《質問》バルセロナのチーム哲学は崩壊しかかっている? 19年夏に欲しい2選手は?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

『CL 1st バルサvsリヴァプールを観て感じたこと。

『バルサがバルサでなくなる日が近づいている』

一歩手前のギリギリのバランスで成り立っているチームの状態ではないか?どう思いますか?

私自身は、数年前のバルサは内容(持ち味をだす)ともに強すぎて観なくなったんですが、今回の試合は、リヴァプールが持ち味を出して負けたのですが、バルサの戦いかた(持ち味だせてないー監督のゲームモデルの問題もあるが)も、強くて 面白いと思った。

ただ かっこつけた言い方だと『滅びの美学』的なバルサの戦い方が 興味深く感じたということです。

バルサに関しては、ロナウジーニヨ在籍時が一番魅力を感じました。

バケンジさんは、クラブとして『バルサがバルサでなくなる日』が近づいている?と感じているかどうか 知りたいです。

また、来期欲しい選手二人(資金面、移籍実現性は考慮せず現役選手)を知りたい。よろしくお願いします!』

 

貴重なコメントありがとうございます。コメント欄は記事の下部にあります。

質問・疑問点だけでなく、思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。

 

見解・回答の目次

1、「チーム哲学のポゼッションサッカーを継続しているが薄まっている」

2、「バルセロナをどうするかはチームのトップに座る会長の考え次第!」

3、「最前線と最終ラインで将来最も期待できる2人が欲しい!」

4、「まとめ」

 

1、チーム哲学のポゼッションサッカーを継続しているが薄まっている

・バルセロナのチーム哲学(スローガン)を改めてみる

『バルサがバルサでなくなる日が近づいている』

これはバルセロナのチーム哲学の崩壊と推測しました。

バルセロナのチーム哲学ですが、改めて言われると「クラブ以上の存在」くらいしか思いつきません。

この具体性の無い言葉ではバルセロナのチーム哲学は理解できないので、調べてみたところ「クラブ以上の存在」をバルセロナはしっかりと8つの要素に定義していました。

 

●「クラブ以上の存在」のことばを定義する8つの要素

1、決断は民主的に14万4千人以上の会員が行なうことで成り立っているクラブである

2、複数のスポーツから成り、女子スポーツへの投資を行なうクラブである

3、独自のスタイルでプレーすることに勝つことと同じ重きを持っているクラブである

4、ラ・マシア スポーツを通した人間形成を教育するクラブである

5、財団法人 ソーシャルコミットメントに賭けているクラブである

6、バルサ・イノベーション・ハブ 知識とイノベーションを取り入れ、生み出し、伝えていくクラブである

7、グローバルでありながら、自らの根元であるバルセロナ、カタルーニャを感じるクラブである

8、価値観を信じて体現するクラブである。その価値観とは、謙虚さ、努力、チームワーク、野心、敬意

※FCバルセロナ日本語公式サイトより引用(2018年6月時点)

 

今回はピッチ上に対しての質問なので該当するのは

3、独自のスタイルでプレーすることに勝つことと同じ重きを持っているクラブである

なので、ここに焦点を当てて考えていきます。

 

 

・「ポゼッションサッカーで美しく(スペクタクルに)勝利する」これがバルセロナの哲学にマッチするサッカー

バルセロナの「独自のスタイルでプレーして勝つ」となれば、クライフ氏が持ち込んだ「ボールを保持するポゼッションサッカー」になります。

サッカーを少し知っている人なら「バルセロナのサッカー=ポゼッションサッカー」と答えるでしょう。

バルセロナのサッカーと言えば確かにポゼッションサッカーですが、これが定着したのもここ30年の話です。

クライフ氏が1988年にバルセロナの監督に就任するまでのバルセロナは、“普通のサッカー“”だったと思います。(あまり知らないので推測ですが)

トータルフットボールの伝道師であるミケルス監督と現役のクライフ氏がタッグした1973年からの数年間だけは、スペクタクルなサッカーだったのかもしれません。

FCバルセロナは1899年に創立されて120年続いていますが、「バルセロナのサッカー=ポゼッションサッカー」はクラブの歴史では四分の一程度と短いです。

現在の「バルセロナのサッカー=ポゼッションサッカー」ですが、創立されたときから掲げられた哲学ではなかったようですね。

 

 

・バルサのポゼッションサッカーは継続しているものの“薄まっている”!

