《質問》3トップの中央にメッシを置き、両ウイングを配置する方がバランスがいい?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

『素人の考えかもしれませんが、メッシが中央に寄って右が手薄になるのなら、

最初からメッシを中央に置いて右にウィングの選手を置けばバランスよくなるのではないでしょうか?』

 

このコメントはバルサの右の攻撃が機能していないことにおいて、

右の攻撃の人数を2人から3人にするということについてのコメントです。

現状のバルサの右SB、右インテリオールの2人のところに、

右ウイングの選手を最初から置けば左右からの攻撃が可能になるのではという質問になります。

 

貴重なコメントありがとうございます。コメント欄は記事の下部にあります。

質問・疑問点だけでなく、思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。

 

見解・回答の目次

1、「メッシ中央の3トップの方が攻守のバランスはいいが、攻撃面で苦労するかも…」

2、「現状のチームでメッシ中央の3トップを試すと、スアレスとグリーズマン問題が発生!?

3、「まとめ」

 

1、メッシ中央の3トップの方が攻守のバランスはいいが、攻撃面で苦労するかも…

・メッシ中央の3トップにすると攻守のバランスは良くなり分かりやすい

メッシ中央の3トップ(両ウイング)陣形についてですが、

結論から言うと攻守のバランスはとてもよくなると思います。

 

まず攻撃面からで、左右のサイドで3人以上の攻撃の人数をかけられます。

左右両サイドで縦への突破も期待でき、右の攻撃が手詰まりという問題は解決するでしょう。

 

また、守備面では両ウイングがしっかり守備をすれば

4-1-4-1の守備ブロックを組むことができ、攻守においてシステム通り機能しやすいです。

 

バルサの選手たちもメッシを中央に置けばある程度システム通りに戦えるので、

戦いやすいという面が特にメリットですね。

 

 

・ペップ時代に成功したメッシの0トップシステムは相手の裏を狙える両ウイングの存在あり

メッシ中央の3トップにすると攻守のバランスは良くなるし、

選手たちも戦いやすいというメリットもあるのに、

なぜこの陣形と戦い方を推奨しないのかというには明確な意図があります。

 

ペップ時代にメッシ中央の3トップ(0トップシステム)で成功を収めたバルセロナ。

しかし、あの当時のバルサのFWにはフリーランニングで相手の裏を狙える選手が数多くいました。

ペドロ、アンリ、ビジャ、アレクシス・サンチェス、

足元でボールを受けてなにかするタイプの選手というよりも、

相手の裏でボールを受けて仕事をする選手が多かったです。

 

メッシを3トップの中央で活かすには、基本的に両ウイングに相手の裏を狙う選手が必要だと考えています。

メッシは中央付近でフラフラして相手のマークが寄せにくいポジショニングでボールを受けようとしますが、

両ウイングが裏を狙っているからこそ、相手の両CBはメッシに寄せにくいという一面が大きかった。

 

バルサの両ウイングが裏を狙わずにサイドで開いて足元でボールを受けるだけなら、

CBが前に出てメッシに寄せたとしても1つのパスで大ピンチというシーンは作られにくいです。

メッシがパスを出すのは基本的に大外に開いているサイドの選手になるので、

守備側からするともう一度仕切り直しができるからです。

 

逆に裏を狙っている両ウイングの選手がいると、

メッシにCBが寄せることでSBとCBの間にギャップが生まれ、

そのギャップに1つのスルーパスで背後を取られてフィニッシュからの失点の可能性が高まります。

 

また、両ウイングが裏を狙う動きをすることで、

SBがマークするために中央に動いて空いたスペースを

メッシがドリブルで侵入するという攻撃もひとつのメリットでした。

 

メッシは最前線で相手のゴールに後ろを向いて

体を張ってボールを受けるポストプレータイプの選手ではないので、

前は向けなくても相手のゴールに対して悪くても横向き(半身)でボールを渡したい

 

メッシがこの状態でボールを受けるために両ウイングには

裏を狙えるウイングの選手が必要だと強く思います。

現在のバルセロナには残念ながら裏を狙うタイプのウイングはいないです。

 

