのやりたいサッカーのビジョンがなければ、どこを改善するという話にもなりません。

11月ならチームの戦い方が固まって成熟させなければいけない時期なのですが、

今シーズンのバルサは11月からもう一度スタートという状態になりそうです。

 

救いなのはバルベルデ監督は3年目のシーズンなので、

選手たちが監督の求めるものをある程度理解していることです。

以前の現実的な「勝利に徹するサッカー(攻守のバランスを重視したサッカー)」なら、

ここからでも勝利していけるチームにすることは十分可能だと思います。

 

理想的な「ポゼッションサッカー」もここから不可能だとは思いませんが、

まずバルベルデ監督だけでなくチーム全体が腹をくくらないと絶対にできません。

 

そして、「ポゼッションサッカー」をするには現状のメンツでは難しいという

戦術面の問題もあるのですが、

その話は長くなるのでまた今度説明したいと思います。

 

 

2、アウェイになると攻撃性が失われ臆病になるバルサの選手たち

・アウェイになると1点リードの状況ですぐに得点を狙う姿勢が失われる選手たち

次の焦点をバルサの選手たちに当ててみます。

ホームではそれなりの内容で大量得点で勝利を収めているバルサが、

アウェイで苦戦しているのは確かに理解しがたいものがありますね。

 

その一つの要因として、選手たちのメンタルの問題は大きいと思っています。

バルベルデ監督からの指示が明確ではなくピッチ上で迷いがある状況かもしれませんが、

それ以前に、バルサの選手たちから得点を狙うという姿勢が少ないように感じます。

 

特にアウェイで1点リードの状況になると顕著になり、

1点決めさえすればそのままただ時間が過ぎて勝利できると思っているのか、

突如に得点を狙う姿勢が失われているようにみえます。

 

アウェイの試合の場合は試合開始直後から得点を狙う姿勢が少ないというのもあり、

バルサがアウェイで苦戦している理由の一つだと思います。

 

以前にバルサの選手たちが攻撃性をなくしたらどんな状況になるかはまとめているので、

興味がある場合は、この下の記事を読んでみてください。

攻撃性のないバルセロナは怖さゼロ、時間の無駄!

 

 

・後半になると集中力が欠如するのではなく、前半から集中力の欠如と勝利への欲が感じられない選手たち

次もメンタル的な話になりますが、どう考えても集中力の欠如が挙げられます。

 

バルベルデ監督はメディアの前では選手たちの試合における姿勢を

問題視していない発言をしています。

しかし、試合をみていれば選手たちの集中力の欠如は確実に感じているはずです。

 

直近のアウェイの試合のステビア・プラハ戦とレバンテ戦の出来から

後半の入りが悪いともいわれていますが、そもそも前半から試合の入りが悪い。

 

得点を狙う姿勢も低く、集中力も欠如しているのなら苦戦して勝つのが難しいのは必然です。

戦術面から言うとアウェイの試合では対戦相手が

より高い位置からプレッシングをかけてくることによりバルサは苦戦しているのは大きな理由ですが、

戦術面を語る前に“闘う姿勢”が不足しているというメンタル面が大きな問題点です。

 

 

・子供ではないバルサのトップチームの選手たちは自ら集中力を保たないと…

選手のメンタル面の改善で言われる一つとして、監督のモチベーターとしての力量が挙げられます。

試合前の監督の言葉、練習中の監督の言動は選手のモチベーションに影響します。

しかし、バルサの選手たちなら自ら集中力をある程度のレベルまで高めないと…

 

外野のファンが監督のモチベーターとしての力量を語るのは自由ですが、

実際は選手たち自身にかかっている割合は大きいはずです。

 

厳しい言い方をすると、子供ではないのだから自分で対処しないといけません。

選手たちがピッチ外のことで集中力を保てないのなら回りのサポートが必要ですし、

ピッチ上で迷いがあり集中できないのなら監督が進むべき道を明確にする必要があります。

 

集中力と言っても様々なことが影響するのでこれを改善すればいいというものではないでしょうが、

集中力を欠如しながら勝利できるほどリーガの対戦相手は甘くないですよ。

 

 

3、攻守のキーマンであるブスケツ不在もアウェイで苦戦している理由のひとつ

・今シーズン出来が悪いと言われているブスケツ、体力面以外落ちたところは感じない

最後は選手たちから具体的な選手に焦点をあててみます。

アウェイで勝てない理由の一つとして、ブスケツのスタメン不在は大きいと思っています。

 

今シーズンのブスケツはパフォーマンスが落ちたと、ちまたでは言われているようですが、

バケンジはこれまでのブスケツとほぼ変わらないとみています。

パスミスは以前からちょこちょこしており、今シーズンに限ってのことではないです。

 

