17/18CL準々決勝 2nd 4/10 ローマ対バルセロナ 試合結果・評価
■ 目次
時間帯別試合支配率
※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はローマ
・バルセロナ0分、ローマ5分、互角85分
前半からローマは前がかりでプレッシングを仕掛けてきた。
対するバルサはビルドアップで苦労し、パスカットやセカンドボールを拾われたりと思うように試合を進めれなかった。
ジェコに試合の流れとは無関係にロングボール一本で失点し、試合もうまく進めれない45分間はひたすら続いて前半は終了した。
後半になるとローマはさらに攻勢を増し前からのプレッシングを強化し、大逆転を諦めずに戦ってきた。
バルサは後半になると少しペースが落ち、試合をコントロールできずにズルズル進めてしまった。
ジェコを抑えきれないバルサは、またしてもジェコを起点にPKから失点し追い込まれた状況に。
それでもバルサの選手たちはペースを上げずにズルズル悪い試合を継続し、試合をほぼローマペースで進めてしまった。
最後はCKからマノラスに頭で決められ、バルサの今シーズンのCLは終戦。
1stレグの3点リードで選手にもファンにも過信があり、そこをローマに突かれてバルサはあっさりとベスト8で敗退してしまった。
試合での課題点
・抑えきれないジェコに対して無策で挑み過ぎた
1stレグからジェコに好き放題やられ、この2ndレグでもジェコにやられ放題。CB2枚で対処する、ブスケツが近い距離間で対処するなど策はあったように思うが、いつもの戦いをして抑えきれなかった。前半からジェコのポストプレーや飛び出しが怖かっただけに、90分間なにも対処しなかったのはあまりにも情けなかった。
・ピッチ上の選手たちの意識がバラバラでバランスを崩した
今日の1失点目から最終ラインのピケは、ローマの裏へのボールを警戒してラインを少し下げていた。後半になり1点差まで追いつかると最終ラインは守りに入ってラインを下げていたが、前線の選手は前からプレッシングをかけにいき完全にチームのバランスは崩れた。キャンプテンが中心となってどんな戦いにするかチームに浸透できず、中盤にスペースを作りコンパクトさが売りだったバルベルデバルサは崩壊した。
・「まぁ大丈夫だろう!?」という自信過剰が敗退した最大の原因
今日の最大の敗因は戦術面よりも「自信過剰」しかないように感じた。選手もファンも「まぁ大丈夫だろう!?」という甘い気持ちでこの試合に挑んでしまい、恐らく100%に近いローマに大逆転を許してしまった。リーグ戦の38試合連続無敗記録などで天狗になってしまい、この試合に対してバルサ側が100%の集中力で挑めなかったことが一番の課題となってしまった。改めて「目の前の1試合に集中」という原点に戻る必要がありそうだ。
試合での良好点
・チームとしてうまく機能していないが、闘っていた選手は闘っていた
チームとしてはうまく機能していなかったが、90分間全力プレーで闘っていた選手は確かにいた。チームのバランスが失われてパフォーマンスは低かったが、そういう選手たちは一定の評価をすべき。チームとして起きた問題を誰もが見て見ぬふりをしてしまい、試合のは入りが良かった選手はいた。
監督選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。
監督エルネスト・バルベルデ(4)
スタメンにセメドを起用してパウリーニョを外してローマ戦に挑んだが、結果的にうまくいかなかった。
得点を奪わないでOKの試合で、今日も低調なパフォーマンスの試合を演じてしまい、選手のモチベーションアップという面で失敗した。
直前の試合で後半のペースダウンに対して怒っていただけに、修正をかけれなかったのが残念。
逆転されてから慌てて攻撃の選手を投入したが、85分近く低調なパフォーマンスをしたチームに神様は微笑んではくれなかった。
チームを修正することができず、チームをまとめることにも失敗し、今日は全てにおいてうまくいかなかった日となってしまった。
GKシュテーゲン(5)
セービングでは良いセーブをみせたが、パスのつなぎではローマのプレッシャーの前にボールを何度も失った。状況判断は正しいものの、キックの精度が足りずにボールをつなげれなかった。
DFセメド(5)85分OUT
パフォーマンスが低調というよりも「実力不足」の一言に尽きた。1stレグの試合からセメドがCLベスト8のレベルでは実力が足りないことは判明していた。スタメン起用されたが、やはりというパフォーマンスに終わった。セットプレーのマークなど細かいミスは何度もあったが、シンプルに実力不足なのでセメドを責める気にはならない。