デンベレは足元でボールを受けるのが大好きで、

アンス・ファティもカルレス・ペレスも基本的には足元でボールを受けようとしています。

グリーズマンなら裏を狙うランニングはみせれますが、

グリーズマンをこの起用のために獲得したのかという疑問は残りますね。

 

 

・足元中心の攻撃で崩すには苦労する、昨シーズンのコパ決勝のバレンシア戦のように…

と言っても、ペップ時代にはイニエスタを左ウイングで起用していたこともありましたね。

そして実際、ボールポゼッション率をより高めて勝利していました。

 

このパターンはどうなの?という疑問も残りそうなので少し解説します。

あの当時はイニエスタを左ウイングに入れる時でも、

右ウイングには裏を狙える選手(ペドロ)が重宝されていました。

 

両ウイングに裏を狙う選手を置けないとき(FWに怪我人が多い状況)、

またボールポゼッション率を高めて相手を押し込み、

相手のカウンターを減らしたいときに起用されていたと記憶しています。

 

攻撃は中盤の選手がボールを速く動かしているところにメッシが攻撃のスイッチを入れ、

バルサは多くの得点を奪っていました。

 

しかし現状のバルサの中盤の選手がかつてのような速いパス回しができるかは疑問がつきます。

またブスケツ、シャビ、イニエスタ、セスクのように

メッシの狭いエリアで攻撃するという同じ感覚でプレーできる選手が現状のバルサに多くいない…。

 

左ウイングにイニエスタではないですが、昨シーズンのコパ決勝の試合では

このシチュエーションに近い形の試合となっていました。

この時はスアレスが手術により不在で、

左ウイングにコウチーニョ、右ウイングにセルジ・ロベルトの3トップ。

 

バルサはメッシを中心にコウチーニョやセルジ・ロベルトと連携して、

狭いスペースの中でバルサらしい良い攻撃が何度かできていました。

しかし、バレンシアの超コンパクトな守備ブロックの前に決定機は少なく、

良い攻撃をみせるも1対2の敗戦に終わりました。

 

バルサらしい良い攻撃をみせていたのは確かでしたが、

同時に足元中心の攻撃の限界も感じていました。

このまま同じような攻撃をしてもバレンシアの守備ブロックを崩せる可能性は低く、

裏を狙える選手や個人技でサイドを突破できる選手がいないと

得点の可能性は上がらないだろうなと思っていました。

 

足元中心ながら速いパス回しで崩せるほど流動的な攻撃ができればいいのですが、

残念ながら現在のバルサにそれは期待できないでしょう。

 

もしメッシを3トップの中心に置く陣形にするなら、

やはり裏を狙える選手が最低1人は必要かなと強く感じました。

 

 

バルサはメッシ中心のチームというのは間違いないので、

メッシが活きる攻撃をするというのがファーストチョイスの攻撃で考えています。

 

 

2、現状のチームでメッシ中央の3トップを試すと、スアレスとグリーズマン問題が発生!?

・デンベレ、メッシ、グリーズマンの3トップにして今シーズン内で形になるのか?

「難しい!難しい!」と言って可能性をゼロにするのもなんなので、

現状のチームでメッシ中央の3トップの可能性も模索します。

 

まずメンバーですが右から

デンベレ、メッシ、グリーズマンが基本メンバーになりそうです。

 

裏を狙いながらメッシと連携するグリーズマン、

サイドで個人突破しながらチャンスメイクするデンベレ、

という役割ですかね。

 

グリーズマンはメッシとの連携を高めること、

パスの出るタイミングで裏のランニングができるようになることが課題です。

デンベレはサイドでチャンスメイクできる絶対的な存在になること、

そして周りの選手と連携を高めた攻撃ができるようになることが課題です。

 

この3トップを実現するのにグリーズマンはあと3か月あれば形になりそうですが、

デンベレはこのレベルまで到達できるか微妙ですかね。

デンベレが覚醒という大爆発的な成長をすれば可能だとは思いますが…。

 

もしメッシ中央の3トップで戦おうとするならデンベレの成長も考えて、

すぐにでもトライして数か月戦い続けないと良い攻撃をするのは難しい印象です。

 