「バルサがチーム哲学的にギリギリのバランスで成り立っているチーム状態ではないか?」

ですが、ギリギリとは言わないまでもチーム哲学は薄まっているようには感じます。

現在のバルサは『独自のスタイルでプレーすることに勝つことと同じ重きを持っているクラブである』ではなく、

「独自のスタイル:勝利=2:8」のサッカーという認識をしています。

ルイス・エンリケ監督の時から少しずつ勝利に比重が傾きだし、現在のバルベルデバルサは勝利への比重が強まって独自のスタイルは薄れています。

チーム哲学的には進むべき方向性がずれていると言い切っていいでしょう。

しかし完全にチーム哲学がなくなったとは言い切れず、そういう意味では“ギリギリで成り立つ”という表現が当てはまるのかもしれませんね。

 

 

・ポゼッションサッカーを重視しているバルサファンにとって現状は問題かもしれないが…

今回の質問を問題に感じている人は多いと思いますが、問題ないだろうと感じる人もいるのではないかと推測しています。

「バルセロナを応援している=バルサファン」と思っていますが、バルサファン1人1人がバルセロナに何を求めるかによって意見は違うと思います。

バルセロナに第一にスペクタクルなポゼッションサッカーを求める人もいれば、第一に勝利を求める人もいるでしょう。

バケンジは本音で言うと後者の勝利に比重を置いています。

バケンジはライカールト時代やペップ時代にバルサファンになったわけではなく、暗黒時代の中でリヴァウドのプレーに魅了されてバルサファンになったことが大きく影響していますかね。

あの当時はホームカンプノウといえどバレンシア、デポルティーボなど強かったクラブに負け続けていましたし、勝てない時代に応援しだしたことが勝利に比重を置いている原因なのかもしれません。

学生時代にサッカーをやっていたときも試合内容より勝利主義でしたし、試合をする以上は勝利を最優先するというのが自分の考えです。

バケンジのバルセロナに対する考えは「ポゼッションサッカーで勝利することを第一に目指すが、ポゼッションサッカーで勝てないのなら泥臭いサッカーでも勝利を追い求める」です。

ポゼッションサッカーは優先すべき1つの手段ですが、最優先は勝利という考えです。

 

ライカールト時代やペップ時代にバルサのサッカーに魅了されてバルサファンになった人にとっては、第一にスペクタクルなポゼッションサッカーに比重を置くのも理解しています。

バルサファンである以上はどちらか片方だけを求めるということはないと思いますが、勝利に比重を置いている人にとっては現状の勝てるチームをそこまで問題視していないように思います。

これは人それぞれ意見も感じ方も違うと思うので、どちらが正しいとは言いませんが、バケンジは現状のチームの戦い方をそこまで問題視していません。

バルベルデ監督の色が出たチームになっている印象で、現状のサッカーが嫌なら監督か選手のどちらかを変えるしかないでしょうね。

監督や選手の人事ということで、現在のバルトメウ会長についても次のところで色々と…。

 

 

2、バルセロナをどうするかはチームのトップに座る会長の考え次第!

・バルトメウ会長率いるフロントは短期的(21年任期まで)な視点しかない

『バルサがバルサでなくなる日』ですが、それはすべてバルセロナの会長次第かなと思います。

クラブの目指す方向を決めるのは会長ですし、『バルサがバルサでなくなる日』がくるならその時の会長の意向になるでしょう。

バルセロナの現会長であるバルトメウ氏ですが、そこまでピッチ上のチーム哲学は重視していないという印象です。

ピッチ上というよりピッチ外で「俺の任期時代にこのような新しいことをした!」といういことに躍起になっているように見えます。

収入で10億ユーロを目指したり、ユニフォームを大幅に変えたりと、記憶よりも記録を残したいように思います。

バルトメウ会長は任期である21年まで、そして自分の功績を強く考えているように思うのであまり好きじゃないですね。

選手年俸をどんどん膨らましていますが、次の新しい会長になった時には選手年俸問題を解決するために主力選手の売却が行われると予想していますよ。

長期的な視点で見たときに選手年俸を上げることは意味ないですし、決めたルール(選手のランク、収入の何%までが選手年俸)の中で選手年俸は決めるべきです。

バルトメウ会長が21年までのバルセロナにしか興味がないので、現状のバルセロナの姿になっているように強く思います。

 

 

・バルトメウ会長は現状のチーム状況を問題視していないからこそバルベルデ監督続投を決意!