DFピケ(5)
最終ラインのコントロールに失敗し、ジェコにも好き放題やられてしまった。裏でも足元でもジェコに歯が立たず、最後の手段はラインを下げて対処した。結果的に中盤にスペースを生み出してチームが悪い方向に向かってしまい、DFリーダーとしてラインコントロールに失敗した。
DFウムティティ(5)
良い対応、悪い対応があり、評価は難しいがあまりパフォーマンスは高くなかった。ピケとの連携が本当にとれているのか心配なほどCBの対応が悪く、その責任はウムティティにもあった。1失点目はウムティティなら対処できたようにも感じ、最近は集中力不足のシーンがちらほらみられる。
DFアルバ(5)
中盤でボールをキープできないことで攻撃参加に出れず、攻撃ではアルバの出番はなかった。縦パスがよく引っかかっており、ここは改善が必要そうだ。守備ではフィジカルの違う相手に寄せてうまく対処していたが、左サイドを何度か簡単に突破を許していた。全体的に見たらあまりよくないアルバ。
MFセルジ・ロベルト(6)
前半からよくチームのために走り、前にも後ろにも顔を出してプレーに絡もうとしていた。決定的なプレーはできなかったものの、チームへの献身性は光っていた。中盤にスペースがありいつもより消耗する試合で、いつもより疲れる試合になっただろう。
MFラキティッチ(5)
中盤で前にプレッシャーをかけるも、その横にパスを通されて中盤突破を許した。ブスケツが前に出たときもその裏を取られるシーンがあり、ここはいつも通りだったが中盤を支配される一つの要因となった。セカンドボールを拾えないほど中盤にはスペースがあり大変で、ハードワークはしていたが、プレーは空回りしていたといって良いほどうまくいかなかった。
MFブスケツ(5)87分OUT
チームのキャプテンの1人として、チーム状況が悪いときに対処しなければいけなかった。ピケやイニエスタと話してチームを修正することができず、個人で対処しようとして苦しんだ。ブスケツのプレーやポジショニングがバルサでは重要な意味があるだけに、その自覚をもってプレーする必要があった。
MFイニエスタ(6)81分OUT
悪いボールロストもあったが、全体的にはいつも通りのイニエスタ。中央に絞ってポジショニングも悪くなく、同サイドの守備では苦しんだが攻撃では高いキープ力でチームに貢献した。おそらく最後のCLとなり、こんな形での敗退はただただ悔やまれる。
FWメッシ(5)
全体的に動かないメッシで、中盤で無理してでもボールを引き出してほしかった。何度か攻撃の起点になったものの、ほとんどチャンスメイクできずに終わった。攻撃で活躍できないと低評価になるのは仕方なく、ラスト5分といくつかのプレー以外はメッシが脅威な存在ではなかった。
FWスアレス(6)
ハードワークの塊で常に攻撃的な姿勢を崩さなかったが、結果的にその姿勢がチームのバランスを崩す要因となってしまった。雑なプレーがありながらも最前線で闘っており、気持ちの面ではいつもと変わらなかった。ローマのDFと数的不利でマッチメイクする状況が多く、サイドに流れたり裏に飛び出して打開しようとしていたが不発に終わった。
MFアンドレ・ゴメス(6)81分IN
守備固めと高さをかわれて投入されたが、チームはすぐ逆転されてアンドレの途中投入自体ほぼ意味がなかった。プレーに絡めば悪くはなかったが、出場時間が短いこともあり評価は難しいことに。
FWデンベレ(6)85分IN
ほんの少しの出場時間でインパクトは残せず、活躍できなかったのも仕方がなかった。ただCLベスト8を体感できたことが唯一ポジティブなものとなった。
FWパコ・アルカセル(6)87分IN
採点不可能で、ボールに絡むことはおろかプレーに絡む機会は少なかった。
試合結果
ローマ0対バルセロナ3
得点者
6分ジェコ[ロ]
58分デ・ロッシ[ロ]
82分マノラス[ロ]
最後に一言
昨シーズンにパリ相手に神頼みの大逆転での突破をしていただけに、その反動がきたとも思える敗退となってしまった。
チームに課題点は多くあり、それを修正できなかったことが敗退の原因の一つであったことは確かで、それが悔やまれる。
さらにチームが100%の力を出してでも敗退したなら納得がいくものの、ほとんど力を出し切らずの敗退は何とも言えない敗退劇。
結果は結果としてCL敗退は決まり、落ち込んでても仕方がないので切り替えが必要です。
リーグチャンピオンになればシーズンは成功で、国王杯も優勝して2冠ならバルベルデバルサが1年目と考えたら上出来の結果。
数日間この敗退を引きずっても、週末のリーグ戦までには気持ちを切り替えておきましょう!