この3トップの陣形に賭けてトライするのも1つの策かもしれませんね。

バケンジ的には連携の取れているスアレスとメッシのコンビに

グリーズマンが連携を取ることによっていい攻撃ができそうな、

メッシがトップ下でスアレスとグリーズマンの2トップ気味の方が

今シーズン中で考えれば計算できるとは思いますが。

 

 

・スアレスをベンチに置けるのか?グリーズマンをこのままウイングで起用し続けるのかという問題…

もしデンベレ、メッシ、グリーズマンの3トップにするなら、

ポジションを奪われて出場機会を失うスアレス問題が発生しそうです。

 

スアレスは試合途中からの出場が中心になるとは思いますが、

ベンチでおとなしくしているかは微妙です。

また、実際問題バルベルデ監督がスアレスをベンチに置くという決断をする可能性は低そう。

 

バルベルデ監督は前線ではメッシとスアレスを不動の2人と判断しており、

スアレスを外してデンベレに賭けるという選択をするのかどうか。

右ウイングにスアレス起用の可能性もありそうですが、

こうすると明らかにスアレスの長所は奪われて、スアレス自身の得点は減りそうです。

 

 

また、グリーズマンをこのままウイングで起用し続けていいのかという問題も発生しそうです。

バルサファンはグリーズマンに得点やアシストといった数字に表れる部分を期待していますが、

ウイング起用をし続けるなら両方の数字が低くなるのは明らかです。

 

グリーズマンを中央付近で起用し連携さえ取れれば得点もアシストも期待できるとは思いますが、

ウイングで起用し続けても数字の面では限界があるでしょう。

グリーズマンという超一流の選手に対して、

この役割を任せるためにバルサは獲得したのかという疑問が。

 

戦術面の決定はボスであるバルベルデ監督にあるので文句は言えませんが、

グリーズマンに攻撃面での活躍を期待するのなら

中央付近のポジションでプレーさせる必要があるのは明らかです。

 

もしメッシ中央の3トップにするとこのスアレスとグリーズマン問題が発生する可能性があり、

この問題と上手く付き合いながらバルサは残りのシーズンを戦う必要が出てきそうです。

 

 

3、まとめ

メッシ中央の3トップにすると、現状のバルサでは攻撃面で苦労する可能性が高いです。

デンベレ、メッシ、グリーズマンの3トップの形を今シーズン内で完成させられるかは疑問がつきます。

 
 

2 Responses to “《質問》3トップの中央にメッシを置き、両ウイングを配置する方がバランスがいい?”

  1. ももさく より:

    先日のクラシコはガッカリでしたね。バケンジさんの言うように悲しい内容ですね。希望が持てない…。現状あのメンバーではポゼッションは取れても強敵に勝てるポゼッションサッカーは無理だと感じました。メッシが降りてこないと成り立たないポゼッションとビダルを入れないと掛けれないプレス。どちらも不可欠な要素は分かるがそうなると点を取るのに何かパンチが足りなくなる…。スアレスが居れば解決するかもだけど今のグリーズマンでは少し足りない感じがします。デンベレ負傷やカンテラ出身の若手を放出して駒が無いなら無いで、ラキ、デヨング、アルトゥールなどを前線の右か左に入れてメッシとグリーズマンの距離を近くするなどなんかもう少しやり方は無かったのかな?とちょっと現状では上昇する兆しが見えなかったのが残念でした…。

    • バケンジ より:

      「ももさく」さん、コメントありがとうございます。

      クラシコの敗戦というより試合内容にガッカリでしたね。
      前半は良かったですが、後半のマドリーの戦術変更に何も対応できなかったことが悔しい。

      スアレス不在でもバルセロナの選手は豪華だとは思いますが、
      パンチ力がなかったのはとても痛感しました。

      セティエン監督には誰かが不在でも
      それを感じさせない戦術面でのオプションが欲しいですね。
      一つのやり方を追求することは悪いと思いませんが、
      それがうまくいかなかったときに何もできなかったではキツイです。

      またのコメントお待ちしております。
      これからもよろしくお願いします。

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