的確なポジショニングや試合の流れを読む力は他の選手と比べると段違いですし、

ブスケツのパフォーマンスが悪いと、どこかのメディアが書くまで思いましなかったです。

 

ただ、スタミナという体力面では少し落ちているのかもしれないとは感じています。

今シーズンは途中でベンチに下がる機会が多いブスケツですが、

ベンチに下がるアップにされたブスケツの顔や息づかいや汗の量をみると、

やたら疲れているという印象を受けます。

 

今シーズンは幅広くカバーしてくれていたラキティッチ不在や、

中盤にスペースが生まれる状況が多いだけにブスケツのカバーする範囲が広くなっており、

それにブスケツが走らされているのでそれが原因かもしれませんが。

 

 

・守備面で苦労するアウェイの試合でブスケツを外すのは、片手のガードを下げているに等しい現状

ブスケツ不在がチームにどう影響を及ぼすかというと、

顕著にチームは守備力がダウンしているように見受けられます。

 

ブスケツは的確なポジショニングでチームの守備力アップ、

そしてなによりもネガティブトランジション(攻撃から守備への切り替え)の時に、

ブスケツが対戦相手の攻撃の芽をつむことは多々あります。

 

この2つの守備の面でブスケツ不在を強く感じます。

攻撃面でもブスケツがいるといないとでは違いますが、

攻撃面よりも守備面の方が影響力は大きいようにみえます。

 

少し大げさになりますが、

ボクシングで例えると片手のガードを下げて戦っている印象です。

 

ブスケツ不在だと対戦相手が攻撃するとダメージを受けやすいのが現状で、

バルサがアウェイで苦戦しているのは守備面の低下が理由です。

 

最近はいろいろなメディアでもブスケツのスタメン不在時の話をしていますが、

ホームの試合よりも苦しむであろうアウェイの試合で

ブスケツのスタメン不在はチーム力に大きな影響をもたらしています。

 

 

・休ませるならホームカンプノウの試合で行い、アウェイの試合では必ずスタメン起用させるべきブスケツ

ブスケツを休ませるのには賛成です。

ブスケツももう31歳ですし、適度に休みを入れないと体力的にきついでしょう。

 

しかし、休ませるのならホームカンプノウの試合にすべきで、

アウェイの試合では現状では必ずスタメン起用すべきです。

 

ホームでもアウェイの試合でも余裕のスコアになれば

ブスケツをベンチに下げることは可能なので、

試合途中にベンチに下げることでも出場時間をコントロールするのもいいと思います。

 

現状ではアウェイで負けた3試合でブスケツのスタメン不在という結論が出ており、

この現状を無視すべきではないでしょう。

なんだかんだ言って、ブスケツがチームの攻守のキーマンであることは変わっていないですね。

 

 

4、まとめ

バルサがアウェイで苦戦している理由と改善として大きく3つを挙げました。

一つ目は、バルベルデ監督がどんな戦い方をするか迷っており明確なビジョンがなく、

改善としてはバルベルデ監督はどんな戦い方をするか腹をくくらないといけません。

 

二つ目は、選手たちの攻撃性の低下と集中力の欠如というメンタルの問題で、

改善としては選手たち自身でもう一度気を引き締めることと、周りのサポートも必要です。

 

三つめは、ブスケツのスタメン不在による守備力低下に陥り、

改善としてはチーム力アップのためにもブスケツをスタメン起用することです。

 

今回はチームの戦術面を全く取り上げませんでしたが、

現状のバルサはそれ以前の問題が多くあるように感じています。

ここからバルサの復活は十分考えられることなので、ここから再スタートの気持ちで応援していきましょう。

 
 

2 Responses to “《質問》バルセロナがアウェイで勝てない(苦戦している)理由は?”

  1. ムックル より:

    更新おつかれさまです。

    メンタル面の問題は非常に大きいですよね。ただ、監督やコーチに大きな変化がないと改善するのは難しいように思うので、早めに選手たちに十分に通用できる戦術を与えることでメンタル面を担保していってもらいたいところです。

    敵陣へ押し込みポゼッションで圧倒するバルセロナを夢見るばかりなのですが、現在のメンバーでは難しいんでしょうか? アタッキングサードでのプレスの重要性という意味で、意外と前線のメンツが問題だったりするんでしょうか?

    • バケンジ より:

      「ムックル」さん、コメントありがとうございます。
      質問のほう回答させていただきました。

      バルセロナの現在のメンバーでもポゼッションサッカーは十分できると考えています。
      近年獲得したアルトゥールとデ・ヨングの存在が大きいですね。

      プレスはチーム全員で行うものなので、前線のメンツが問題とは考えていません。
      チーム全体の連動性、そしてプレスになった時の反応が遅く走れていないことが原因とみています。

      またのコメントお待ちしております。
      これからもよろしくお願いします

コメントを残す

このページの先頭へ