タグ:チャンピオンズリーグ, ローマ, 試合結果, 試合評価
今季のバルサはベスト8相応のチームだと思っていましたが、
こんな最悪の形で実現してしまうとは夢にも思いませんでした。
たった1試合とはいえこの歴史的な敗退劇で失ったものは大きいと思います。
バルベルデ・バルサの強みは大崩れしないことでしたが、
この大一番でそのイメージは崩壊しました。
選手層の問題については監督の責任ではありません。しかし、そのためにローテーションに消極的だったり、逆転されてもギリギリまで手を打てなかったり、結局のところビッグクラブ初挑戦による消極的な姿勢がこの1試合での大失態に繋がったのでしょう(エメリ監督と同じように)。
開幕当初は国内タイトルすら危ぶんでいましたし、難しいチーム状況でここまで手堅く勝利を積み重ねてきたその手腕は評価します。
しかし、こうなると続投できたとしてもますますチャレンジしにくくなってしまうわけで、来シーズンへの期待が不安に変わりました。
ただでさえ主力の高齢化と欧州での存在感の喪失で次を逃すともう当分CL制覇のチャンスはないと思っているのですが・・・
ライバルが躍進し、W杯優勝を目指すアルゼンチン代表も低迷していて
メッシの精神状態も気になるところです。
「レト」さん、いつもコメントありがとうございます。
歴史に残る大逆転劇の敗退はさすがに予想外でしたね。
僕も1stレグの結果から、準決勝進出決定と甘く捉えていました。
反省ですね^^;
来期の心配な面はありますが、今はリーガと国王杯に集中です^^;
この2つのタイトルをまだ獲得したわけではないので、
この大逆転の敗退でチームが崩れないかが今の心配点です。
またのコメントお待ちしております。
これからもよろしくお願いします。
更新ありがとうございます。
三冠を夢見ていた事、レアルが昇り調子な事などから、今朝の敗退は本当にショックで今日1日絶望感に覆われ、仕事も何も手につかずにいました。ですが、バケンジさんの バルベルデ1年目にしては上出来 という言葉に共感し救われました。また応援を続けていきたいと思います。ありがとうございます
さて質問なんですが、イニエスタがいなくなる前提でのこれからのバルサにおけるメッシの役割についてです。
イニエスタがいなくなり中盤の構成力が落ちると思われますが、メッシのポジションを下げ4-3-3に戻すというのはどうでしょうか?テレビゲームではダブルボランチにブスケッツラキティッチ、トップ下メッシ、3トップは左からコウチ、スアレス、デンベレにしていますが結構強力です。あくまでテレビゲームですが。実際には守備のタスクなどの問題もあり簡単にいくかわかりませんが、4-3-3なら噂のグリーズマンが移籍してきてもローテしやすいのと、あくまでバルサには攻撃的に行ってほしいと思う故なのですが、バケンジさんはどう思われますか?
「jyopiero」さん、コメントありがとうございます。
質問のほう回答させていただきました。ご確認ください。
メッシを中盤に下げるのはアリだと思います。
ストライカーからチャンスメーカー、ゲームメーカーとするのもいいのかもしれませんね。
それに伴いチームの戦い方も変更する必要はありそうです。
またのコメントお待ちしております。
これからもよろしくお願いします。