ライカールトバルサ、ペップバルサ、エンリケバルサの3つの戦い方で後半戦に期待

昨日はリーグ戦の折り返しとなるデポルティーボ戦を4対0と快勝したわけだが、ルイス・エンリケになってからいつも以上にアウェイの試合で、苦労している感があるバルセロナはなぜ快勝できたのだろうか。

また、直近の3試合のチームの出来は大変素晴らしく、文句のつけようはない。急上昇中のバルセロナである。

今回はリーグ18節のアトレティコ戦から戦い方を少しずつ変化させているバルセロナの戦い方についてのテーマです。

ライカールトバルサ(両ウイング中心の攻撃)

アトレティコ戦から振り返るとあの時の戦い方はライカールト時代のバルセロナの戦い方に似ていた。

両ウイングのFWが高いサイドラインでボールをもらい、そこを起点として攻撃する形のバルセロナである。ライカールト時代ではロナウジーニョやメッシがその選手になる。

確かにデコ、シャビ、まだ控えのイニエスタなどのテクニックのある選手が試合をコントロールしていたが、攻撃の中心としては前線の選手が重要な存在であった。

そこにサイドバックの選手が積極的にオーバーラップしてきてサイドで主導権を握るのに成功していた。当時ではベレッチ、ジオ・ファンブロンクホルストがその選手にあたる。

話をアトレティコ戦に戻し、両サイドに広く張ったメッシー、ネイマールに対してアトレティコは守備の組織を横に広げられてしまい、中盤でのプレスも効果が弱くなった。

このライカールトバルサの戦い方の最大のメリットは、両ウイングのFWの個人能力を最大限に活かすためのものである。その為、サイドチェンジからの逆サイドのFWの選手が一気にスピードアップさせて攻撃をする。

相手からしたら数的有利の状況ではなく、同数のディフェンスで守る必要な状況が多くなり、ある程度個人で守れる選手がいないと一気にゴール前まで侵入される。

ペップバルサ(中盤の2選手が試合を全てコントロール)

国王杯のセカンドレグのエルチェ戦でのバルサの戦い方はペップバルサの戦い方に似ていた。

中盤のセンターミッドフィルダーの2人が数多くのボールを受け、そこから攻撃を加速させるか減速させるかを判断し、チームの攻撃の舵を取る戦い方である。ペップ時代ではシャビ、イニエスタがその選手になる。

この中盤の2選手に絡みながら、メッシが相手のゴールに向かって良い形でボールを受けることが最大の強みであった。

話をエルチェ戦に戻し、この試合ではラフィーニャ、セルジ・ロベルトの2選手が完全に試合をコントロールした。また、個人の突破から攻撃スピードを上げたりとチーム全体の速攻と遅攻を上手く使い分けた。

この戦い方の特性なのか、ゴール前にフリーランニングで入ってくることは少ないが、ワンツーなどで相手のペナルティーエリアへの侵入は結構ある。

このペップバルサの戦い方の最大のメリットは、相手からボール保持時間を奪い、自分達のボール保持時間を高めることである。また、取られてからの前線からのプレスによって相手の陣地で試合を進めることに長けている。

簡単に言うと、相手を亀のように守らせることが出来、相手の攻撃の機会を奪いながらずっとチャンスをうかがいながら試合を進めれることである。

エンリケバルサ(守備での最高の安定)

デポル戦でのバルサの戦い方は、シーズン開幕時に良く採用されていたエンリケバルサの戦い方である。

中盤の3選手が横長に距離を取ってポジショニングをし、サイドバックの2選手がその選手達を追い越してサイドラインでポジショニングをすることで、サイドから逆サイドへのボール回しを簡単にする方法である。

その中で前線の3選手がある程度の自由を持ちながら動き、良い形でボールを受けさせるのが最大の目的である。

この戦い方は前線の3選手が前線で自由に動ける分、攻撃の厚みが薄くなる傾向があった。それ解決するために必要なことは、後ろの選手の飛び出しであったが、デポル戦では良く出来ていた。

また、裏を狙う動きを取り入れることで最終ラインが下がり、前線の3選手がボールを受けるスペースを作ることも課題であったが、それもデポル戦では改善されていた。

このエンリケバルサの最大のメリットは、攻撃というよりも守備での安定性にある。守備ではセンターバックの前に常時2枚以上の選手が位置し、相手の前線へのボールに対して挟み込みがスムーズに行われる。

また、スペースを埋めることでセカンドボールも数多く拾うことにも成功している。ボールを取る位置が少し低くなるが、相手のカウンター対策にはよく対応できている。開幕からの8試合連続無失点が証拠である。

攻撃では前線の3選手の個人能力頼みではあるが、今のチームの攻撃を前線の3選手にかけてみるだけの価値は十分にある。前線の3選手に怪我人が出た時が最大の不安な点ではあるが。

3パターンの戦い方を持ったエンリケバルサはここから巻き返す!!!

シーズン前半の28試合を全て違うイレブンを先発起用してきたルイス・エンリケだったが、デポル戦の29試合目で27試合目のアトレティコ戦と同じメンバーを送り出した。

これまでは戦い方や選手を見る目的もあり、後半戦はローテーションはするが、機会は少なくなるだろう。中心として出場する選手は同じメンバーの構成となった11人である。

GKブラボ

DFアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ

MFブスケッツ、ラキティッチ、イニエスタ

FWメッシー、スアレス、ネイマール

基本的な戦い方はエンリケバルサであるが、状況ではライカールトバルサやシャビ投入によるペップバルサも可能になる。

相手の出方や戦い方で戦う方法を変化させるだろう。チャンピオンズ最終節のパリ戦で見せた3-4-3も奇襲としては使えそうだ。

ルイス・エンリケと選手達の間のわだかまりも話し合いで解決したのか、チームが同じ行く先を見ているバルセロナは後半戦に大きく巻き返すことになる。

コンディションやモチベーションも上がっており、3冠とは言えなくても2冠は現実問題可能なミッションになってきている。

エンリケバルサに幸多くあれ( `ー´)ノ

 
 

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