ピッチ上で言うと「スペクタクルなポゼッションサッカーで勝利を目指す」なら、恐らく新シーズン前にバルベルデ監督を解任して新監督就任をするべきだったと思います。

これをしなかったのは、バルトメウ会長がスペクタクルなポゼッションサッカーよりも勝利に比重を置いているからだと推測します。

バルベルデ監督は優秀な監督なので、今シーズンもタイトル獲得という勝利の面は大きく期待できます。

しかしチーム哲学であるポゼッションサッカーを大事にするという面では、バルベルデ監督はそこまでの適任者ではない印象。

それでもバルトメウ会長がバルベルデ監督を解任しなかったのは、勝利を期待できるチーム作りをしているからでしょう。

恐らく勝てなくなったら、バルベルデ監督は試合内容に関係なく解任されるでしょうね。

バルトメウ会長の中ではピッチ上は勝利をすればOKという考えが強いので、バルベルデ監督続投を早々と決意したのだと思います。

 

 

・『バルサがバルサでなくなる日』は、次期会長も同じ考え方ならそうなるかも…

『バルサがバルサでなくなる日』は会長次第と言いましたが、バルトメウ会長がいる21年までにそれが現実になるとは思っていません。

もし起きるとしたら、21年から新会長になる人次第だと推測します。

21年からの新会長の時代にはメッシやブスケツやピケなどの黄金世代のカンテラ選手が完全にいなくなり、そこでの手腕が大事になってきます。

そこで勝利至上主義にしてしまう(補強に頼ったチーム作り)と、本当にカンテラ選手の在籍が数名まで落ち込むでしょう。

そうなればバルセロナがスペクタクルなポゼッションサッカーをすることは難しいと思います。

なんだかんだ言ってバルセロナにはカンテラ選手の存在が大きいと感じていますし、カンテラ選手の存在なしに他のチームと差別化するポゼッションサッカーは無理だと断言します。

普通のサッカーになり、勝つことも難しくなり、バルセロナは迷走して暗黒時代に陥る可能性もあります。

その為にも現在からカンテラ選手の引き上げを行ってトップチームのカンテラ選手の比率を上げておきたいのですが、難しそうですね。

こういうことからもバルトメウ会長は21年までしか見てないかな…。

次の新しい会長が迷走する方向に向かわず、カンテラ選手を重視したポゼッションサッカーをするために我慢することを決断できる人なら『バルサがバルサでなくなる日』は簡単には訪れないと思います。

カンテラにいい人材は間違いなくいますし、後は勇気をもって起用して根気強く成長を見守り、現場だけでなくファンも我慢できればいいなと思います。

 

 

3、最前線と最終ラインで将来最も期待できる2人が欲しい!

・最前線で怪物の存在となっているムバッペ(パリ所属)

ここからは今夏欲しい選手ですが、年齢が若く成長している過程を見るのが好きなので若い2人を選びました。

まずは最前線(FW)で怪物の存在となっているムバッペ(パリ所属)ですね。

説明不要な圧倒的なスピードは持ち味ですが、左右どちらのサイドでもプレーできることも高評価。

フィジカル面だけでなくテクニカル面も非凡な選手で、若いですが完成された選手という評価です。

ここからさらにどんな成長をするのかをバルセロナで見てみたいと思っています。

数年後にはレアル・マドリーに移籍しているかもしれませんが、ムバッペなら移籍金3億ユーロ用意しても悪くないかなと…。

ムバッペの心配な部分は怪我だけですかね。

体が出来上がってるといってもいいほど良い体格をしていますが、これ以上体を大きくすると怪我が怖い。

ブラジル代表のロナウドは膝の負傷でポテンシャルをすべて発揮できなかったと思っているのですが、体を大きくしたことによってじん帯や関節に負荷がかかりすぎて怪我だけはしてほしくない。

筋肉はいくらでもつけられますが、じん帯や関節の強化は現在の人体の研究では判明していないはずなので、そこがもたないように感じています。(イチロー理論なんですがね^^)

最近では少しピッチ外などネイマールの影響なのか人としての態度が問題視されていますが、そこはバルセロナに来た場合は大丈夫かなと思っています。

最前線の選手でピカイチの才能がある選手だけに、正直レアル・マドリーからの強奪を期待しています。

ムバッペ自身がバルサよりレアル・マドリーのファンらしいので無理そうですが^^;

 

 

・最終ラインで10年以上サッカー界を引っ張る存在になるデ・リフト(アヤックス所属)

2人目は、最終ラインで圧倒的な存在感を誇るデ・リフト(アヤックス所属)ですね。

昨季にアヤックスのサッカーが面白くてCLの試合を見ていました。

バルサが獲得を決めたデ・ヨングの活躍ぶりはすごかったですが、デ・リフトもインパクトが大きかったです。

19歳ながら世界屈指のDFスキルを感じられますし、これから10年は最終ラインで代表される選手になると確信しています。

ユベントスとは選手側と個人合意をしているようでバルサへの移籍がどうなるか分かりませんが、グリーズマンを獲得しようとするぐらいならデ・リフトにお金を使ってほしい

デ・リフトが少し前のインタビューで「移籍を決めるのにお金は重要ではない!」と発言していましたが、バルサとは選手年俸でもめてそうなので少しマイナス評価(代理人ライオラの思惑が大きいと思いますが、契約したのデ・リフトなので同罪)

またユベントスではスタメン確約という条件もあるという噂ですが、サッカー選手ならそんな契約は必要なし。

試合に出場したかったら監督にアピールするしかないので、デ・リフトはメンタル的には年齢相応かなとは思っています。

選手のポテンシャルを高く評価して2人目にデ・リフトを選びました。

この記事を更新した段階では移籍先は決まっていないはずなので、最後の最後にデ・ヨングのようにバルサを選んでほしいですね。

 

 

4、まとめ

・チーム哲学は薄れてきているが、まだ崩壊してバルサがバルサでなくなってはいない

・『バルサがバルサでなくなる日』がくるなら次期会長の21年以降でチームが迷走すると可能性はある

・獲得したい選手はムバッペとデ・リフト

 
 

4 Responses to “《質問》バルセロナのチーム哲学は崩壊しかかっている? 19年夏に欲しい2選手は?”

  1. プラッシー より:

    バルサが勝利により比重を置いたのは12-13シーズンのチャンピオンズでの大敗と翌シーズンの無冠がきっかけじゃないですかね。
    強豪バイエルン相手とは言えシャビ・イニエスタ・ブスケツを擁したポゼッションサッカーで合計スコア7-0と手も足も出なかったのは衝撃的でした。
    私も個人的にはポゼッションよりも勝利に比重を置いています。いくらバルサがポゼッションで華麗なサッカーを披露してもレアルがタイトルを取ってしまうと全然喜べないですね。

    • バケンジ より:

      「プラッシー」さん、いつもコメントありがとうございます。

      勝利に比重を置いたのがいつかは分かりかねますが、
      現状のバルトメウ会長とバルベルデ監督がそうであることは確かだと思いますね。

      バイエルンに0対7で敗退した時の2ndレグのカンプノウの試合で、
      ボコスカ点を取られていたときは完全に放心状態でした^^;
      バルサに点差をつけられて負けるチームのファン心理を知れたような気がしました。

      ポゼッションサッカーと勝利を同時並行で求めていくのはもちろんですが、
      勝利できないポゼッションサッカーに価値を置くのはどうかと思いますね。
      クライフ氏の考えとはここだけはっきり違う気がします。

      レアル・マドリードをバケンジは嫌いではありませんが、
      レアルがタイトルを獲得するのは気に食わないですね。
      本当に嫌いではないですが、常に負けてほしいと願っているのは自分でもよくわからない心理ですね。

      またのコメントお待ちしております。
      これからもよろしくお願いします。

  2. たけちゃんまん より:

    バケンジさん(^^)

    いつも楽しく拝見させて頂いてます!
    グリーズマンのバルサ移籍が決定しましたね
    決まってしまのでバケンジさんのグリーズマン加入に伴う前線のスタメン予想をお伺いしたいです。
    前線はメッシ、スアレス、デンベレ、コウチーニョ、マウコムそしてグリーズマン、、、
    個人的にはデンベレ、マウコムを来シーズンはもっと見たかったのですがどうなることやら、、

    • バケンジ より:

      「たけちゃんまん」さん、コメントありがとうございます。
      質問のほう回答させていただきました。
      ご確認ください。

      予想ですがバルベルデ監督はシーズン序盤にMSG、
      メッシ、スアレス、グリーズマンを機能させるために試行錯誤してくると思います。

      デンベレの起用を期待はしていますが、どうなりますかね。
      プレシーズンの練習からデンベレのやる気は感じられますが、
      スアレスをどう扱うかにすべてかかってきそうです。

      またのコメントお待ちしております。
      これからもよろしくお願いします。

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